カフェでリモートワークの作業をするメリットやデメリットは？

リモートワークとは、インターネットを利用して主にパソコンだけで作業ができる場所や時間を選ばない新しい働き方のことを指します。遠隔地在住の優秀な人材でも採用が可能となるため、日本でも徐々に浸透してきていますが、海外ではすでに働く人の選択肢の一つとして定着しています。リモートワークは自宅やサテライトオフィスなどで作業することが多いのですが、多くの人はカフェで作業しているビジネスパーソンのイメージを持つのではないでしょうか。この記事では、カフェでリモートワークの作業をするときのメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。これからリモートワークを検討している方や、すでにリモートワークをされている方、カフェで仕事をすることについて興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

はじめにリモートワークをしやすいカフェなのかを確認しよう！

カフェでリモートワークをする場合、そのお店が作業しやすい場所なのかどうかは非常に大切です。リモートワークをしやすいカフェを選ぶために確認すべきポイントをいくつか紹介します。まず、電源の有無を確認しましょう。ノートパソコンで長時間の作業となるとバッテリーが切れてしまう可能性もあります。座席ごとに電源が確保できるカフェであれば、バッテリー切れの心配もなく安心して作業することができます。また、リモートワークはネット接続が必要である場合が多いです。そのため、Wi-FiやLANがあり、高速でインターネットを使えるような環境が整っていることも重要です。

さらに、カフェ選びでとても重要なのは、お店の雰囲気や居心地の良さです。お客の入れ替わりが激しいところだったり、家族連れや学生が多いカフェだったりすると騒音も大きくなるため、作業が思うように進められなくなってしまいます。しっかりと集中して作業するためにも、客層を確認し、落ち着いた雰囲気である場所を選びましょう。また、長時間の作業では作業台となるテーブルの大きさや、ドリンクなどのメニューもチェックしておくと、作業がより快適に進められます。そちらもあわせて確認しておくようにしましょう。

カフェの開店時間もチェックしてから作業の予定を立てよう

カフェでリモートワークをする場合、作業の予定を立てると同時にお店の営業時間もチェックしておかなければなりません。作業が必要な時間帯は日付や曜日、またその日に入っている予定によっても変わってきます。開店時間とラストオーダーの時間を把握しておくとよいでしょう。自分が使いたい時間にカフェがオープンしているかどうか、あらかじめ確認しておくと作業の予定もスムーズに立てることができます。

また、カフェの中には24時間営業をしているところも少なくありません。作業の予定が未定だったり、時間が読めなかったりする場合には、そのようなお店を利用するのも方法の一つです。

カフェでの作業は集中力が増す！緊張感や時間の制限がある

カフェでは不特定多数の人の視線があり、適度な緊張感が得られるため、自宅やオフィスで作業するときよりも集中力が増すといわれています。これを心理学用語で「観客効果」といいます。誰かに見られている状態を人はストレスに感じることが多いですが、その適度なストレスに集中力を上げる効果があるということです。観客効果は集中力を上げるだけでなく、作業のスピードや質の向上にも効果が見られます。また、人間は無音の場所では集中できないという特性があるため、音楽が流れていたり、大き過ぎず適度な音があったりするカフェは、集中力を上げるのに効果的な場所であるといえるでしょう。

カフェでの作業は時間に制限があることも集中できる理由の一つです。長時間作業をするよりも、限られた時間内での作業は集中力を高める効果があります。また、オフィスでは他の社員から話しかけられ、そのたびに集中力が切れてしまうということもありますが、カフェではそのようなこともありません。作業時間や、やるべきこともすでに決まっているため、集中して作業に取り組むことができます。

カフェに漂うコーヒーの香りには自律神経を刺激する作用があり、嗅ぐだけでも脳の働きを活発にする効果があります。また、コーヒーを飲むと眠気覚ましやリラックス効果を得ることもできます。集中力や作業効率をアップさせたいときにはカフェに出かけてみましょう。

