在宅勤務のコミュニケーション問題を解消するツールを紹介
通信技術が発展したことで、会社と従業員や、従業員同士がコミュニケーションを取れるツールが多岐にわたるようになりました。そのため、従来なら会社にいなければできなかった仕事でも、会社以外の自宅などでできるようになっています。その結果、雇用形態にも多様さが生まれ、「リモートワーク」と呼ばれる在宅勤務が可能になったのです。ただし、在宅勤務はメリットもある反面、いくつかのデメリットもあります。実際に在宅勤務を円滑に行うためには、会社や他のスタッフとのコミュニケーションがしっかり取れていなければなりません。そこで、ここでは在宅勤務のメリットやデメリットについて説明するとともに、在宅勤務者とのコミュケーション問題を解消するためのツールを紹介します。
在宅勤務にはどんなメリットとデメリットがあるのか?
在宅勤務なら、会社までわざわざ出向く必要がありません。そのため、通勤時間に縛られずに勤務することが可能です。通常のように会社まで毎日通勤する場合は、道路状況によって渋滞に巻き込まれたり、交通機関の乱れで遅延が起こったりすることもあるでしょう。しかし、通勤する必要のない在宅勤務ならば、交通事情に左右されずに仕事ができるのもメリットです。また、業務の遂行が天候に左右されることもありません。もちろん、通勤時間の無駄がないため、その分の時間をほかのことをするために充てることができます。
さらに、育児や介護など、さまざまな理由で通勤することができない人もいるはずです。その人たちが仕事を辞めるという選択肢を選べば、会社は貴重な人材を失ってしまうことになりますよね。それが優秀な人材ならば、なおさら惜しいところでしょう。適切なコミュニケーションツールがあることで在宅勤務が可能になれば、さまざま理由で通勤することが難しい優秀な社員を雇用することが可能です。
一方で、在宅勤務の場合は目に見える場所に社員がいないため、業務の進捗状況などを把握しにくいというデメリットもあります。社員側としても、なにか業務に関して不明点の相談をしたいときや、確認が必要なときなどに会社の担当者や上司がいるかどうかのタイミングがわかりません。すぐに相談や確認ができなければタイムラグが発生し、業務がスムーズに運ばないこともあり得ます。つまり、適切な環境が整っていなければコミュニケーションがとりにくく、業務に支障をきたす可能性もあるという点がデメリットです。
在宅勤務に便利なコミュニケーションツール1:キントーン
複数人でひとつの仕事に携わる場合、従来ならばほかのメンバーに紙の資料を渡したり、メールにエクセルで作成したデータを添付したりしていました。キントーンでは、エクセルで作成したファイルを読み込んでアプリ化することが可能です。そして、テーマ別で資料を整理することができるほか、全文検索機能が備わっています。そのため、アプリさえ導入していれば、必要な情報を探しやすく、Webブラウザ上で効率よく仕事を進めることが可能になるのです。スマートフォンやタブレットをはじめマルチデバイス対応で、場所を選ばないというのもメリットだといえます。
もちろん、情報を集約し、共有することができるため、複数人で一緒に仕事をするチームでは、ミーティングのような議論をすることもできます。また、引き継ぎもキントーンを使ってスムーズに進めることができるでしょう。全体の仕事が見えることで、チームのメンバーが仕事全体を把握することができ、一体感も生まれます。さらに、チーム内だけではなく、社外の人とのコミュニケーションの場として使うことも可能です。
不正アクセスや不正ログインに対する対策がしっかり取られていることや、データをバックアップすることもできるため、社内のメンバーはもちろん社外からでも安心して使用することができます。2019年時点で日本語はもちろん、英語、中国語にも対応しており、グローバル化を考えている会社にとってもメリットのあるツールです。
在宅勤務に便利なコミュニケーションツール2:GigaCC
企業間のファイル転送やファイル共有サービスを提供するGigaCCは、共有ノート機能が充実しているツールです。GigaCCでは自分用のマイブック機能があります。パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットにも対応しているため、外出したときや出張先でも忘れないうちにメモ書きのようにアップロードしておくことが可能です。
