リモートワーク部TOPリモートワークの基本知識在宅勤務を取り入れる企業が増えている理由は?現状を紹介!

在宅勤務を取り入れる企業が増えている理由は?現状を紹介!

「在宅勤務の導入を検討しているけれど、どういったメリットがあるの?」「どうして日本で在宅勤務が増えているの?」といった疑問を抱いている経営者や人事担当者もいるのではないでしょうか。在宅勤務は人材不足の解消や優秀な人材確保を目的に導入する先進的な企業に多く見られますが、徐々に在宅勤務を取り入れている日本の企業が増えてきています。在宅勤務の導入を検討しているのであれば、なぜ在宅勤務が増えているのかという理由を知ることも参考になるはずです。この記事では、前向きに在宅勤務を検討している経営者や人事担当者に向けて、在宅勤務を導入する日本企業の増加理由と導入するメリットなどを紹介していきます。これからますます増えるであろう勤務形態の知識を深めましょう。

在宅勤務とは何か?リモートワークに含まれる働き方!

在宅勤務とは、リモートワークという働き方の1つで、企業と契約した内容に沿って自宅で業務を行う勤務形態です。簡単にいうと、会社に従業員として属しているにもかかわらず、社内ではなく自宅で仕事をするスタイルということです。ちなみに、リモートワークとは働く場所にこだわらない勤務形態のことで、旅行先やカフェなど自由に就業場所を決めることができます。

企業によって在宅勤務の内容はさまざまで、全ての業務を自宅でこなす場合や、決められた日数や時間だけ在宅勤務にするといったように必要に応じて柔軟に具体的な方法を定めることができます。契約時の内容を守る必要はありますが、働き方は企業や従業員の状況によりさまざまです。ケガや病気、子育てや介護といった自宅から外に出られない人も従業員として仕事を続けてもらったり雇ったりすることができるので、人手不足が深刻化している業界では注目されている働き方なのです。

在宅勤務の特徴は?テレワークやモバイルワークとの違い

雇用形態の多様化が進むなかで、テレワークやモバイルワークが浸透してきました。テレワークやモバイルワークは、情報通信機器や情報端末を用いて時間や場所を選ばない働き方で、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末を使用します。在宅勤務はテレワークやモバイルワークの就業場所が自宅に特定されているということです。テレワークやモバイルワークを社内で行えば、通常のオフィスワークになります。

在宅勤務の基本的な業務内容はさまざまですが、コンテンツの作成などが多くなっています。プレゼンの資料の作成や情報収集、記事の編集やライティング、データ入力や修正、ソフトウェア開発やWebデザインの作成などがあります。専門的な知識やテクニックが必要な業務もありますが、誰でも簡単にこなすことができる業務も行われています。データ入力や修正であれば、子育てや介護で忙しくても手が空いたときにできるでしょう。

日本は大企業から在宅勤務が始まっている!その現状は?

大企業の多くはすでに在宅勤務を導入しています。例えば、日産自動車株式会社はチャットや音声テレビ会議システムを利用して、2014年から全社員を対象に在宅勤務を導入。リアルタイムで業務中の社員を観察できるようにするために、パソコン画面に社員の顔を映して、業務の状況で「取り込み中」「応答不可」「一時退席中」などの表示切り替えができる仕組みを活用して在宅勤務の勤怠を管理しています。他には日本航空株式会社が、こちらも2014年に在宅勤務を導入し、挑戦と改善を繰り返しながら社員が在宅勤務を利用しやすいように制度を改良してきました。改良を重ねることによって、自宅だけでなく喫茶店やコワーキングスペースなどでも同じように勤務ができるようになっています。

2013年6月に政府が継続的な労働が困難である子育て中の人や介護を行っている労働者を対象に、在宅型のテレワークを推奨し支援し始めたころから、大企業も積極的に在宅勤務を取り入れるようになりました。この頃から、大企業は勤務形態の多様化を図り、優秀な人材を確保することにいち早く取り組んだといえるでしょう。