カフェの非日常感から多様なアイディアが出やすくなる

カフェにある非日常感の雰囲気は、普段の生活よりも斬新なアイディアが出やすくなります。カフェに行くことで気分転換ができたり、職場や自宅とは異なる環境や精神状態になることで、発想や目線の違った角度から考えることができたりするからです。また、コーヒーの香りは右脳の血流を増やす働きがあります。感性や感情をつかさどる右脳はひらめき脳ともいわれ、コーヒーの香りが漂うカフェでの作業は新しいインスピレーションを生み出す手助けをしてくれます。

また、適度な騒音は集中力だけでなく、創造力も高める効果があります。人は図書館のような50デシベル程度の静かな環境よりも、カフェのような70デシベル程度の音がする環境の方が、よりクリエイティブなアイディアを生み出せるという研究結果もあります。新商品の開発や戦略会議など、新しい発想が求められる仕事のときも、カフェで行うことによってその効果が期待できます。

用事で外出したら空いた時間にカフェで作業！無駄がなくなる

リモートワークは好きな時間に好きな場所で作業ができることが最大のメリットです。パソコンとインターネットの環境があればいつでも作業することが可能です。そのため、外出先のすきま時間でもカフェで作業すれば効率よく仕事ができます。仕事の打ち合わせや会議だけでなく、子どもの送迎や買い物など外出しなければならない予定が複数あるときでも、用事が終わるたびに自宅に帰る必要もないため、交通費もかさみません。また、急な予定変更にも対応できます。時間があいてしまったときでも作業することができるので、時間の無駄がなくなります。

自宅周辺のカフェだけでなく、よく行く外出先周辺のカフェについても把握しておくことで、手間と時間をさらに省くことが可能です。お気に入りのカフェをいくつか見つけておくと、外出先でもスムーズに作業に取り掛かることができます。

カフェで作業すればオフィスを借りる費用が節約できる

リモートワークにおいても固定支出はできるだけ抑えたいものです。カフェで作業するメリットの一つとして、オフィスを借りる必要がないので、家賃などの固定費を節約することができます。サテライトオフィスなどの作業スペースを借りる場合、使用の有無に関わらず家賃や管理費などの固定費用を毎月支払わなければなりません。また初期投資として、オフィスの契約時には保証金や家具、内装費や備品などさまざまなコストがかかります。その点、カフェで作業する場合には必要な時に必要な分の費用しかかからないので、最小限のコストで済みます。

打ち合わせや会議についても人数がとても多い場合でなければカフェでも行うことが可能です。しかし、カフェは不特定多数の人が利用する場所でもありますので、打ち合わせや会議の際には守秘義務などを意識しながら、十分に配慮して行うようにしましょう。

うるさいと集中できないこともある！静かなカフェを探そう

カフェによっては、時間帯で混み具合が大きく変わる場合があります。他人の視線と適度な音がある環境は集中力の向上に繋がりますが、極端に混雑している場合は騒音も大きくなり過ぎてしまうため、集中して作業を行うことが困難になってしまいます。また、利用する客層も時間によって異なり、子ども連れや学生などが多くいる場合には騒がしく感じてしまう場合もあるため、そういった時間はできるだけ避けるようにしましょう。利用客が多い時には席の確保ができない場合もあります。あらかじめネット上の情報サイトや口コミなどで、お店の雰囲気や混雑する時間帯をリサーチしておくとよいでしょう。

カフェでの作業中、混雑してきたと感じた場合には、予定よりも早めに切り上げるのも効率を落とさないポイントの一つです。集中できない環境では作業もはかどらず、質のよいものは仕上がりません。また、混雑時の長時間の利用は他の客にも迷惑が掛かってしまいます。落ち着いて作業ができるよう、ピークの時間帯や客の雰囲気もしっかり確認することが大切です。

カフェは自宅よりも費用がかかる！飲食代がかさみやすい

リモートワークにおいてカフェでの作業は多くのメリットがある反面、自宅での作業よりも飲食代がかかってしまうというデメリットもあります。自宅では飲食代はもちろんかかりませんが、カフェを利用する場合には、少なくとも飲み物の注文は必ずしなければなりません。さらに、ある程度長い時間カフェを利用する場合には、何回か定期的に飲食をする必要が出てきます。オフィスを借りる費用に比べれば低コストで済みますが、カフェでのリモートワークにはある程度の飲食代がかかることを念頭に置いておきましょう。

