slackとは何か?ビジネスチャットツールを比較して使おう
昨今、中小企業において人手不足が問題となっています。特に地方の企業は人手不足が深刻化していて、多くの経営者は頭を悩ませているのではないでしょうか。そんな中、注目されているのがリモートワークです。意味は直訳すると「遠隔で働くこと」となり、会社以外の場所で仕事をおこなう勤務形態をいいます。従業員などが自宅やその他の場所を主として、メールや電話、インターネットなどを使って会社とコミュニケーションを取りながら働くのです。リモートワークを導入する上で必要と言われているのがビジネスチャットツールです。今回はビジネスチャットツールの1つであるSlack を紹介するとともに、その特徴や他のチャットツールとの違い、さらにはその選び方の基準なども紹介します。
Slackとは何か?ビジネスチャットツールのメリット
Slackとは2013(平成25)年8月にアメリカでリリースされたビジネスチャットツールです。ビジネスチャットツールとは、同じ会社の人間が同じ場所に居なくてもインターネットを利用することでリアルタイムでコミュニケーションが取れ、メンバー間でのファイルの共有などができる便利なツールです。また部署内や会社内で発信される情報なども時間や場所を気にすることなく閲覧できます。ビジネスにとって大切なのは情報共有とコミュニケーションの伝達の速さで、そうしたニーズを満たしてくれるのがビジネスチャットツールなのです。
ビジネスチャットツールを利用するメリットをもう少し詳しく説明しますと、まずメッセージの送受信が手軽で早いことにあります。ビジネスチャットは会話形式でもあるため、あいさつ文や前置きは必要なく、手軽で素早いコミュニケーションが実現できるのです。次にあらゆるデータファイルを送信できるというメリットがあります。基本的にパソコン上で扱うファイルなら何でも送信でき共有できます。3つ目にチャットルームでおこなったやり取りの履歴をいつでも遡ることができるということです。大事な情報や、やり取りの内容を忘れてしまっても簡単に確認することができます。
Slackの特徴は?使える機能の多さで利用者が増加中!
Slackは多くのチャットツールがある中で、日本でも大人気のチャットツールとなっています。Slack の特徴として、まず1対1やグループでのコミュニケーションがストレスなくスムーズにリアルタイムでできます。またパソコンの他に、スマートフォンやタブレットでも閲覧や利用することができとても便利です。グループ内でのやり取りの保存や修正もでき、履歴を遡る時も簡単に検索できるようになっています。
さらに画像を含めたどんな種類のファイルも共有でき、業務などで使っている他のツールやサービスとも連携させることができます。これによって仕事の効率も上がり、時間が大切なビジネスマンやビジネスウーマンにとっては無駄なく時間を使うことができるのです。Slackはオリジナルで絵文字を作ったり様々なカスタマイズができたりもするので、女性にも人気です。やりとりが堅苦しくならず仕事が楽しくできる特徴もあります。
SlackとLINEとの違いは?ビジネスか個人用か
日本人の多くが利用しているチャットツールにLINEがありますが、Slackとどのような違いがあるのでしょうか。1番の違いは目的がビジネス用か個人用かということです。LINEは個人間でのプライベートな会話を目的としてします。個人同士が友達申請をすることで、その人とのトーク部屋がつくられ、プライベートでのやり取りができるのです。これに対しSlackはもともとビジネスシーンでの使用が目的となっています。たとえば、ビジネス上で何かトラブルや行き違いがあった時には調査が必要となります。そういった時のために個人同士のトークルームを管理者が監視できるようになっているのです。
LINEでもグループトークという機能がありますが、個々のやり取りはお互いに友達申請をすることでグループの作成者には見えずに関与することはできません。またSlackは送った情報を訂正できますが、LINEでは一度送ってしまったメッセージに誤りがあった場合は1度削除して、また新たなメッセージを作らなければなりません。Slackをはじめとするビジネスチャットでは、送ったメッセージを後から修正できるところに大きな特徴があるのです。間違えたメッセージを送ってしまったとしても、メッセージを修正すればその直後からすべてのデバイスで正しく修正されたメッセージが閲覧できます。
さらにLINEでは相手が読んだという既読の機能がありますが、相手が現在何をしているのかはわかりません。例えば書きかけのような文章が送られてきた場合、その後相手が書き直しているのかわからずこちらが確認のメッセージを送ると、すぐに既読になり今現在書きなおしている最中だと気づくことがあります。これがプライベートならまだ良いのですが、仕事となると余分な手間となり円滑なコミュニケーションが取れない原因となってしまいます。しかしSlackはリアルタイムで相手が何をしているかがわかるために、こうした問題は起きません。小さな機能かもしれませんが、ビジネス上ではこういったことが便利な機能となるのです
Chatworkとは何か?Slackと並ぶ2大ツール!
