議事録は作成が大変!?便利なツールを活用して解決しよう
会議に関する事柄は、リモートワークにおける課題のひとつです。これまでは人同士が顔を合わせて会議が行われ、議事録は記録係の手によって作成されることが一般的でした。ところが、リモートワークで業務を行ううえでの議事録作成となると、そうはいきません。物理的な距離が、議事録の作成やその後の共有を難しいものにすると思っている人も少なからずいるでしょう。
しかし、リモートワークの増加に伴い、このような問題に対応したツールも誕生し、活用されています。ツールをうまく利用すれば、これまで以上に議事録の作成が容易になり、物理的な距離がプラスに働く可能性もあるのです。ここでは、リモートワークに効果的な議事録作成ツールを紹介します。
議事録の目的を再確認!記憶の確認や情報の共有のため
リモートワークにおける議事録作成の課題を考えるうえでは、議事録の目的を正しく理解する必要があります。議事録は、会議の内容を記録し、後から見返す際の忘備録としての役割を持つものです。なかには「会議をするためには議事録が必要だ」と考える人もいますが、それでは議事録が持つ本来の役割を生かすことはできません。ただ何となく会議の内容を書き留め、記録として残すだけでは意味がないのです。
議事録の目的はあくまでも、後から見返すことにあります。会議で議論されたことや決定したことを次のステップに役立てるためには、人の記憶に頼らない「記録」が必要です。会議にはさまざまな人が出席するため、ひとりが「会議ではこう決まったはずだ」と言っても、全員がそう認識していない場合もあります。認識の違いを是正しないまま業務を進めていけば、思わぬトラブルが起きてしまう原因にもなりかねません。そのようなときに議事録があれば、会議での決定事項をより揺るぎないものにできます。そのため、特定の人が持つ固定概念や思惑によって結論が曲げられる事態を防げるのです。
また、会議にはすべての人が出席できるとは限りません。もし大事な会議に出席できなかったとしても、その後の業務において会議での議論や決定事項を反映させなければならないこともあります。出席できなかった人にとって、情報源となるのは正確な議事録にほかなりません。議事録は、会議に出席していなかった人との情報共有にも非常に役立つため、その場にいなかった人にもわかりやすく、正確に記録されている必要があるといえるでしょう。
議事録の主な項目は?4W1Hを押さえた内容で記録する
議事録は基本的に、会議名、日時、参加者名、議題、決定した内容、課題について記録します。いわゆる4W1Hです。これらの項目をしっかり押さえて記録すれば、後から見返しても会議の内容が不明瞭になることはありません。会議名は正式な名称を、日時や参加者名は誤りなく記録します。議題と決定した内容、課題については議題ごとにまとめて記録することが重要であり、複数の議題がある場合は、より注意が必要です。
会議ではさまざまな発言がなされますが、その内容を一字一句間違いなく記述するのは至難の業です。また、議事録の作成は、音声起こしの技術が求められるものではありません。あくまでも議論の内容をわかりやすくまとめることが大切です。一方、あまりに明瞭簡潔な内容にまとめようとすると、記録者の意志が働いてしまう可能性もあります。結論さえわかればいいという考え方は、議事録の作成において適切とはいえません。その結論に至った経緯や、議論のなかで生まれたアイディアにも大きな意味があります。
議事録は、議論の内容や決定事項を俯瞰的な目線で記録する必要があり、後から議事録の内容を考えるのでは不都合が生じるケースも少なくありません。会議後、できる限り早急に議事録を作成するため、4W1Hに沿って記録する項目をあらかじめ決めておくといいでしょう。
議事録を作成するポイント!メモやツールを活用しよう
一般的に、議事録は会議中にとったメモや録音した音声などをもとにして、会議の後に作成されます。だからといって、会議後にいちから議事録を作成するのでは手間がかかるうえ、正確性に欠けてしまう可能性も否めません。会議の前に議題を確認し、スムーズに議事録を作成するための準備を整えておきましょう。たとえば、会議名や出席者、議題など、あらかじめわかっている情報に関しては記入を済ませておくなどです。これだけでも、議事録の作成はずいぶんと楽になります。会議の内容をすべて記憶しておくのは不可能ですから、必要に応じてメモを取るなど工夫することも大切です。