しかしながら、自分で料理を作る手間などを考えた場合、カフェならではのコーヒーや料理を味わえるのはメリットと感じる人も多いのではないでしょうか。疲れを感じたときや休憩のときにいつでも美味しいコーヒーが飲めるのはうれしいポイントです。おしゃれなカフェメニューを楽しみながら作業ができるのも、リモートワークをカフェで行う魅力の一つであるといえます。

カフェでリモートワークの作業をする時に注意すべき点

カフェでリモートワークをする際、注意しなくてはならない点がいくつかあります。一つは、パソコンの盗難防止対策をしなければならないということです。トイレや注文などで席を外す場合、パソコンをそのまま置いていくと盗難に遭ってしまうかもしれません。実際にパソコンを放置して席を外した結果、盗難の被害に遭ったという事例もあります。カフェで席を外すときには必ず盗難防止対策をするようにしましょう。テーブルやイスに括りつけて使用するワイヤーロックや、パソコンに設置して不審な振動や移動を感知すると知らせてくれるアラームタイプの防犯グッズなどが販売されています。また、荷物にはなってしまいますが、席を離れるときには常にパソコンを持ち歩くようにするのも方法の一つです。離席が少しの時間であっても対策は必ずするようにしましょう。

もう一つは、情報漏洩に配慮するということです。不特定多数の目があるカフェではパソコン画面を誰が見ているか分かりません。カフェで作業する場合、重要度の高いものを持ち出すのはなるべく避け、パスワードなど大切な個人情報の入力や閲覧をするのはやめましょう。また、パソコンやタブレットの画面に横から見えにくくなるシートを貼るなどの工夫も必要です。情報の取り扱いについては、リモートワークをカフェで行うときに最も注意しなければなりません。盗難防止や情報漏洩の対策はしっかりと行うようにしましょう。

カフェでリモートワークの作業をする時の大切なポイント！

カフェでリモートワークを行うときの大切なポイントについて紹介します。まず1つ目は、カフェへのアクセスについてです。周辺環境や店内の雰囲気も大切ですが、カフェを探すときはできるだけ自宅の近くのお店にすると、交通費も節約できます。移動時間もあまりかからず、気軽に出かけることができて便利です。2つ目は、カフェに行く際は作業をしに行くという目的を明確にすることです。自宅より集中しやすい環境であっても、ついSNSやネットサーフィンなど他のものに気を取られてしまう人も少なくありません。作業範囲や制限時間を意識して、短時間で集中して作業することを心がけましょう。

3つ目のセキュリティについては、企業として最も配慮すべきポイントとなります。情報漏洩などが起こらぬよう、作業を行う前にはリモートワークの運用についてあらかじめ取り決めておくことも大切です。

まとめ

カフェでのリモートワーク作業についてさまざまなメリットを紹介してきましたが、他にも孤独感を紛らわせてくれるという効果もあります。主に一人で行うリモートワークでは孤独を感じることもありますが、カフェには同じように作業している人も多く、自分も頑張ろうとモチベーションを上げることにも繋がります。やる気のアップや高い集中力の維持は、リモートワークを行ううえでとても重要です。快適に作業ができるよう、雰囲気や居心地が自分に合ったカフェを見つけてみましょう。多くのメリットがあるカフェでのリモートワーク作業ですが、セキュリティや周りへの配慮など、注意しなけばならないポイントもいくつかあります。利用時間は常識的な範囲に設定し、セキュリティ対策は万全にしたうえでカフェで作業を行うようにしましょう。

経費を節約したい場合にも利用しやすいカフェはとても重宝します。環境を変えることでよい刺激になり、仕事の効率や質がアップするだけでなく、新しいアイディアも出やすくなるカフェでのリモートワークをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。