リモートワーク部TOPリモートワークの基本知識通勤時間とストレスの関係に迫る!健康への影響は大きい

通勤時間とストレスの関係に迫る!健康への影響は大きい

仕事をする人が感じるストレスには、さまざまな種類のものがあります。職場での人間関係のストレス、いろいろな業務を行うストレス、取引先との関係におけるストレスなどのほかに、大きいのが通勤で感じるストレスです。特に大都市圏で働く人は自宅が遠いケースが多く、毎日満員電車に長時間揺られて通勤している人が多い傾向があります。通勤時間が長いほどストレスが大きくなり、集中力が減退したり健康に良くない影響を与えたりすると言われており、企業としては、できるだけストレスから社員を守る方法を考えなければなりません。ここでは、長時間通勤にはどのようなリスクがあるのかを解説し、健康被害を受けるのを回避する方法や対策について紹介します。

通勤時間が長くなると分泌されるストレスホルモンに注意!

通勤時間が長いと、人はストレスを感じやすくなります。なぜなら、同じ格好で長時間電車に乗っている必要があるため、身体の自由がきかず疲れてしまうのです。さらに、満員電車ともなれば、座れずに立ちっぱなしになるので、ますます心身の疲労が大きくなります。ストレスを感じると、人の体内ではコルチゾールというストレスホルモンと呼ばれるものが分泌されると言われています。

コルチゾールは、副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンの一種で、体にとって重要な働きをしているホルモンです。肝臓などの臓器で代謝や免疫に関わる作用をしており、炎症を抑える作用もあります。コルチゾールは生命の維持に必要不可欠で、少なすぎると病気を引き起こしますが、多すぎても健康に良くありません。一般的に、うつ病の人はコルチゾールの量が多いとされています。コルチゾールは免疫力を下げるとも言われているホルモンなので、風邪などを引きやすくなることも考えられます。

どれくらいの通勤時間でストレスがもっとも高まるのか?

ストレスは誰でも多かれ少なかれ感じながら生きているのが普通で、良いことが起きてもストレスになります。そのため、ストレスが全くない状態は現実的ではなく、過度にストレスを感じないような生活が理想的ということです。通勤時間については、交通機関を利用している時間によって、ストレスの感じ方が異なってきます。

たとえば、10分程の時間であれば、1割程度の人がストレスを感じる程度です。一方、1時間半~2時間といった長時間通勤になると、ストレスを感じる人が6割以上に増えます。一般的に通勤時間が長くなればなるほどストレスを感じやすく、また混雑度が高ければ高いほどストレスは強くなります。座っているよりも立っているほうが、体に負荷がかかるのでストレスが強くなる傾向があります。つまり、最もストレスを感じるのは、満員電車に立ったままの状態で1時間を超えるような長時間の通勤を行った場合ということになるでしょう。社会人の場合、毎日こうした通勤を継続しなければならないため、ストレスが蓄積されてしまう点が問題です。

通勤途中で腹痛を起こすこともある!ストレスには気を付けよう!

強いストレスは、全身にさまざまな症状を引き起こします。症状の出方には個人差がありますが、通勤で困るのは腹痛です。長時間通勤でストレスがかかることで、急な腹痛や下痢を起こすこともあるのです。胃腸はストレスの影響を受けやすい臓器と言われており、ストレスが強い人ほど症状が出やすくなります。腹痛や下痢といった症状は、特に男性に多いとされており、市販薬なども出ています。通勤で困るのは、簡単に交通機関を降りられないことです。通勤時間が短ければトイレを我慢することができますが、長いと我慢できません。腹痛があったときに電車を降りられるようにと各駅停車を選んで乗る人もいますが、そうでなくても遠方に住んでいて通勤時間が長いのに、さらに通勤時間が延びてしまいます。車両にトイレが付いている場合もありますが、満員電車では簡単に利用できない可能性が高いです。

首都圏の満員電車で立ち続けるストレス!乗り換えのストレスも

首都圏で通勤する場合は、どの路線を利用する場合でも、ラッシュ時の満員電車を覚悟しなければなりません。以前よりはフレックスタイム制などが浸透して、混雑の緩和が図られるようになってはきましたが、朝などはいまだに一定時間のラッシュは解消されていません。始発で座れる場合は良いですが、ラッシュ時にはほとんど座る場所はありません。多くの人がすし詰め状態の電車に、長時間立ち続けるストレスと体力の消耗は非常に大きいものがあります。