昨今、Slackと並んでよく使われているビジネスチャットがあります。それは、日本で開発されたChatworkです。Chatworkにもファイル送信機能やグループ間でのファイルの共有、チャット機能などが備わっています。またSlack同様スマートフォン版のアプリケーションもあり、外出中でも簡単にメッセージが確認できます。Chatworkの強みは何と言ってもタスク管理機能です。タスク管理機能がないビジネスチャットの場合は、連絡用のツールとタスク管理用のツールを別々に使用する必要がありました。
しかしChatworkの場合は、チャット画面に表示されているタスク管理アイコンをクリックするだけで自身のタスクを確認することができ、チャットを確認しながらタスクの登録や確認ができるのです。またビジネスチャットツールでビデオ通話・音声通話機能を早くから導入していたのもChatworkでした。さらにChatworkは日本で開発されたために、ヘルプページや問い合わせの対応も、もちろん初めから日本語に対応しています。
Chatworkの使い方!メッセージ装飾や便利な機能
Chatworkでは利用するに当たって便利な使い方があります。まず投稿するメッセージに縦線や囲み枠といった装飾ができることです。例えば[title][/title]タグでメッセージを囲むとメッセージにタイトル(インフォメーションマーク)を付けることができます。またメッセージに区切りをつけたい場合は、[hr]タグをつけることによって縦線をつけることもできます。この他にも[info][/info]で囲むとタイトル枠の作成ができたり、[qt][/qt]で囲むことによって引用文として装飾することができたりするのです。
さらにChatworkでは作業時間を効率化できる便利なショートカット機能も充実しています。この機能を使いこなすことによって作業時間を大幅に短縮することができるのです。例えば「Enterで選択したチャットを開く」「gでグループチャットを作成」「Escでアクティブ状態のカーソルをキャンセルする」「Tabで送信ボタンをフォーカスする」など様々なショートカット機能があります。
Slackの活用方法を紹介!共有機能やチャンネルとは
ここでは、Slackの活用方法を紹介します。Slackには様々なファイルの共有はもちろん、ソースコードの共有という機能もあります。これはエンジニア同士のやりとりの時に便利な機能で、HTMLや各種プログラミング言語のソースコードを見やすい形で送信できる機能です。
またSlackのコミュニケーションには個々のメンバーとやり取りをするダイレクトメッセージと、特定のメンバーのみとやり取りができるプライベートグループ、そしてメンバー全体でのコミュニケーションができるチャンネルという3種類の方法があります。なかでもチャンネルはSlackで最も利用頻度が高くなっています。チャンネルの特徴としては、チーム別やプロジェクト別などのニーズに合わせて自由に作成できることや名前なども変更が可能なことです。また編成方法もワークスペース内で作成できる数も制限がないのでとても便利になっています。チャンネルはフリー、スタンダード、プラスなどすべてのプランで利用できます。
Slackの便利な機能が人気!ほかのツールとの連携もできる
Slackにはここまでで紹介してきた以外にも便利な機能があります。まず絵文字が非常に充実していることです。用意されている絵文字だけでなく、Slackでは自分で用意した画像を追加して利用することもでき、こうした遊び心が人気の1つとなっています。
そして、もう1つの便利な機能として他のサービスとの連携(インテグレーション)があります。連携機能を使うと複数のサービス画面を行ったり来たりすることなく、Slack上の画面だけで情報を受け取ることができるのです。例えば自分のスケジュールを確認したり、管理したりする時はGoogle Calendarと連携させると便利です。自分自身のスケジュールだけでなく部署やグループ単位で、日々のイベントを共有することができるのです。またプロジェクトなどを進めるにあたりチケットを管理する場合には、Redmineと連携させると便利です。いずれもApp Directoriのサイトへアクセスして連携させたいアプリを検索し、インストールすれば利用できます。