議事録の様式は、社内で統一したほうが管理が容易です。この部署はノートに手書き、この部署はパソコンでテキストファイルで作成など、様式にバラつきがあると部署を超えた情報共有が難しくなります。保管にあたっても、後から閲覧する際の検索が大変になり、結果として見返すことさえない議事録になってしまう可能性も否めません。ひな形を定めておけば、いつも一定の様式になるので目も慣れ、閲覧する側にとっても見やすいでしょう。
近年では、議事録のデジタル化も進んでいます。議事録作成ツールを活用すれば、いちからひな形を作る必要がなく、共有にかかる時間も最低限です。これまで、議事録作成にかかっていた労力や費用、時間を大幅に削減できるというメリットがあります。議事録作成ツールは、より速く、より正確に、低コストで会議の内容を共有できる非常に便利なツールといえるでしょう。
議事録の課題!すぐに作成しないと忘れてしまうことも
そもそも、議事録作成を合理化する必要性はどこにあるのでしょうか。議事録は基本的に、記録者の記憶によって作成されます。もちろん、メモなどの記録が作業を補助してくれることはありますが、それでも時間の経過によって記憶があいまいになってしまうことは少なくありません。そのため、一般的には記憶がなくならないよう、会議後24時間以内に作成することが目安となります。しかし、会議後24時間を議事録作成のために空けておくわけにはいかないというケースも多く、多忙な場合は時間をつくるのが難しいというのが現場の実情です。
会議はすべてがひとつの議題のために行われるわけではありません。議題の内容が多くなることもあり、その場合はまとめるために多くの時間と労力が必要になります。「議事録を作成する」ことが目的化してしまうと、内容よりも速く仕上げることに重点を置いてしまうため、本来の目的を果たせない議事録となることもあります。このように、従来の方法による議事録の作成には、時間と労力がかかるという問題点がありました。もちろん、それも仕事のうちと考えることもできますが、議事録の作成よりも生産性が高い仕事を優先してほしいという経営者も多いでしょう。そのようなニーズに応えてくれるのが、これから紹介する議事録作成ツールです。
GIJIは会議に特化した議事録ツール!効率化が実現する
GIJIはクラウド型の議事録ツールです。機能は議事録に特化されており、ビジネスとプライベートを完全に区別したい、議事録作成以外の機能は必要ないといった場合に向いています。最大の特徴は、リアルタイムで全員が共有、編集でき、会議が終わればすぐに承認も可能なことです。会議における基本情報は定型化して活用できるので記録者を選びません。定型に従って記録していけば、どの会議においても一定のレベルを満たした議事録になります。
操作性は直感的でわかりやすく、テキストでの書き出しが可能なほか、並び替えやラベル付けなども簡単に行えます。オンラインで作業すれば、会議中にリアルタイムで議事録を共有できるため、承認までの時間も短縮できるでしょう。もちろん、会議後に議事録を作成することもできるので、従来通りの議事録と似たように活用することも可能です。
Evernoteはリモートワークに向いている議事録ツール
Evernoteは日常におけるさまざまな事柄を、テキストや画像、音声などの方法でメモできるツールです。個人的なメモツールとして使用している人も多く、すでにアカウントを取得している割合も高いため、導入も比較的容易といえるでしょう。Evernoteには議事録フォーマットがあり、使い慣れた使用感で簡単に議事録を作成できます。特筆すべき点は、Evernoteならではの多機能です。文字検索も可能で、録音機能も付いているため、リアルタイムでの議事録作成にも適しています。記録が会議のスピードに追い付けない場合でも、ICレコーダーのように録音しておけば、会議後の作業がとてもスムーズです。
