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中小企業がリモートワークを導入するのに適した職種とは?

企業の経営者にとって、効率的な生産や業績アップは大切な条件になります。そのためには、新規顧客の獲得だけでなく、リピーターの確保も見逃すことはできません。職場内においては、既存設備の見直しや最新機器の導入なども検討する必要があります。さらには、それぞれの部署に適した人材の配置や育成も欠かせないでしょう。

従業員が気持ちよく働くには、個々の事情を把握することも大切ですよね。そのためには、リモートワークの導入の選択もひとつ。日本でもリモートワークを取り入れる企業が増えていますが、リモートワークはどのような職種に向いているのでしょうか。ここでは、リモートワークに適している職種の条件や、リモートワークの具体的な職種などについて解説していきます。

リモートワークの特徴!時間と費用の削減・生産性の向上など

リモートワークは職場に出社しないで働く方法で、在宅での仕事は典型的な事例です。このような勤務形態を導入することで、従業員はもとより、企業経営者側が得られるものも少なくありません。

まず、考えられる大きなメリットは、自宅と職場との往復時間が浮くことです。満員電車に揺られながら通勤しなくてもよいため、従業員のストレス軽減にも役立ちます。もちろん、通勤途中の事故防止にもつながるなど、通勤時間がなくなるメリットはほかにもあります。睡眠時間を多く取れる、通勤に体力を消耗しないなどが考えられますよね。また、職場の光熱費などが削減できることもメリットの一つといえるでしょう。ただし、リモートワークに必要な通信費・水道光熱費などの費用負担については、明確なルール作成を行い従業員が納得することが大切です。

生産性が向上することもリモートワークのメリットです。職場で仕事をするのとは異なり、周りに気を使わなくても済みます。また、プライベートと混同しないなど働き方を律することは不可欠ですが、適度な緊張感によって生産性が落ちることは少ないでしょう。同僚との無駄話や社交辞令的な交流会に参加しなくてもよいなど、従業員が得られるメリットもいろいろあります。

通勤時間が障壁になり仕事を諦めざるを得ないことは、企業経営者と従業員、双方にとって大きなマイナスです。また、結婚や子育て、介護などによって環境が大きく変わったとき、仕事の継続を断念する従業員も少なくないでしょう。これまで経験や実績のある従業員との別れは、企業にとっても痛い損失になります。しかし、リモートワークの導入によって、このようなマイナス面をカバーすることが可能です。そのため、優秀な人材を確保しやすくなり企業が得るものも大きくなるでしょう。

リモートワークに向いていてスムーズに導入できる職種の条件

リモートワークの導入に際しては、導入可能かどうかの事前確認が不可欠です。リモートワークは職場以外で仕事をする性質上、職種によってはリモートワークが向かないことを知っておきましょう。

まず、考えられるのは現場に出向く必要がない職種です。つまり、場所的な制約がないことがリモートワークには欠かせない条件といえます。たとえば、仕事で使う機械や場所などが必要な職種はリモートワークが不可能です。工場の製造ラインは典型的ですよね。ただし、部品のカットや組立などは一人でできるため、在宅での作業も可能です。また、訪問や接客が求められる仕事もあり、リモートワークで対応できないと把握しておきましょう。具体的にいうと、工務店関係の仕事やショップ店員などが該当します。

リモートワークを導入するには、仕事の成果はもちろん、進捗のデータを共有しやすいかどうかも考える必要があります。インターネットの普及により、営業活動中の従業員が出先からもアクセスしやすくなりました。また、クラウドサービスによってデータを共有できることも、業務効率化につながるメリットの一つです。このようなインターネットの利点が使える職種は、リモートワークにも活用することができます。

一方、リアルタイムでのコミュニケーションが必要かどうかも、リモートワーク導入の判断基準になります。こちらは「現場に出向く必要がない職種」にも通じる点も存在します。社外の人と面談したり、遠方へ出張したりする機会が多いかどうかも大事なポイントです。もし、そのような機会が多い職種の場合は、リモートワークが難しいと考えておきましょう。

仕事の成果に関する評価システムが明確なことも大事な条件です。従業員が職場以外で仕事をするだけに、成果物に対してきちんとした評価ができるかどうか慎重に検討しましょう。もちろん、評価システムが適切に稼働することで、仕事へのモチベーションアップにもつながります。その結果、企業経営者と従業員、双方が得られるメリットも大きくなります。それと同時に、従業員の時間管理がしやすいことも忘れてはなりません。職場勤務の従業員と歩調を合わせるためにも、企業経営者は労務時間を徹底する必要があります。

