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リモートワークのポイントは?参考になる失敗例とおすすめツール

政府が推進する「働き方改革」によって、多様な働き方や労働環境の改善が企業に求められるようになってきました。その施策として、大手企業をはじめ中小企業においてもリモートワークを導入する事例が増えてきています。リモートワークは、従業員だけでなく深刻な人材不足に悩む企業にとっても、多くのメリットがある働き方です。しかし、導入にあたってはあらかじめ適切なルールや環境を整備しなければ、失敗に終わってしまうことも少なくありません。そこで、リモートワークを導入することで得られるメリットや、よくある失敗例から見えてくる成功させるためのポイントについて解説します。また、リモートワークにおすすめのツールについても紹介します。

リモートワークを導入することで労働者が得られるメリット

はじめに、リモートワークが労働者にもたらすメリットについて紹介します。例えば、育児のために通常の勤務が難しくなったり、親の介護などのために自宅を離れることができなくなったりしたら、フルタイムでの勤務は続けられなくなります。通常であれば、仕事は辞めなければならないケースも多いでしょう。そんな場合でも、勤め先にリモートワークという選択肢があれば、退職せずに済むばかりかフルタイムでの勤務も実現しやすくなります。

実家の事情や結婚などで引っ越しを余儀なくされるというケースも、誰にでも起こりうることです。引っ越し先が遠く離れた土地だとしたら、これまでのように毎日通勤することはできなくなるので、退職せざるをえなくなります。しかし、リモートワークが可能な企業であれば引っ越し先で新たに仕事を見つける必要もなく、失業状態になってしまう心配がありません。病気になったり事故で怪我をしたりして身体的に通勤が難しい場合でも、これまでの仕事を続けられる可能性が高くなります。

リモートワークを導入することで企業側が得られるメリット

リモートワークの導入は、企業にとっても多くのメリットがあります。上で説明したように、通常ならば従業員が退職せざるを得ない事情を抱えてしまった場合でも、リモートワークに切り替えることで退職を回避することができます。出産や育児、引っ越しなどのケースは、どんなに優秀でやる気のある従業員の身にも起こりうることです。経験を重ねた優秀な人材を手放さないためにも、急な欠員で業務に支障をきたすリスクを避けるためにも、リモートワークの導入は有効です。

リモートワークを導入すると、求人の面でも変化が起こる可能性があります。はじめからリモートワーク前提での雇い入れを可能にすれば、遠方からでも求人の目的に沿った優秀な人材を採用できる可能性が高まります。時差や言葉の壁をうまくコントロールできるなら、海外も含めて幅広く募集することも可能です。これまでのように通勤可能であることを前提にする必要がないので、特に地方にある企業にとってはメリットが大きいでしょう。地元には少ないスペシャリストや経験豊富なマネージャー、リーダークラスの人材を採用するチャンスの拡大が期待できます。

また、リモートワークの導入には経費の削減につながるというメリットもあります。全従業員が毎日出社する場合は、オフィスには各自のデスクなどの作業場所が必要です。しかし、リモートワークを積極的に活用することで従業員の出社頻度が少なくなれば、オフィスのスペースを必要最小限にできます。場合によっては、オフィスの電気代や交通費の支給額も減らすことができるので、経費削減につながります。新たに人材を補充するときも、オフィスを広げたり人数分の備品を揃えたりする必要がありません。

リモートワークの失敗例1:コミュニケーションがとれない

ここまで、リモートワークのメリットについて紹介してきました。しかし、リモートワークはただ導入すればよいというわけではありません。導入する際には、あらかじめ十分な準備をしておかなければ失敗してしまうケースもあります。ここからは、リモートワークにありがちな失敗の例を紹介していきます。

リモートワークの導入でもっともよくある失敗例は、従業員同士のコミュニケーション不足です。リモートワークでは、各従業員は離れたところで仕事をします。そのため、電話やメールなどを活用して連絡を取り合うことになるでしょう。もちろん電話やメールでも会話は可能ですが、対面でのコミュニケーションにかなうものではありません。従業員同士が顔を見て話をする環境では、表情や仕草からも無意識のうちにさまざまな情報を汲み取っているものです。コミュニケーションを甘くみたままでリモートワークを導入すると、職場の雰囲気が悪くなったり、これまでスムーズにできていた業務の効率が落ちたりといったことが起こる場合があります。