閲覧や編集を権限付与によって行うこともできるので、ひとりの記録者だけに頼らない議事録の作成が可能になります。閲覧は、Evernoteアプリによるモバイル端末からのアクセスのみならず、共有URLでブラウザからもでき、アプリを使用していない人がいても問題ありません。そのほかにもさまざまな機能が装備されており、会議のペーパーレス化が実現します。書類でのやりとりが難しいリモートワークに向いている議事録ツールといえるでしょう。
Minutes.ioはシンプルで操作も簡単な議事録ツール
Minutes.ioは、オンライン、オフラインの両方で使用できる議事録ツールです。議事録ツールのなかには多機能であることが特徴のものもありますが、作成したい議事録には必要ない機能であることも少なくありません。むしろ操作が複雑になり、使いにくさを感じてしまうこともあります。Minutes.ioの特徴は、内容がシンプルで操作が簡単であることです。ミーティングのようにメディアを使用したプレゼンなどを行わない場合は、十分な機能といえるでしょう。
シンプルでありながら、発言者の名前を簡単に入力できる点など、記録者にとっては助かる機能も充実しています。議事録の作成が完了したら、参加者でメールすることもできるので、共有するうえでも不便は感じないでしょう。議事録の作成は効率化したいけれど、これまでの方法からあまり大幅な変更はしたくないというケースや、オフラインからオンラインへの過渡期での活用にも向いています。
FreeMindはマインドマップで整理する議事録ツール
FreeMindは、議事録の内容をマインドマップで整理するという視点から開発された議事録ツールです。多くのアイディアが生まれる会議では、それらをわかりやすく整理する必要があります。そこで役立つのがマインドマップです。マインドマップとは、ひとつの事柄から連想されるキーワードやイメージを放射状に広げていき、地図のようにわかりやすくまとめたものです。
これまでの会議では、ひとつの大きな議題を細分化していくケースが多く、会議後に視覚的な理解を深めることは難しいという特徴がありました。一方、FreeMindは細分化するというよりも、むしろ広げていく議論が可能になります。そのため、議論の活性化にも一躍買ってくれるでしょう。専用の無料ソフトを使用すれば、仕上がったマインドマップは多様なフォーマットで参加者へ送信することも可能です。新たな会議のスタイルを確立したい場合や、議論をさらに活性化させたい場合に有効な議事録ツールといえるでしょう。
OneNoteはクラウド型のノートアプリで議事録に対応
OneNoteは、Microsoft社が提供するクラウド型ノートアプリケーションです。ノートアプリとしての歴史は長く、Windows OSとの相性もよいため、以前から多くのビジネスシーンで活用されてきました。昨今では議事録の作成に便利な機能も加わり、より使いやすく進化しています。メモをとりながら録音するなどの同時進行が可能で、バックアップを万全にとることができるのも大きな特徴です。スマートフォンやパソコンからも議事録を作成、閲覧できるため、共有するうえでもストレスがありません。
ペンでのデジタル描画にも優れており、アイディアをイラストで残すことも可能です。そういった意味では、従来の「ノートに手書き」に近い使用感で活用できるでしょう。仕上げた議事録は、共有した後に複数人で編集することもできます。内容の修正やより深い議論、離れた場所でのリモートワークにも、非常に役立つ機能が満載です。また、議事録の整理にあたっても、セクションやページごとに分けて保存することにより、検索の手間も省けます。どのようなスタイルの会議においても、万能に対応できる議事録ツールといえるでしょう。
まとめ
リモートワークを採用している企業では、メンバー全員が会議の場に集まるよりもテレビ会議などの比率が高くなることもあります。このような働き方の大きな特徴は、とにかくスピードが求められるということです。また、会議後に重要なことは「周知徹底」から「共有」へと流れが変化してきています。ここで紹介した便利なツールなら、会議後にまとめる必要もなく効率的に情報を共有できるので、よりスムーズな業務が可能です。議事録ツールをうまく活用し、各人が生産性の高い仕事ができる環境を構築しましょう。