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従業員に自宅で仕事をしてもらう!メリットやデメリットは?

働き方改革が進められる現代の日本においては、既存の企業も生産性の向上や人材の確保を目指し、さまざまな「新しい働き方」を模索しています。その中でも注目を集めているのが、従業員の勤務する場所をオフィスに限定しない「リモートワーク」という働き方です。IT系やベンチャー企業を中心に導入するケースが増えつつあり、自宅で仕事をしてもらうというスタイルが浸透してきています。ただ、従来の働き方とは大きく異なるため、導入後にどんな結果が生まれるのか不安を感じる経営者も多いのではないでしょうか。

今回は、リモートワークを導入することで企業と従業員にどんなメリットやデメリットが生じるのか、導入する際の管理方法などとあわせて紹介していきます。

企業側が従業員に自宅で仕事をさせることで得られるメリット

従来、日本では勤務する企業のオフィスまで従業員が出社して業務を行うというスタイルが一般的でした。この常識を破る新しい働き方が、「リモートワーク」です。リモートワークでは従業員がオフィスに出社することなく、自宅などで業務を行えます。ベンチャー系など革新的な企業を中心に導入が進む働き方ですが、なぜリモートワークが支持されているのか気になりますよね。実は、リモートワークには企業にとっても魅力的なメリットが多いのです。

1つ目のメリットは、「離職率の低下」です。自宅で仕事ができるということは、通勤の必要がないということです。通勤にかけていた時間を自分や家族のために充てるなどして有効活用でき、メンタルヘルスの面でも余裕が生まれてプラスの効果が期待できます。それに加えて睡眠時間を増やせたり、病院などにも行きやすくなったりするため、従業員の健康増進にも効果的です。仕事や企業への満足感も生まれ、モチベーションも高く維持できるでしょう。さらに、小さな子どもがいる従業員の場合、自宅で仕事ができれば保育園などに預ける必要もありません。保育園に入れなかったとしても、子どものために退職せずに済むのです。このような理由から、リモートワークでは従業員の離職率の低下が期待できます。

2つ目に挙げられるのは、「生産性の向上」です。職場から距離を置くことで、同僚との人間関係や時間ばかり費やす会議、接待や飲み会といったさまざまなものごとから離れることができます。自分の仕事を邪魔されることなく静かな環境で集中できるため、1日の業務遂行量も向上しやすいでしょう。3つ目は、「企業イメージの向上」です。従業員の自由度が増えるリモートワークの導入は、働きやすい環境づくりに積極的に取り組む企業という印象を与えます。政府が主導する働き方改革ともマッチし、企業の先進性や柔軟性、従業員を大切にしている姿勢をアピールできるため企業イメージの向上が期待できます。

4つ目は、「企業コストの削減」です。リモートワークで出社しない従業員が増えれば、オフィスに従業員のための机や椅子、ロッカーなどが必要ありません。また、人数が減るためオフィススペースも狭くて構わず、冷暖房などの光熱費、賃貸物件でオフィスを構える場合は賃料なども削減できます。備品類だけでなく、従業員に交通費を支払う必要もないため、大幅なコスト削減が見込めるでしょう。5つ目は、「災害時のリスク分散」です。従業員が各自宅で業務を行うため、人材はもちろんパソコンや書類など業務にかかわるすべてのものを分散管理できます。災害が起きて企業がダメージを受けたとしても、人材や備品類が壊滅状態になるのを防げるのです。

企業側が従業員に自宅で仕事をさせることで起こるデメリット

メリットが盛りだくさんのリモートワークですが、企業側としてはデメリットもあるため注意しなければなりません。メリットだけに注目して導入すると後悔する可能性もあるので、デメリットも正しく把握しておきましょう。従業員が自宅で仕事を行うデメリットとしては、まず「労働実態の把握が困難」という点が挙げられます。出社するスタイルであれば、「何時から何時まで働いていたか」「しっかり仕事をしていたか」を直接把握できます。しかし、従業員の自宅までは目が行き届かないため、労働実態がわかりにくいのです。勤務時間をはじめ、業務の進捗や納期などの管理を徹底しなければなりません。

