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office365とは何か?機能や使い方をマスターしよう

Office365(おふぃすさんろくご)は、マイクロソフト社が提供しているクラウド型のサービスです。Office2019などと異なり、パッケージを購入して利用するのではなく、年単位や月単位で定額料金を払うサブスクリプション方式によってサービスを提供しています。また、従来からあるWordやExcelに加えて、企業の生産性を飛躍的に高められるグループウェアが充実しているのも特徴です。離れた場所にいる人同士でビデオ会議をしたり、社内SNSを構築したりすることも簡単にできるようになっています。そこで、Office365とは何かという基礎的な知識の説明から始めて、使い方や詳しい機能を説明していきます。Office365を企業に導入しようと検討中の人は、従来のOfficeとはどこが違い、どのようなメリットがあるのか知っておきましょう。

office365とは?商品名ではないことに注意しよう!

「Office365」とは、マイクロソフト社が提供しているクラウド型のOfficeとそれに関連するサービス群の総称であり、いわばブランド名のようなものです。そのため、家電量販店などでパッケージ販売しているOfficeなどと異なり、買った後は料金が発生しないタイプではありません。月単位や年単位で定額料金を支払うシステムとなっています。

このようなサービスの提供方式は「サブスクリプション方式」と呼ばれています。商品やサービスを買い切るのではなく利用期間に応じて対価を支払う方式のサブスクリプション方式は、動画配信サービスや音楽配信サービスをはじめとして、現在、活用されるビジネスのジャンルが拡大している方式です。

提供する側のメリットとしては、安定的な収入を得られること、商品やサービスの管理がしやすいことなどが挙げられます。一方、利用者側からみると、Officeの場合は、導入コストを抑えられることがまず挙げられるでしょう。Officeはパッケージ版で購入すると数万円となるため、個人や中小企業での利用が減ってきていました。Office365ではOffice 365 Business Essentialsで月額540円(2019年4月現在)なので、初期費用が安く利用を開始しやすいといえます。不正利用が減ったこともあって、Office365の提供以後、利用者が増えて大幅に売上げが向上したといわれています。

プレインストール版office365の種類を紹介!

プレインストール版のOffice365は、パソコン購入時に最初からインストールされているタイプです。この「Office Premium」はOffice365のライセンス料をパソコン代金に含んでおり、パソコンを起動すればすぐに使える状態となっています。WordやExcelなどOfficeのアプリケーションは、プリインストールされたパソコンに限り、永続的に使用が可能です。すでに持っているパソコンなどにインストールすることはできません。また、プリインストールされていたパソコンが壊れた場合などで、新たなパソコンにOffice Premiumをインストールするのも不可能です。

Office Premiumのラインナップは3つあり、いずれもWord・Excelが入っています。「Office Personal Premium」はWord・Excel・Outlookの3種類のアプリが利用可能です。これに「PowerPoint」と「OneNote」が加わった5種類のアプリが利用できるのが「Office Home & Business Premium」です。「Office Professional Premium」ではさらに「Access」と「Publisher」が加わり、計7種類のアプリが利用できます。

プレインストール版のOffice365には、他のサービスもついています。1TBのオンラインストレージが利用できる「OneDrive」や毎月60分のSkypeでの無料通話です。また、Office Mobileアプリをスマホ2台とタブレット2台まで利用でき、テクニカルサービスも受けられます。ただし、このOffice365サービスは、Office Premiumの特典で1年間無料ですが、2年目以降は毎年6264円の料金が必要です。

office365の特徴!多様なデバイスで利用できる便利さ

Office365の特徴は以下のとおりです。

1.WindowsやMac、スマートフォンなど、すべてのデバイスで利用できる。
2.各デバイスで同時に5台で利用できる。
3.更新プログラムが提供されるので、常に最新の状態で利用できる。

1はマルチデバイスと呼ばれる特徴であり、さまざまな機器とOSを同時に利用していることの多い現在のユーザーにぴったりの機能といえます。しかも、2にあるように、1ライセンス(1ユーザー)あたりWindowsパソコンまたはMacパソコン、スマートフォン、タブレットそれぞれのデバイス種類ごとに5台同時に利用が可能です。したがって、最大15台の機器でOffice365が利用できます。