リモートワーク向きの成果物が明確な職種と個人の作業が多い職種

リモートワークに適した仕事の条件として、成果物が明確な職種であることは避けられません。また、個人での作業が多い職種が向いていることもわかりました。現場へ行かないとできない仕事や、外部の人と出会う機会が多い仕事はリモートワークには適さないといえるでしょう。このような条件を満たす職種として、次のようなものが挙げられます。

・システムエンジニア、プログラマー
インターネットとパソコンがあればできる職種の代表的存在です。特定の場所での作業が必要な場合もありますが、開発系システムエンジニアやプログラマーなどはリモートワークにおすすめの仕事です。働き方の多様化にともない、リモートワークの積極的な導入が進んでいます。

・デザイナー、イラストレーター
従業員の持つ力を最大限発揮できる仕事で、結果主義の典型的な職種ともいえるでしょう。ほかの職種と同じく、納期厳守や機密保持などが必要なのはいうまでもありませんが、従業員のペースで働きやすいメリットも大きいです。なお、衣服や住宅などのデザインを対象にする場合は、自宅のみでの作業は難しいことを知っておきましょう。

・ライター、編集者
これらの仕事も在宅で完結できることが多い職種です。記事の作成本数など仕事の成果を把握しやすいことから、リモートワークに必要な条件がそろっているといえるでしょう。クラウドソーシングを利用するなど、在宅で仕事しやすいことも大きな特徴です。なお、取材に出掛けるなど職場以外での仕事が多い点は、リモートワークの言葉が誕生する以前から注目されています。

・マーケティング
市場調査から戦略立案までを行う仕事で、市場調査力をはじめ、ユーザーニーズ分析力、新企画作成のスキルが求められます。それらの専門知識は不可欠ですが、データの受け渡しができる環境を整えることでリモートワークの導入対象になります。また、現場の声を聞くために外出が必要なケースもあり、リモートワーク向きとも考えられます。

・コンサルタント
特定分野の専門知識や経験をもとに、依頼者への相談や助言を行う職種です。いずれも人を相手にする仕事ですが、職場内よりも外で活躍する機会が少なくありません。そのため、働き場所にこだわらなくてもよいケースもあります。

・Webディレクター
こちらの職種は、Webサイトの制作や運営を指揮管理することが大きな特徴です。クライアントからの依頼をもとに作業を進めていきますが、発注から納品までの一連作業をインターネットで完結することが可能です。ただし、現場へ出向くケースがあることも把握しておきましょう。

・管理業務
総務や経理、人事などの作業が該当します。作業が単調なことも多く、社外で仕事をしやすいことが大きな特徴です。そのため、リモートワークのほか子会社を設立する方法もあります。

・営業
外回り営業などは、そもそもリモートワークといえる状態にあります。移動中やカフェなどで仕事をすることも多く見受けられます。事務所に戻る時間や手間をできる限り省ければ、作業効率を上げることにも繋がります。

リモートワークをするのに必要な通信環境と個人の能力

リモートワークの導入に際しては、必要な通信環境を整える必要があります。従業員との業務連絡をスムーズにするには、テレビ電話やチャットツールがストレスなく使えることが大切です。インターネット上で大事な情報をやり取りするには、しっかりとしたセキュリティ対策が求められるのはいうまでもないでしょう。

リモートワークを導入するためには、それが可能かどうか従業員個人の能力を知ることも大切です。業務連絡などは電話やメールなどで対応できますが、仕事の開始から完成まで一人でできることが不可欠な条件といえます。基礎的な作業が難しい場合はサポートに手間暇を取られてしまい、リモートワーク導入の意味が薄らいでしまいます。

職場の人と顔を合わせずに仕事ができるだけに、自己管理能力が高いことも欠かせない条件です。また、電話やメールなどのツールで打ち合わせをするときは、お互いのやり取りを通じて内容を的確に把握できることも求められます。リモートワークでは、オフィスワークでの報連相とは異なり、対面で話ができないことがデメリットになります。リモートワークを導入するときは、これらを克服できるかどうかが大きな課題といえるでしょう。

リモートワークで成果を出すために必要な職種別の能力

リモートワークを有効活用するためには、職種別に求められる能力を把握することも大切です。ここでは、リモートワークの主な職種と必要能力について紹介します。

・システムエンジニア、プログラマー
こちらの仕事を行うためには基本方針の徹底力が求められます。企業やクライアントが求める記述ルールをしっかり把握したうえで、ソースコードや仕様書の作成が不可欠といえるでしょう。また、自己精査能力の高さも大事な条件です。職場でのデスクワークとは異なり、自分ですべて確認する必要があるため、誤字脱字といった初歩的なミスを避けることが大切です。