また、「セキュリティ管理が必要」という点も重要なデメリットです。ビジネスにインターネットが欠かせない企業は多く、リモートワークでも企業のシステムなどにアクセスして仕事を行うケースがあります。企業のパソコンやタブレットなどであればセキュリティ管理もしやすいですが、従業員の自宅にあるパソコン類までは管理しきれないこともあるでしょう。従業員がセキュリティの低いパソコンを使い、ウイルス感染や誤操作によって情報流出などの問題が起きるリスクもあります。

さらに、「従業員への意思伝達が困難」という問題にも注意しなければなりません。各自宅で仕事をするとなると、従業員と上司が会話をする機会も減ってしまいます。意思伝達がうまくいかず、業務がスムーズに進まないこともあるでしょう。できるだけ意思疎通を取れるよう、チャットやWebカメラ、テレビ会議などのICTを活用する必要があります。このほか、「職種によっては導入が困難」という点にも要注意です。事務系の仕事なら自宅で作業しても問題ないことが多いですが、製造業や飲食業などはそうはいきません。設備が整った職場で、直接人の手で作業しなければ仕事が成り立たないため、リモートワークを導入するのは難しい傾向です。導入を検討する場合は、そもそもリモートワークが可能な職種かどうかを考えましょう。

従業員側が自宅で仕事をすることによって得られるメリット

リモートワークのメリットは、企業にとってのものだけではありません。従業員にとっても、さまざまなメリットが期待できるのです。たとえば、通勤する必要がないという点。東京などの都心部では、満員電車に長時間揺られてオフィスへ向かうということも珍しくありませんよね。自宅で仕事ができれば、通勤ラッシュでストレスをためたり、時間を費やしたりせずに済みます。朝ゆっくり過ごせるため、子どもを学校に送るなど家族との時間を取りやすくなるでしょう。子育てや介護をしながら仕事ができるため、家庭と仕事の両立に悩んで退職する必要もありません。

また、作業に集中しやすいという点もメリットです。自宅には上司や同僚が周りにいないため、話しかけられたり突然仕事を与えられたりすることも少ないです。自分のペースで効率よく作業を進めることができるため、より仕事がはかどります。自宅での作業に行き詰ったときは、気分転換にカフェなどで仕事をすることも可能です。リモートワークは、オフィスに出社せず勤務できる働き方なので、自宅にこだわる必要はありません。カフェ以外にも公園や図書館など、自分の好きな場所でリフレッシュしながら働けるのは大きな魅力です。ただし、企業によっては働く場所を自宅に限定しているケースもあるので注意しましょう。

従業員側が自宅で仕事をすることによって起こるデメリット

自宅で仕事をすると、従業員にとってデメリットになることもあります。まず、注意したいのが仕事の自己管理が難しくなるという点です。自宅で働けるのは便利ですが、近くに上司や同僚がいないため、仕事の指示や確認をスムーズに受けることができません。「どのように仕事を進めていくか」「周囲と連携していくか」などを自分自身で適切に管理する必要があるのです。オフィスに出社する働き方以上に、計画的なスケジュールを立てる能力や、計画にしたがって業務を進めていく能力などが求められることになります。

また、自宅でも仕事をするとなるとプライベートと仕事の切り換えがなかなかできない可能性もあります。出勤時間や退勤時間が決められていないため、いつまでもズルズルと仕事をしてしまったり、逆にダラダラとくつろぎながら仕事をしてしまったりするなど、メリハリがつきにくいのです。仕事をはじめる時間、終える時間をしっかりと決めて集中して業務を進め、それ以外の時間は仕事のことを忘れてリラックスすることが大切です。

さらに、自宅では自分一人で仕事をすることになるため、上司や同僚とコミュニケーションが取りにくく、孤立してしまう可能性もあります。連帯意識を持ちにくかったり、仕事の悩みを相談する相手も見つけにくくなったりするでしょう。ほかにも、労働状況や勤務態度を直接上司にチェックしてもらえないため、正当な評価をしてもらえない可能性もあります。自由で気楽な働き方である一方、仕事に対する意識や抱えている仕事の状況、勤務態度などを考慮したプラスの評価をされにくいので注意が必要です。