この台数をフルに利用する人は少ないかもしれませんが、それでも営業のために出張するといった場合には、それなりの数になるでしょう。会社用のデスクトップパソコン以外にモバイル用のパソコン、スマートフォン、特定のシステムを入れたタブレットなど複数台の端末を使うのはビジネスではあたりまえのことになってきています。IT企業などでは、客先にシステムを納入する際などにさらに台数が増加するかもしれません。一方、Office2019ではマルチデバイスは不可であり、インストールできる台数も2台です。ライセンス数が足りなくなる恐れがあることを考えると、Office365の台数の多さは魅力的といえます。

また、3にあるように常に最新のアプリを利用できるのもOffice365の特徴です。不具合やセキュリティの問題が発生したときもすぐに更新できますし、新たな機能が追加された場合にもただちに利用が開始できます。こうしたメリットは、単に最新版のアプリが使えるというだけではありません。会社の規模が大きくなるほど手間やコストのかかるIT管理者によるバージョン管理やセキュリティ管理も簡単になるのです。長期的にみると、大幅なコスト削減も可能になるかもしれません。

office365のメール機能は3種類!それぞれの特徴

Office365で提供されているメールサービスは以下の3種類です。

1.「Exchange Online」クラウド型のメールサーバー機能があるのが特徴
2.「Outlook」アプリケーションとして提供される。サーバー機能がないので単独ではメールの送受信ができない
3.「Outlook on the web」Exchange Onlineに含まれるメール機能。インターネット上でメールの送受信ができる

1のExchange Onlineはメールサーバーの管理をマイクロソフト社に任せるタイプです。自社にメールサーバーを設置して管理する必要がなくなるので、運用が楽といえます。Outlookはアプリケーションとして利用するタイプです。自社にメールサーバーがある場合や、小規模な企業でプロバイダーのメールサーバーを利用している場合などに使います。

3のOutlook on the webは「Gmail」や「Yahoo!メール」と同じような利用方式です。ブラウザーを使ってメールの送受信が可能です。「OWA」から名称変更されたサービスですが、現在でもOWAと呼ぶ人は多くいます。どのデバイスからでもメールを送受信できるのがメリットです。

office365 Soloとは何か?コスパの高いサービス

Office365 Soloは主に個人や小規模の企業向けのサービスといえます。月額1274円の定額料金で、最新版のOfficeを利用できます。使えるアプリはWord・Excel・Outlook・PowerPoint・OneNote・Publisher・Accessの7種類です。また、同一ユーザーが利用する場合には、Windowsパソコン、Macパソコン、スマホ、タブレットなど複数のデバイスに制限なくインストールできます。使い方によっては、とてもコスパの高いサービスといえるでしょう。

一方、Office 365が提供しているようなオンラインミーティングや社内SNS、タスク管理機能などは付属していないことに注意が必要です。規模の大きい法人で、高度なグループウェアを活用したいと考える場合には、使用していくうちに機能に不満が出てくることも考えられます。

Windowsが提供している家庭向けのOfficeでは他に「Office Home & Business 2019」と「Office Personal 2019」というパッケージ版があります。しかし、いずれもPublisherやAccessは提供していません。これらのアプリを利用したい小規模な企業向けのOfficeとしては、Office365 Soloの一択のみとなります。

office365のExchange Online機能

Office365の「Exchange Online」の機能の特徴は以下のとおりです。

1. 安全性の高いメールの保全が可能
2. 複数のスケジュール管理を機能的に行える
3. メールボックスの容量が50GBと大きい
4. 誤送信防止機能がついている

Exchange Onlineは、マイクロソフト社が構築したメールサーバーを間借りする形式のサービスです。一概には言えませんが、自社が構築するメールサーバーと同じかそれ以上に安全性が確保できます。また、社外からメールサーバーにアクセスするときも、自社内でのメールの送受信とほぼ同じセキュリティレベルを保てるのもメリットです。

Exchange Onlineでは、カレンダーを共有することもできます。複数人がそれぞれの予定を書きこんだり、ミーティングの時間を知らせたりするなど機能的なスケジュール管理が可能です。メールボックスの容量がユーザー1人あたり50GBと大きいのも魅力です。もし容量がオーバーしてもプラン変更をすれば簡単に増やせるので、自社のメールサーバーのようにハードディスクを増設する手間もかかりません。

office365のSharePoint Online機能

Office365の「SharePoint Online」機能の特徴は以下のとおりです。

1.企業のチーム内で文書を共有するなどの情報共有をセキュアに行える
2.検索機能が充実しているので、見つけたいファイルに素早くアクセスできる
3.アンケート機能や柔軟なファイル共有機能により、クラウド上で外部ユーザーと情報共有ができる