日本の中小企業の在宅勤務は進んでいるのか現状を把握しよう

大企業では積極的に在宅勤務の導入を進めていますが、中小企業はどうなのでしょうか。結論からいいますと、日本の中小企業では、在宅勤務の導入はあまり進んでいません。導入が進んでいない理由としては、投入できる経営資源が限られていることがあげられます。大企業であれば、将来のために多額の資金を在宅勤務の環境整備のための投資に回すことができますが、中小企業にはそのような資金力を持つ企業が少ないのが現状です。大企業に比べて中小企業の方が人手不足が深刻な状態になっているので、在宅勤務を取り入れて優秀な人材を確保したり効率よく業務をこなしたりする必要があるのです。

中小企業の在宅勤務が浸透していない現状でも、テレワークを導入している中小企業もなかには存在します。株式会社シータス&ゼネラルプレスは試験的にテレワークを導入し、ワーク・ライフ・バランスの向上や業務内容の整理が進んだため、2015年10月から正式に在宅勤務制度を取り入れています。

テレワークの多くは在宅勤務

テレワークを導入している企業は増えてきていますが、実は導入している企業の9割程度が在宅勤務を利用しているのです。ちなみに、モバイルワークは約5割、サテライトオフィス勤務は約3割となっています。サテライトオフィス勤務の割合が低い理由は、在宅勤務に比べるとかかるコストが大きいからです。オフィスを借りなければならないことや、場所の選定や移動コストを考えると割に合わないという判断をする企業が多いようです。また、在宅勤務の対象条件としては、全社員としている企業と妊娠・育児中の社員に適用するという企業が多く、次に、家族の看病や介護をしていることを条件にしている企業が多い傾向があります。

働くことはできるにもかかわらず、さまざまな事情で家から出られない人の雇用を確保する措置として在宅勤務を導入している企業が多いと考えられるため、在宅勤務の割合が多いのは必然といえるでしょう。在宅勤務を取り入れたことで、実際にテレワークをしている従業員からは、育児や家事との両立ができるようになったことや業務の効率化が可能になったというアンケート結果が出ています。こうしたことから、テレワークの中でも在宅勤務はまだまだ増えていくことでしょう。

日本でも在宅勤務が増えている背景には何があるのか?

大企業を中心に在宅勤務が増えているのですが、なぜ日本でこのように増えているのでしょうか。日本は少子高齢化や仕事の多様化、転職をする人の増加により深刻な人手不足が蔓延しています。特に介護職の離職率が問題となり、各メディアでも取り上げられていたのはご存知でしょう。人手不足を解消するために企業が選んだ方法が在宅勤務で、その勤務スタイルが育児や介護のために会社を辞めざるをえなかった社員を繋ぎ止める方法にマッチしたということが考えられます。

また、国の政策として、週1日以上終日在宅勤務する人を全労働者数の10%以上にするといった方針や、2020年までに2012年度の3倍までテレワーク企業の増加を促すような取り組みが進められていることもあり、在宅勤務の環境整備に投資する企業が増えてきたことも1つの要因です。政府は在宅勤務を推奨し、女性の就業支援をすることで第一子出産前後の女性の継続就業率を55%にするという目標も立てていることから、ますます在宅勤務者が増えることが想定されます。

中小企業が在宅勤務を取り入れるメリット!売上へも影響する

人手不足の影響を受けている中小企業こそ在宅勤務を積極的に取り入れる必要があります。在宅勤務を導入することで、企業が所在する特定のエリアではなく広いエリアから優秀な人材を獲得するチャンスが生まれます。例えば、北海道にある企業が沖縄に住む優秀な人を従業員として雇うことができるということなどを考えると、大きな効果を期待せざるを得ません。毎日通勤することを基本とする社内勤務であれば、ありえないことでしょう。

また、人手不足の解消に役立つだけでなく在宅勤務を導入しているということだけで、先進的な制度を取り入れているというイメージアップも期待できます。つまり、中小企業であるにもかかわらず大企業と同じような取り組みをしているということが、企業ブランドを高めてくれるのです。周りの見る目が変わると、ひいては商品の売上げが伸び会社の利益も増え、求人に対するエントリーも増える可能性が高まります。応募する人が増えることによって、人手不足を解消することにつながるのです。

在宅勤務を導入する際の注意点は?コミュニケーションの工夫を

在宅勤務を導入する際に気をつけなければならないことがあります。在宅勤務者は自宅で誰からの監視もなく作業を行うことになるので、どうしても時間管理がずさんになってしまいがちです。特にさぼり癖のある人や自己管理ができない人は、期待通りに作業が進んでいないこともあるかもしれません。育児や介護でどうしても中断しなければならない場合は仕方がありませんが、社内勤務に比べると時間に無駄が出やすいのが在宅勤務のデメリットといえます。