リモートワークを導入するなら、十分なコミュニケーションがとれないという課題について、最初に対策を行ったほうがよいでしょう。コミュニケーションの重要性を従業員に繰り返し説明するなどして、積極的に会話をするよう呼びかける必要があります。また、会話を促進できるようなITツールをあわせて導入することも有効です。近年では、ビデオ会議によって離れた場所にいる従業員同士が顔を合わせられるようにしたり、チャットツールで気軽に会話できるようにしたりといった取り組みを行う企業も増えています。コミュニケーションを活性化させる効果が期待できるため、こうしたツールの導入を検討してみるとよいでしょう。

リモートワークの失敗例2:社員同士の情報共有が難しい

コミュニケーションは活発に行われていても、肝心の情報共有がうまくいかないために業務に支障が出てしまうケースもあります。これは、情報伝達のタイムラグが大きかったり、そもそも共有すべき情報がどれなのかが不明瞭だったりする場合に起こる問題です。各従業員が同じ職場にいる場合は、何気ないコミュニケーションが頻繁に行われます。休憩時間中のほんの少しの会話の中でも、案外重要な情報を交換しているものです。こういった会話は、普段から情報を共有しようと意識して行われているわけではありません。そのため、リモートワークになると本来なら伝えるべき情報があっても、伝える機会を失ってしまうのです。

一部の従業員のみがリモートワークを行なっている場合は、情報の格差が生じてしまい、リモートワークの社員の中に疎外感が広がってしまうリスクもあります。このようなリスクを避けるには、共有すべき情報は個々のコミュニケーションだけに頼って伝えようとせず、全員がアクセスできる場所に蓄積しておくようにするとよいでしょう。例えば、業務に必要なマニュアルなどはしかるべき場所に保存して、いつでも誰でも閲覧できるようにしておきます。マニュアルに何か更新があったときは、新着情報などの形でタイムリーに伝達できるようにしましょう。

リモートワークの失敗例3:作業の進捗状況が把握しにくい

リモートワークで成果をあげていくためには、各自がある程度自律的に働くことが求められます。能力の高い人ほど、自らの頭で考えて効率よく仕事をこなしていこうとするでしょう。しかし、リモートワークでは各従業員が離れたところで仕事をするため、チームワークを発揮することは難しくなります。各自の作業の進捗状況が把握しづらくなるからです。また、上司やリーダーからも現場の状況がみえにくくなるため、メンバー各自が正しい方向に業務を進めているかどうかを確認しにくいという問題もあります。

リモートワークでチームとして高い成果をあげるためには、各自の進捗状況などを上司やリーダーが常に把握できるようにすることが望ましいです。誰のどの仕事がどの程度進んでいるのかが把握できれば、業務内容を軌道修正したり、業務量を再配分したりといった対応がタイムリーに行えます。それには、進捗報告を義務づけるだけでは、なかなかうまくいかないでしょう。効率よく進捗報告ができる仕組みがなければ、リモートワークの従業員の負担が大きくなってしまうためです。簡単にリアルタイムで進捗状況を共有できるようにするために、進捗管理やタスク管理の機能を備えたツールを導入するのがよいでしょう。

リモートワークに便利なおすすめツール1:Stock

リモートワークでのコミュニケーションや情報共有、進捗管理は、従業員同士が共通のツールを使うことで改善する可能性があります。ここからは、そのために役立つツールを紹介していきます。いずれもインターネットを用いたサービスなので、社内からもリモート環境からも同じように利用可能です。業務で使うことを想定したツールばかりですので、セキュリティ面もきちんと考えられています。

最初に紹介するのは、情報共有で力を発揮する「Stock(ストック)」というサービスです。通常は、チャットツールを導入すれば、業務マニュアルやプレゼン資料などの各種ファイルの共有を手軽に行えるようになります。一方、チャット機能にばかり頼ってしまうと大事な情報がタイムラインを流れていってしまい、あとからファイルを探すのが難しい状況に陥ってしまうこともあります。このような問題を解決できるのがStockです。ファイルを蓄積・管理する機能があるため、大事な書類をいつでも素早く探し出せるようになります。