外部の人員を確保するスタイルのリモートワークもある

リモートワークは、従業員が主に自宅で働き、メールやインターネットなどを使って企業と連携を取る働き方のことを指します。企業とその従業員の間で成り立つ働き方のように聞こえますが、実はそうとは限りません。リモートワークは、「自社の従業員をリモートワーカーにする方法」と「正規雇用者以外のリモートワーカーを外部契約として確保する方法」の2種類に大別できます。外部契約により、自社の従業員にはいない専門知識やスキルを持ったリモートワーカーを見つけたり、業務を分散して従業員の負担を減らしたりすることも可能です。

また、外部の人材を確保する以外にも就業場所による違いもあります。自宅が就業場所となる「在宅勤務」、就業場所にとらわれない「モバイルワーク」、サテライトオフィスなどを利用する「施設利用型勤務」など、その種類はさまざまです。個人事業者が行う自営型のテレワークもあるので、どのスタイルが自社にマッチしているか慎重に検討していきましょう。

自宅での仕事としてどんな業務を任せると良いものなのか?

自宅での仕事に適している業務としては、データ入力業務や文字起こし業務、ライティング業務などが挙げられます。これらは、働く場所を問わずどこでも作業できる業務ですし、比較的内容も容易なので多くの在宅ワーカーが対応可能です。報酬単価が割安なものも多いので、コストを節約しつつ任せられるのも魅力です。また、高い語学力が必要な翻訳業務も在宅ワーカーに任せると良いでしょう。外国語の専門的な知識はもちろん、違和感なく日本語として表現する能力も必要になるので、任せる場合は在宅ワーカーのスキルを慎重に見極めることがポイントです。

さらに、デザイン業務や構成・編集業務もおすすめです。デザイン業務は絵が得意な人でないと難しいですし、中学や高校受験用の問題集などを作る構成・編集業務は、各教科の知識や学生にわかりやすく解説する能力も必要になります。どちらも専門性が高いわりに自宅でも問題なく遂行できる業務なので、在宅ワーカー向きです。事務系以外では、カスタマーサポート業務も挙げられます。電話やメール、チャットなどで対応する業務なので、自宅でも問題なく行えます。メールだけ、チャットだけなどさまざまなスタイルがあるので、必要に応じて選びましょう。

このほか、思い切って総務を在宅ワーカーに任せるという方法もあります。企業全般のさまざまな手続きをはじめ、渉外にかかわることもある総務は事務的な業務がメインになるため、在宅ワーカーでも遂行できるものが多いのです。

企業がリモートワークを導入する際に行うべき管理とは?

企業がリモートワークを導入する場合、従業員の勤怠管理をしっかりと行わなければなりません。上司によるチェックが行き届かないことも多いため、トラブルになりやすいのです。余計なトラブルを避けるためにも、パソコンの起動時間を記録したり、クラウド上の出勤簿を利用したりするなど、ITツールを活用して原則的な時間管理をしましょう。また、育児など家庭の事情でリモートワークを利用する従業員の場合、就業中にやむを得ず業務を離れなければならないケースもあります。

画一的に離席を認めないのではなく、事情を考慮したうえでみなし労働時間制を適用し、きちんと働いたとみなす配慮が必要なこともあるでしょう。勤怠管理を行うときは、リモートワークを利用する目的や事情、業務の内容などをふまえ、どのような管理が最適かを慎重に決める必要があります。さらに、自宅でパソコンなどを利用させる場合は、セキュリティ管理を徹底することも忘れてはいけません。セキュリティ対策を施したパソコンなどを支給したり、安全が確認された特定のシステムを介してインターネットを利用させたりするなど、十分な備えをしておきましょう。

まとめ

リモートワークには、生産性の向上やコストの削減など、企業にとってうれしいメリットが数多くあります。もちろん、メリットが得られるのは企業だけではありません。従業員にとっても、通勤時間の節約や家庭との両立、自由度の高い働き方ができるといったさまざまな魅力があるのです。Win-Winの関係を築き、より良い環境で仕事を進められる可能性もおおいにあるので、デメリットも考慮しながら自社に合ったリモートワークの導入を検討してみましょう。

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