SharePoint Onlineは、コンテンツや知識などを特定の部署やチーム内で共有、管理するためのアプリです。マイクロソフト社が管理するクラウドにアクセスするため、セキュアな情報共有、管理環境が簡単に構築できます。また、SharePoint Onlineにはインテリジェンス機能が組み込まれており、キーワードを指定して検索すると、関連性の高い情報が自動的にリストアップされます。膨大な情報のなかから、必要なファイルを素早く、精度よく見つけ出せるのです。

企業によっては、社内アンケートを頻繁に行ったり、外部ユーザーに感想を求めたりすることも多いでしょう。こうしたときは、紙やメール、Excelのファイルなどを利用すると集計に時間がかかってしまうものです。SharePoint Onlineには選択式や自由回答形式などが選べるアンケート機能が標準でついているので、外部ユーザーの情報を効率的に収集できます。また、柔軟なファイル共有も可能なので、他社のメンバーとのプロジェクトや気軽な告知など臨機応変に対応できます。

Skype for Business機能について

Office365の「Skype for Business」の主な機能は次のとおりです。

1.離れた場所でもオンライン会議ができる
2.リモートワークなどで在籍確認ができる
3.声を出さないテキストチャットも可能

「Skype」は個人ユーザーからの人気の高いトークアプリですが、法人向けに提供されているサービスがSkype for Businessです。離れた場所にいる出席者同士でチーム会議や電話会議が行えます。リモートワークの在籍確認にも使えるほか、声を出さないテキストチャットも利用可能です。

ただし、現在はSkype for Businessは「Microsoft Teams」に移行中で、Office365についているプランはありません。Microsoft Teamsを利用できる「Office 365 Business Premium」「Office 365 Business Essentials」を選ぶか、Skype for Businessを単体でダウンロードしましょう。

Yammer機能を企業内でコミュニケーションに活用

「Yammer」はOffice365の社内ソーシャルネットワークサービス(SNS)です。以下の特徴があります。

1. 強固なセキュリティで安心して使える
2. 企業ごとのポリシーに沿った運用が可能
3. 研修会などにも活用できる

ビジネスチャットツールは多くの企業で必須のツールになりつつありますが、マイクロソフト社ではYammerを提供しています。特定メンバーによるグループや招待制の非公開グループなど、強固なセキュリティ機能で安心して使えます。また、企業レベルのセキュリティやコンプライアンスを適用、管理する機能も備えており、企業ごとのポリシーに沿った運用も可能です。

また、Yammerは、組織内のすべての従業員を連携させるのを容易にしています。たとえば、ブロードキャストのビデオを組み込んで配信すれば、研修会を行い、フィードバックを得ることなども簡単です。ただ、現在はMicrosoft Teamsに統合されつつあるので、単体でアプリをダウンロードすることになります。

office365とOfficeの違いは?クラウドがキーポイント

Office365とOfficeの違いは以下のとおりです。

・Office365はクラウド型のアプリで常に最新のプログラムを利用できる
・大容量のグループウェア機能が付いているので、生産性が上がる

Office365はクラウド型のアプリで常に最新のプログラムを利用できます。一方、Officeもアップデートはできますが、バージョンが変わってしまえば、その都度新たなパッケージを購入する必要があります。Office365の場合はクラウド型なのでアプリのバージョンアップが容易であるのがポイントです。ほとんどの場合、最新のアプリを使えるほうがメリットが大きいですが、場合によっては古いバージョンのExcelファイルなどを使いたい場合もあるでしょう。このような場合には、Officeがダウングレードができるのに対して、Office365は不可能であることに注意が必要です。

また、Office365には、「SharePoint」や「Microsoft Teams」など大容量で、大人数に対応した充実したグループウェアが付いてくるのが魅力です。これらを活用すれば企業の生産性を高められます。

まとめ

Office365はクラウド型のメリットを活かした機能が充実しています。最新版のソフトウェアに更新するのも容易であり、情報共有するデータなどをマイクロソフト社が提供するクラウド上で管理するサービスも多く提供されています。こうしたメリットにより、知識や経験の豊富なIT管理者がいなくても、比較的簡単にバージョン管理やセキュリティ対策をすることが可能です。また、従来は構築するだけで膨大な時間がかかっていた多機能なツールを低コストで導入できます。WordやExcelだけではなく、ビジネスチャットやビデオ会議、社内SNSの構築などのグループウェアと組み合わせることで、飛躍的に企業の生産性を高められるのです。企業で活用すれば、Office365はリモートワーク導入時にも活用できます。

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