さらに、Slackにはメンションという便利な機能もあり、@をつけてコメントすることでそのグループやメンバーに対して呼びかけることができます。メンションで呼びかけられたメンバーには、通知が送られますので見落とすこともありません。
チャットツールとメールの違いは?新技術の開発で実現
チャットツールができる前は、ビジネスにおいても主にEメールがコミュニケーションツールでした。チャットツールとメールの大きな違いは、メールは基本的に個人同士のやり取りになります。しかしチャットツールは複数人でもメッセージのやり取りができ、ファイルなどの共有もできます。またチャットツールでは大容量のファイルを簡単に転送でき、さらにはクラウド上での管理となるために、どの端末でも最新の情報が閲覧できるのです。
またメールでは迷惑メールなどの処理の手間や、リアルタイムでの会話ができないので意思決定の場面では時間がかかり、レスポンスが遅れてしまいます。逆に、メールはリアルタイムでのやり取りではなく相手の都合に合わせることができ、緊急性のない連絡には向いていると言えるでしょう。さらにチャットの場合は早く返信をしなければというプレッシャーを感じますが、メールは自分の都合で開封し返信しても問題はないので、そういったプレッシャーを感じることはありません。こうしたことを考えると会社内でのコミュニケーションはチャットツールを利用し、お客さま対応などの場合はメールを利用するのが良いのかもしれません。
どのチャットツールがよいのかを比較する基準や選び方は?
自分が経営する会社にとってどのチャットツールを利用すればよいかという問題ですが、それぞれのチャットツールの特徴を踏まえ、自分の会社にとってどの機能が必要かを考えることが大切です。代表的なビジネスチャットツールであるSlack とChatworkを紹介してきましたが、おさらいすると、この2つの共通点はまずファイルの共有が簡単だということです。そして複数のメンバーで構成されたグループチャットの作成が可能で特定のメンバーに対してのメンションも可能。さらに過去のメッセージやファイルの検索が簡単で、複数のデバイスで利用できるということがあります。
Slackの特徴は外部サービスとの連携とソースコードの共有があり、Chatworkの特徴としてはタスクの管理機能があります。これらを参考にして、自分の会社にはどの機能が必要かを考えて選んでみてはいかがでしょうか。また、制限はありますがどちらも無料で利用できるので、一度試しに使ってみるのもよいでしょう。
チャットツールの選び方に迷ったら?リモートワーク情報サイトへ
Slack とChatworkの他にもチャットツールはいくつかあります。色々見てしまうと、どれを使ったらよいかわからくなってしまうこともあるでしょう。そんな時はリモートワーク情報サイトを利用することをおすすめします。よくわからずに利用しても、上手く活用できなかったり、すべての機能を使いこなせなかったりします。リモートワーク情報サイトではチャットツールに詳しい専門家からのアドバイスがもらえますので、選び方に迷ったらこちらを利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
SlackとChatworkをはじめとするビジネスチャットツールは、クラウド型のメリットを最大限に活かし、さまざまなタイプの企業の業務を効率化できます。また、近年問題となっている会社側が把握していない状況で、従業員がIT活用し情報漏えいなどの問題が起きるシャドーIT対策にも一役買う事ができます。さらには、ビジネスチャットツールを利用することによってリモートワーク化もスムーズに進み、優秀で経験豊富な人材を会社に受け入れることができるのです。人手不足で悩んでいる経営者や業務の効率化について悩み、まだチャットツールを活用していない場合は、自分の会社に合ったビジネスチャットツールの利用をおすすめします。