そうしたデメリットを解消するためには、勤務開始や終了時間の報告、作業中断の連絡、進捗状況の報告など在宅勤務者がきちんと仕事を行っているのか確認できるようにしておく必要があります。他にも、コミュニケーションが少なくなりがちな点も注意しなければなりません。使用者と在宅勤務者との間に意識や理解のズレが生じると、業務に支障が出ることも充分考えられます。コミュニケーション不足は、在宅勤務の一番の課題でもあるので、チャットなどのツールを活用し、小まめに連絡を取り合う工夫が必要です。テレビ会議などで定期的に意見を交換し合う場を設けるのも有効でしょう。

在宅勤務を導入するポイントについて就業規則に明記しよう

従業員が常時10人以上の企業は、在宅勤務を導入する際に就業規則を見直さなければなりません。社内勤務とは労働条件が異なるため、在宅勤務について既存の就業規則で対応できない部分を修正または追加しておくことが必要です。就業規則の内容次第では、勤務者とのトラブルが起きる可能性があるので、お互いに納得できる内容にしておくことが重要です。就業規則には就業場所、労働時間、勤務評価や給与面、業務でかかる費用の負担、情報の取り扱い、コミュニケーションのルール等は明記しておきたいポイントです。テレワークをする場合は自宅が就業場所であることを規定しなければ、場所の拘束力がなくなってしまうことになり、労働時間の管理やコミュニケーションのルールについて明記しておかなければ、勤務者の行動を把握できなくなります。

そのため、就業場所と労働時間、コミュニケーションのルールについては根拠をつけて明記しておくとよいでしょう。また、社内勤務者との不公平感を除くために、評価や給与、費用についての明記は必要です。そして、最も気をつけなければならないのは、情報の取り扱いについてのルールです。会社の情報を社外に持ち出していることになるので、不正アクセスなどによる情報漏えいのリスクが高くなります。情報が漏れてしまうと、会社が大きな被害を被る可能性が極めて高くなるため、情報機器やデータの取り扱いに関するルールの記述は必要不可欠です。

在宅勤務導入に不安があるならリモートワーク情報サイトへ!

「在宅勤務を導入したくても方法がわからない」「在宅勤務を上手く取り入れる自信がない」といった悩みを抱えた経営者の人もいるでしょう。人手不足を解消するために在宅勤務を導入したくても、不安でなかなか先に進めないという人はプロに相談することをおすすめします。導入時にはさまざまな準備に加えて就業規則の作成をしなければならず、法律が絡んでくるので経験のない人が作ろうとすると時間と手間がかかってしまいます。もちろん、自力で導入から運営までできればよいのですが、完璧にこなすにはハードルが高いかもしれません。また、慣れるまでは導入したあとのトラブルの対処など不安は尽きないでしょう。もし、初めてで在宅勤務の導入方法が分からない場合は、誰でも気軽に相談できるリモートワーク情報サイトを利用してみはいかがでしょうか。在宅勤務を導入することへの不安をきっと解消できることでしょう。

まとめ

雇用形態の多様化や国の積極的な推奨により在宅勤務が注目され始め、大企業では導入が広まっています。在宅勤務は離職率の抑制や優秀な人材の確保などが期待できるため、人手不足の解消に非常に有効な手段です。実際に在宅勤務を導入して成功している企業も多く、そうした情報を得た他の企業も徐々に取り入れようという流れになっています。実際に業務の効率がアップしたり、育児や介護で仕事を辞めるしかなかった人たちが在宅勤務で活躍していたりします。これまでは大企業を中心に広まってきましたが、中小企業が在宅勤務を取り入れることで、人手不足を解消できるだけでなく、先進的な企業としてのイメージが定着しブランド力アップにも繋がるのです。ブランド力が上がれば、売上げアップや求人エントリーの増加も期待できるでしょう。これらのことから、人手不足が深刻な中小企業こそ、リモートワークを取り入れる必要があるのではないでしょうか。

この記事を書いた人
アバター

 
↑PAGETOP