また、共有ブックでは同じ業務に携わるメンバーなど権限を持った人だけに公開することができます。共有ブック上のノートに情報をアップロードすれば、メンバー内で情報を簡単に共有することができるのです。そのため、クラウド上の共有ノートを利用することで、紙の資料やメールなどに頼ることなく効率的な業務の遂行が可能です。コメント機能も付いており、メンバー間で円滑なコミュニケーションを行うこともできるでしょう。
共有ディレクトリを使って社外の取引先などに情報をアップロードする場合、セキュリティーポリシーが企業によって異なることがあります。たとえば、何人かの承認者すべてに承認されてからのほうがいいというところがあれば、だれか1人でも承認してくれればいいというところもあるのです。GigaCCのワークフロー機能では承認ワークフローを設定することができるため、企業のセキュリティーポリシーに準拠した使い方ができます。また、ゲストユーザーに対しては招待アカウントを発行することにより業務を効率化できる柔軟さもあるツールです。
ファイルの送信や転送機能では、大容量ファイルでも安心して送受信できるセキュリティ機能を備えながら、利便性も兼ね備えています。サーバー内暗号化やSSL暗号化通信、宛先制限などもあり、機密性の高いデータをメール添付せずに相手に渡すことが可能なのです。
在宅勤務に便利なコミュニケーションツール3:Trello
Trelloはシンプルながら柔軟なシステムが特徴のツールです。情報を一元化するTrelloのボードには、細かい情報や思いついたアイデア、予定などを書き込むカードを貼っていく感覚で使うことができます。画像なども簡単に挿入することが可能です。カードは進捗状況別にリストで整理しておくことができ、必要なくなったものは削除できるなど、感覚的な操作が簡単だという点がメリットのひとつです。リアルタイムで情報が更新され、スマートフォンやタブレットをはじめ、さまざまなデバイスとの同期も常に行われているため、タイムラグもなく情報共有することができます。メンバー全員がしなければいけないことがある場合は、タスクの共有も可能です。
日常の業務では期限の定められた仕事をしなければいけないこともあるでしょう。Trelloでは「To Do」、「作業中」、「完了」など、プロジェクトの開始から完了まで左から右にわかりやすくタスクを追跡できる機能が備わっています。一目で仕事の進捗状況を把握できることで、全体を見渡して効率よく業務を遂行することが可能です。さらに、TrelloではGoogle DriveやInVisionなど、他のアプリを統合することができ、チームのニーズに応じた使い方にカスタマイズすることもできます。
在宅勤務に便利なコミュニケーションツール4:Dropbox
ビジネスでコミュニケーションツールを使用する場合、やり取りするデータが多ければ容量が心配になることもあるでしょう。Dropboxは3TBのプランがあるほか、ニーズに合わせて容量を追加することも可能です。それでいて、ハードディスクを圧迫することがなく、独自の技術で素早い同期が可能になっています。チームで自由にドキュメントや動画の埋め込みができ、共有や編集も簡単です。管理ツールも充実しており、ダッシュボードで操作履歴や作業の状況など、共有アクティビティを確認することができます。また、企業では人事異動で担当者が変わることも起こり得ます。そんな担当者が変更になったときでも、次のユーザーへのファイル移行が簡単です。
セキュリティ面に関しては、データが自動的にバックアップされるほか、ファイルやバージョンの復元もできるため安心です。共有に関してはパスワードでの保護や有効期限を設けるなど、権限を設定することで安全性を保つこともできます。さらに、万一使用しているデバイスを紛失したり盗難にあったりした場合、情報が漏洩することが心配になるでしょう。Dropboxでは遠隔削除でファイルの削除ができるという安心感もあります。
在宅勤務に便利なコミュニケーションツール5:Skype
Skypeはパソコンやスマートフォン、タブレットのほか、XboxやAmazonのAlexaなど、さまざまなデバイスを使い、オンライン上で対面しながらコミュニケーションが図れるツールです。ビデオ通話ができない時代は同じ場所にいなければ、なかなか会議をするのも難しいことがあったでしょう。しかし、Skypeでは1対1はもちろん、グループでの会話にも対応しているため、オンラインミーティングや会議をするのに便利です。