また、首都圏の場合は、電車の乗り換えにストレスがかかることも問題です。電車内だけでなく、ホームも階段も全て混み合っており、常に人混みの中を移動しなければならないのは非常に苦痛です。出社の際だけでなく、退社の際も時間帯によっては非常に混雑しており、朝と晩の2回大きなストレスにさらされることになります。

通勤時間が長いと睡眠時間が減るという関係性も見逃せない

通勤時間が長いと、心身へのストレスが大きくなり、さまざまな不調が出てきます。たとえば、通勤時間が長くなると睡眠時間は比例して短くなる傾向があります。たとえば、仕事が終わって10分で自宅に帰れる人と、1時間かけて自宅に帰る人とでは50分の差があります。帰宅後は夕食や入浴、明日の支度などやるべきことが多いので、帰宅が遅くなれば寝る時間も必然的に遅くなってしまいます。残業で帰宅時間が伸びれば、ますます寝るのが遅くなるでしょう。

また、睡眠は時間だけでなく質も重要ですが、ストレスが強い状態では睡眠の質も良くありません。運動などで多少の疲労感があることは、ぐっすり深い眠りを得るのに役立つとも言われています。しかし、長時間通勤による心身の疲れは運動の疲れとは本質的に異なり、疲れ過ぎはかえって睡眠を浅くしてしまいます。

長時間の通勤で疲労が溜まると、集中力も落ちるので、業務への支障も出かねません。通勤に疲れて睡眠不足になっている場合はなおさらです。頭の働きが鈍くなると、事業アイディアなどクリエイティブな発想もなかなか生まれません。仕事をし過ぎて疲れるのではなく、通勤で疲れるというのは本末転倒してしまっているといえるでしょう。

長時間の通勤時間から健康を守るには?運動を意識しよう

通勤時間は短いほうがストレスが少ないことは明白です。ただし、いろいろな事情で職場の近くに住めないこともあります。そこで、自分の健康を守るためにできる対策方法を工夫することが大事になります。まず、体の疲労を感じたときは、しっかり休息を取ることが大事です。早めに寝る、休日は体を休める、ゆっくり入浴するなど、疲労を溜め込まないようにすることが大事です。

ストレスを上手に解消することも重要です。解消方法は人によってさまざまですが、適度の運動をすることも良い方法です。電車や車の通勤時間が長いと、どうしても運動不足になりやすくなるので、負担にならない範囲で積極的に体を動かしてみましょう。日常生活の中でなるべく歩いたり、階段を昇ったりといった1日30分程度の軽い運動でも、十分ストレス解消になります。

オンとオフの切り替えをしっかり行うのも重要なポイントです。仕事に熱心な人は、休日でも仕事を家に持ち帰って頑張るケースがありますが、あまり良いとはいえません。休日にきちんと切り替えて休むことで、平日に良い仕事ができるのです。家族との時間を大事にすれば、家庭のことでストレスや悩みを感じることも少なくなります。

一般的なちょうど良い通勤時間とはどれくらいなのか?

長時間通勤は心身に良くない影響を与えますが、では勤務先への通勤時間は、一般的にはどれくらいが適正と考えられるのでしょうか。職住近接といっても、首都圏の場合、職場の隣に住むような住環境は現実的ではありません。通勤時間としては、電車で20分くらいまでは許容範囲といえるでしょう。30分を超えると幸福度が下がり、不満が多くなるという研究結果も出ているようです。電車の場合は社内の混み具合も重要で、短時間でも満員電車ではストレスは大きくなります。

では、オフィスに近ければいいのかというと、一概にはいえません。なぜなら、オフィスに近すぎる自宅の場合は、オフィス管理などまで任されて、勤務内容が増えることも考えられるからです。すぐに帰れるからといって、気軽に時間外労働を頼まれることもあるかもしれません。遠方に住んでいるからという理由で、余計な仕事を任されないというメリットもあるのです。通勤時間は、長過ぎず短すぎず、さまざまなストレスを感じずに通える程度がちょうどいいのかもしれません。

オフィスへの通勤で大切な時間を消費していることに気づこう!