・Webデザイナー
Webサイト作成に関わる仕事で、サイト構築やレイアウト、サイトデザインなど多岐にわたります。トレンドを常に意識するなど日々研鑽は欠かせません。リモートワークでは同僚と交流する機会が少ないだけに、情報源が限られることがマイナスになります。同僚との雑談から得られるヒントは大きいからです。そのような情報源が期待できない分、自分から積極的に情報収集できる人が適しています。

・マーケティング
こちらの仕事にも最先端の情報収集が不可欠です。また、成果物のチェックもきちんと行う必要があります。これらの作業を同僚に頼れないため、自分一人ですべてを完遂する能力を有することが理想的です。

環境を整えれば多くの職種で可能になるリモートワーク

パソコンとインターネット環境があれば導入可能なことがリモートワークの大きなメリットです。また、それらをグレードアップすることで、より多くの職種がリモートワークの対象になります。このような背景を踏まえたうえで、リモートワークの導入には念入りな準備を行いましょう。

リモートワークを導入するためには、職場内での理解や協力が欠かせません。リモートワークの対象者だけでなく、チーム全体がリモートワークに対応できる環境整備をする必要があります。良好な人間関係を築くためには、従業員同士のコミュニケーションが不可欠です。リモートワーカーも含めてみんなが同じ時間帯で仕事をすることや、仕事に必要な最新情報の共有も大事なポイントといえるでしょう。また、完全に在宅で仕事をするだけでなく、必要に応じて自宅で仕事をする方法もあります。職場内には、リモートワーカーの出勤に備えて、誰でも利用できるフリーアドレスエリアを設置しましょう。

仕事を効率的に進めるためには、紙資料の電子化、クラウド管理するなどの工夫も必要です。チャットツールやファイル共有ツールなどを導入して、チーム全員が使えるようにしておきましょう。もちろん、リモートワークに備えて必要な準備は企業によって異なります。リモートワークを導入するには、リモートワーク希望者だけでなく、周りの人すべてが前向きに取り組めるような創意工夫をおすすめします。

リモートワークを導入する前に解決しておくべき問題点

リモートワークの導入には環境整備だけでなく、リモートワーク導入後に起こり得る問題点を把握することも大切です。リモートワークを導入したばかりに、職場内の空気が険悪になったり作業効率が低下したりしないためにも、事前対策をしっかり行いましょう。

リモートワークを導入すると、きちんと仕事をしているか確認できないことが障壁になります。そうならないためには、仕事の成果物が把握できる状況作りが不可欠です。また、会議や朝礼への出席、チャットツールなどを常に使える状態にしておくことも大事なポイントです。

上司と部下など、職場内での信頼関係ができにくいこともリモートワークが抱える問題の一つです。リモートワーク希望者は、いきなりリモートワークに入るのではなく、一定の準備期間を経ることが大切です。職場内で信頼を得られれば、リモートワークを始めるための障壁も少なくなります。

同じ空間で仕事をしていないことから、情報の共有が難しくなります。最新情報の共有漏れが起こらないためにも、常にコミュニケーションを図ることが大切です。紙資料とデジタル資料が混在する職場では、資料のデジタル化を進めていきましょう。会議資料をデジタル化した事例もあるため、参考にしてはいかがでしょうか。

仕事に不可欠な意思の決定に時間が掛かると、効率的に作業が進められません。職場内で決裁を得るまでには何人もの承認が必要ですが、業務をスムーズにするためには組織を見直すことも大切かもしれません。

リモートワークを導入した後に出てくる問題点と解決法

リモートワークの導入には、いろいろな可能性を考慮したうえで具体的な対策を立てることが大切です。それでも完璧とはいえないかもしれません。実際、リモートワーク導入後に想定外の問題が発生することが少なくないからです。また、オフィスワーカー側だけでなく、リモートワーカー側にも及ぶことを知っておきましょう。

オフィスで働くのとは異なり、誰が席を外しているかなど、リモートワーカーがオフィスの様子を把握するのが困難になる点も見逃せません。そのため、オフィスワーカーに相談するタイミングが掴みにくい場合もあるでしょう。リモートワークの大きな特徴は一人で仕事を進められることですが、それがマイナスに作用することも考えられます。このような問題を解決するには、バーチャルオフィスツールを導入する方法がおすすめです。職場内の結束を強めるためにも、経営者のみなさんは前向きな検討を行いましょう。

まとめ

企業の経営をスムーズに行うためには、働き方の見直しが大切かもしれません。そのためには、リモートワークの導入も選択肢の一つになります。特に、成果物が明確にわかる職種、個人で行う作業が多い職種などは、リモートワークに向いているでしょう。インターネットを通じてやり取りできることも、リモートワークの大きな魅力です。職場環境を整えることによって、より多くの職種でリモートワークが可能になります。

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