Skypeはインターネットを利用して無料で使用することができるほか、インターネットに接続していない相手の固定電話や携帯電話にも手ごろな料金で接続することができます。また、通話を記録したり録画したりすることも可能で、大事な会議やミーティングの内容を保存しておくことが可能です。さらに、画面共有機能を使って共同で作業することもできます。
在宅勤務に便利なコミュニケーションツール6:LiveCrowd
LiveCrowdはインターネットを使ったWeb会議システムで、オンラインで研修や会議をすることができるツールです。音声はもちろん映像もやり取りすることができます。専用の回線や設備が必要なわけではなく、パソコンやスマートフォン、タブレットなどさまざまなデバイスで使用することが可能です。インターネットを使える環境が整っていれば、特にインストールする必要もありません。
ワードやエクセル、パワーポイントなど、ビジネスでよく使用する資料類を共有できるほか、スケジュール機能やアンケート機能をはじめ、備えている機能が多彩です。また、最新の技術を用いており、高品質で音声や映像に遅延が発生しないこともメリットだといえるでしょう。さらに、LiveCrowdはサポート体制が充実しています。運用前の支援から導入後のサポートやトラブル対応、企業のニーズに合わせた運用方法などの支援も受けることが可能です。そして、利用できる場は社内の会議だけにとどまりません。ほかにも、オンライン研修や遠隔営業に使えるほか、もちろん在宅勤務者とのコミュニケーションツールとして使用することができるのです。
在宅勤務に便利なコミュニケーションツール7:NotePM
NotePMはビジネスでよく使う文書類をWeb上で管理することができるドキュメント専用のツールです。Web上の高機能エディターを使って文書を作成し、簡単にファイル登録をしてチームの間で共有することができます。なによりチャット感覚で気軽にコメントなどを入力できる仕様で、コミュニケーションを図りやすいという点がメリットです。既読になっているかどうかがわかりやすく、チームのなかで誰が情報を確認したか、まだなのは誰なのかを把握しやすいのも使いやすさのひとつでしょう。
ファイル全文検索機能があるため、必要な情報も見つけやすくなっています。ユーザーごとに操作権限を設定したり、組織やグループ単位で情報を共有するようにしたりなど、柔軟にアクセス権限を設定できるのもメリットです。また、ChatworkとSlack、HipChatという3つのチャットサービスとの連携もあります。さらに、英語切替やタイムゾーンの設定など、国際化対応している点が特徴的で、海外スタッフにも配慮することが可能です。
在宅勤務に便利なコミュニケーションツール8:Chatwork
Chatworkは従来なら電話やメールなどでやり取りをしていたことに代わるコミュニケーションツールです。パソコンやスマートフォン、タブレットなどさまざまなデバイスで使うことができ、外出先でも場所や時間を選ばず使うことができます。簡単な操作で使うことができるため、初心者でも使いやすいという点もメリットです。
チャットの機能では1対1のダイレクトチャットのほか、特定のプロジェクトに参加する複数人でのグループチャットを設定することができ、社外スタッフともつながりやすい仕組みになっています。また、自分専用のマイチャットの機能もあるため、メモ書きなどに利用することが可能です。チャットにはワードやエクセルなどのファイルをアップロードしたり、スタンプや画像の添付をしたりすることができ、データを共有することができます。
さらに、音声通話やビデオ通話の機能があることに加え、自分のパソコン画面を共有できる機能もあることが特徴的です。ほかにも、タスク管理ができることや、GmailやTwitter、Googleカレンダーなど使っているサービスとの連携ができるなど、便利な機能もあります。
まとめ
在宅勤務が可能になれば、なんらかの理由で通勤できない人にも仕事ができるチャンスがあり、企業にとっても優秀な人材を確保することができます。また、ほかにも通勤時間を無駄にしないなど、在宅勤務にはメリットが多いです。しかし、実際に顔をあわせることがないため、コミュニケーションが取りにくいというデメリットもあります。ただし、インターネットが普及した現代では、さまざまなコミュニケーションツールが開発され、便利になりました。そのため、適切なツールを活用すれば、社員同士のコミュニケーションを円滑にすることが可能です。企業の状況やニーズにマッチしたコミュニケーションツールを導入し、在宅勤務者も含めた効率のよいビジネススタイルを検討してみてはいかがでしょうか。