働き方改革が各方面で推進されている時代に、出社勤務は当たり前、通勤に時間がかかるのも当たり前という認識はもはや時代遅れといわざるをえません。通勤に長時間を割くことは貴重な時間の浪費になるのだということを、会社も従業員もしっかり認識しておく必要があります。「時間は金なり」といいますが、多くの成功者はサービスなどにお金を払って積極的に時間を買うほど、時間というものを重要視しています。誰にでも平等に1日24時間しかないわけですから、これをどう使うかで人生の質が大きく変わってくるのです。

もちろん時間の観念は人によるので、長時間通勤を積極的に活用し、読書や英会話のスキルアップなどに使っている人にとっては無駄とは言い切れません。車内は一人で好きなことに集中できるので良いという人も中にはいます。しかし、多くの人にとっては、単に長いだけの通勤時間はストレスも多く、無駄な時間だといえるでしょう。この時間をもっと生産的なことに利用できたら、仕事だけでなくプライベートでも、さまざまなことができるはずです。

長すぎる通勤時間への対処法!リモートワーク導入の企業を選ぶ

長過ぎる通勤時間を短縮する最も簡単な方法は、オフィスの近くに引っ越しをすることです。単身者であれば、比較的簡単に良い物件を探すことができるでしょう。しかし、通勤時間が長過ぎるという実感はあっても、持ち家であったり、家族の都合があったりして、簡単には職場の近くに引っ越せないという人もたくさんいます。

そのような人の解決策としては、通勤する必要のない、リモートワークを導入している企業へ転職するという方法があります。リモートワークとは会社のオフィスに出社しないで、自宅や自宅近くのサテライトオフィスなどで仕事をするワークスタイルです。自宅で仕事をすることは在宅勤務といい、多くの企業ですでに導入が進んでいます。自宅にあるパソコンやインターネット環境を利用して、自宅にいながら会社とやり取りし、仕事をこなしていくという新しい働き方です。リモートワークが可能な会社なら、通勤時間をかけずに、出社しているのと同じ仕事をこなすことができます。

リモートワークで通勤時間のストレスや問題解決を目指そう!

リモートワークの最大の特徴は、通勤する必要がないという点です。さらに、在宅勤務なら、出社のために身支度をする時間も節約できます。たとえば、毎朝身支度に30分、通勤時間として行きに1時間、帰りに1時間かけていた人なら、1日あたり2時間30分が有効に使えることになります。この時間を、ほかの仕事やプライベートに使うことができるのです。これまで通勤時間が長かった人ほど、リモートワークのメリットを実感できるでしょう。通勤に多くの時間をかけないことで、仕事の効率もアップします。なぜなら、通勤を原因とする余計な疲れを溜めずに済むので、余裕を持って仕事ができるようになるからです。集中力高く仕事をこなせるので、短時間でも結果を出しやすくなります。

長時間通勤を解消して、働く人の健康を守ることは、人材が長期間定着することにもつながります。社員のメンタルヘルスへの配慮も企業の責務となってきており、働く人の健康は企業にとって大きな課題です。安心して健康に働ける会社だとわかれば、社員もモチベーション高く長く働いてくれるでしょう。深刻な社会問題となっている人材不足の解消にも効果が期待できます。

まとめ

一般的に、通勤時間が長くなるほどストレスも大きくなっていきます。積極的に通勤時間を活用できるのでない限り、長時間通勤は疲労が蓄積するだけで何のメリットもありません。毎日長時間通勤を続けていれば、長い間には社員の健康や業務への悪影響も考えられます。長時間通勤の問題を解消するには、職場の近くに引っ越すか、それができない場合は通勤する必要がないリモートワークを活用するのが現実的です。たとえば、在宅勤務を選択できれば、通勤時間をゼロにすることも可能です。実際の業務の中には、実はリモートワークへの移行が簡単にできる仕事もたくさんあるので、一度見直してみると良いでしょう。リモートワークを実現して社員の健康を守り、業務の効率化を図ることで、業績アップを目指しましょう。

この記事を書いた人
アバター

 
↑PAGETOP