わかりやすさもStockの特徴のひとつです。ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でファイルの登録ができるので、ITツールに不慣れな人でも少しの練習で十分使いこなせるようになるでしょう。また、使いやすいタスク管理機能も備えており、リモートワークの従業員が手軽に進捗状況を報告できるので、上司やリーダーはチーム全体の進捗を管理しやすくなります。一部の情報にのみアクセスを許された、ゲストユーザーを管理できるのも便利です。この機能を積極的に使えば、一時的にチームに加わる社外メンバーやアルバイトとの情報共有もはかどるでしょう。

リモートワークに便利なおすすめツール2:Evernote

「Evernote(エバーノート)」は、ノートをとることに特化したツールです。テキストはもちろん画像や音声といったさまざまな形式のデータを、1冊のノートにまとめて保管することができます。Evernoteには個人向けのプランがあるので、すでに利用しているという人も多いかもしれません。法人向けのプランでは、「スペース」と呼ばれる共同作業のための空間を用意できるのが特徴です。スペースの中に保存されたノートはすべて、スペースに参加しているメンバーなら誰でも閲覧できるので、社内の情報共有に便利です。

Evernoteには、印刷された書類や名刺などをスキャンして、ペーパーレス化を進めるための機能もあります。これまで紙で管理していたマニュアル類を電子化してスペースに保管すれば、リモート環境からも閲覧可能です。また、チェックリスト形式のノートを作る機能も備えています。テキストの先頭にチェックマークをつけていくだけのシンプルなものですが、簡単なタスク管理としても使えるでしょう。

リモートワークに便利なおすすめツール3:Slack

「Slack(スラック)」は、チャット機能を中心とした情報共有ツールです。企業や組織ごとに作業スペースが割り当てられるため、しっかりとしたユーザー管理を行えるのが特徴です。さまざまな外部サービスとの連携を柔軟に行うことができ、複数のサービスをつなぎ合わせて活用するための中心的な役割を担うことができます。うまく設定すれば高度なワークフローを構築できることから、IT関連企業を中心に早くから注目を集めていましたが、2017年11月にユーザーインターフェイスが日本語対応してからは、さらに多くの企業で利用されるようになりました。

Slackでは、チームやプロジェクトごとに「チャンネル」と呼ばれる作業空間を用意することで、チャットのタイムラインを目的別に分けることができます。チャットには業務で使う書類などを添付ファイルとして自由に登録することが可能です。登録されたファイルは一覧表示や検索で見つけやすくなっているため、情報の蓄積と共有を行うのにも便利でしょう。また、任意の画像をアイコン(絵文字)として登録できるので、社内でのみ使われている独自の記号などを用いたコミュニケーションもチャット上で行えます。特定のメッセージに自動的に応答する「ボット」と呼ばれる機能も特徴的です。

リモートワークに便利なおすすめツール4:ChatWork

「Chatwork(チャットワーク)」も、Slackと同様にチャットを中心としたツールです。Chatworkでなければできないということは多くありませんが、仕事で簡単に使えるようにシンプルに作られているのが特徴です。使い方がわかりやすいユーザーインターフェイスになっているので、すぐにチャットによるコミュニケーションをはじめられます。複数のメンバーで会話ができるグループチャット機能や、画像や書類などを手軽にアップロードできる添付機能も備えています。グループチャットに書き込みがあったときには画面上での通知やメールなどで知らせてくれるので、必要な情報を逃してしまうことはないでしょう。また、グループチャットのメンバー間で仕事の予定を共有できるタスク管理機能や、顔を合わせて話ができるビデオ通話機能も利用できます。

使いやすいといっても、チャットツール自体がはじめての人は少し戸惑ってしまうかもしれません。Chatworkにはメンバーが自分だけの「マイチャット」が最初から備えられているので、慣れないうちはここで入力の練習をするとよいでしょう。慣れてくれば、マイチャットは自分専用のメモやタスクを入れておく場所として便利に活用できるようになります。

まとめ

リモートワークは、労働者にはもちろん、企業側にとっても優秀な人材を確保しやすいなどの多くのメリットがある働き方です。一方で、コミュニケーション不足になったり、情報共有や進捗管理が思うようにいかなかったりというような状況に陥りやすい面もあります。しかし、リモートワークでのチーム業務を助ける便利なツールを使えば、このような問題は回避できます。よくある失敗例を参考にしながら事前によく準備を整え、リモートワークの導入を成功させましょう。

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