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リモートワークが中小企業の人材難を救う?会社へのメリットとは

少子高齢化が進む日本において、解決すべき大きな社会問題のひとつといわれているのが労働力不足です。とりわけ中小企業では、会社の中心となる人材の不足がより深刻化しているといわれています。会社が人手不足という問題を抱えていると、安定した事業を続けるのは難しいものです。とはいうものの、多くの中小企業は大企業と同じように採用のために大きな予算をかけることなど、なかなかできない状況でしょう。そこで、そうした労働力不足を解決する方法のひとつとして注目されているのがリモートワークです。今回は、なぜリモートワークを導入することが中小企業の人材不足解決の手段になるのかという理由と、採用面以外でリモートワークを導入するメリットについて詳しく説明します。

中小企業の人手不足が止まらない

中小企業庁が発表した中小企業白書によれば、2013年以降2017年まで、中小企業では「人手が足りている」と答えた企業よりも「不足している」と答えた企業の方が上回っている、という状況が続いています。とりわけ建設業やサービス業において人口不足が顕著に見られ、規模の小さい企業ほど人材の未充足率が高くなっています。また、製造業と非製造業を比較すると、非製造業の方が製造業よりもより未充足率が高くなっています。

その原因としてまず考えられるのが、少子高齢化による人口の減少です。高齢者が増加して出生率が下がっているのですから、労働人口自体もまた減少していると考えるのが自然かもしれません。しかし、企業の中には人手が充分足りており、募集をかければすぐに何人も応募があるというところもあるのです。一概に労働者の数が減っているから人手不足になっている、とはいえないのです。

また、厚生労働省が発表した労働力人口の調査によれば、日本の労働力人口は1990年よりも2000年の方が多く、2010年は2000年より少し少なくなっているものの、1990年当時よりも多くなっているのです。これは、主婦層やリタイア層といった、それまで労働人口から外れていた人材が多く仕事を求めていることを表しています。そういったことを考えると、実際に人手が足りていないと感じている企業において起こっているのは、労働者と採用したい企業との間でマッチングが上手くいっていない、ということだという面もあるでしょう。

つまり、現状、労働者を採用したい企業、とりわけ中小企業にとっての問題は労働人口の減少それ自体ではないのです。むしろ、中小企業は大企業のように採用コストを多くかけられないということと、労働者の希望する働き方に応えられないために優秀な人材を確保できなくなっている、ということが人手不足につながっている面もあるのです。こうした問題を改善する方法のひとつとして注目されているのが、リモートワークです。

リモートワークには4つの種類がある

リモートワークとは、社員が会社の外で働くことを指します。ロングマンのビジネス辞典では「従業員が、職場にあるシステムに接続されたコンピューターを使用しながら、自宅から会社のために働く状況」と定義しています。リモートワークは在宅ワークやテレワークと混同されがちですが、厳密には違うものです。たとえば、在宅ワークは自宅で働くことを意味しますが、リモートワークは働く場所が自宅とは限りません。そこがどこであれ、会社とは離れたところで仕事をするのがリモートワークです。また、テレワークの場合には個人事業主が契約先のクライアントから離れた場所で仕事をする、という意味も含まれます。しかし通常、リモートワークは会社が雇用している社員の働き方を意味します。

リモートワークの働き方は、大きく4つに分類されます。まずは、フルタイム・リモートワークです。これは企業に正規雇用されている社員が、勤務時間の100%を在宅など社外で勤務することです。リモートワーカーの社員として、企業に正規雇用される形態です。その一方、企業に正規雇用されている社員が週の何日かをメインのオフィスで働き、それ以外の日には在宅などで勤務する場合、ハイブリット・リモートワークと呼びます。また、リモートワークで勤務する社員が正規雇用ではない外部契約である場合は、リモート・アウトソースと呼びます。会社の仕事を在宅のアルバイトや派遣社員などに委託する形式です。

そのほか、オンラインミーティングなどのように一時的に短い時間、在宅などでで業務を行う場合はテンポラリー・リモートワークと呼びます。それぞれの形態にはメリットとデメリットがあります。自分の会社に合ったリモートワークを導入することが、優秀な人材確保の鍵となるでしょう。

リモートワークが人材難を救える理由1.全国から雇用できる

リモートワークは会社から離れた場所で仕事をする働き方です。そのため、フルタイム・リモートワーカーであれば、そもそも通勤する必要がありません。ということは、会社の近くに住んでいない人も雇用できるということです。つまり、フルタイム・リモートワーカーは全国規模で採用が可能なのです。会社の近辺からのみ就職希望者を募るよりも、全国各地から募った方がより多くの希望者を集めることができます。

就職希望者の分母を増やせば、それだけ求める人材と出会いやすくなる、というわけです。とりわけ都会と比べて労働者人口が少ない地方の会社の場合にはメリットが大きいといえるでしょう。面接や採用試験もオンラインのテレビ会議を活用すれば、会社から離れた場所に住む就職希望者に負担をかけることもありません。また、面接や採用試験を行う会社にとっても低コストで手間がかかりません。

リモートワークが人材難を救える理由2.社員の流出を防げる

リモートワークを導入することで、転職や離職といった社員の流出を防ぐことができます。なぜなら、リモートワークであれば社員それぞれのライフステージやライフスタイルに合わせた働き方が可能だからです。通常の働き方であれば、育児や介護などを理由に毎日出社することが困難な社員は離職するか、よりフレキシブルに働ける別の会社を探すしかありません。そういった社員を引き止めるのにリモートワークの導入は有効です。女性や高年齢の社員比率が高いという会社はどうしても離職率が高くなりがちです。そのため、仕事の効率がなかなか上がらない、といったジレンマを抱えている会社も多いでしょう。そういった会社にとって、リモートワークの導入は問題解決の有効な手段のひとつとなるでしょう。

リモートワークが人材難を救える理由3.就職希望者を増やせる

リモートワークは2000年代になってから注目を集めている働き方です。インターネットの普及によって実現可能となった新しい働き方のため、導入している中小企業はまだ多くありません。ということは、早めに導入すればそれだけ先進的な企業である、というイメージを就職希望者に与えることができます。企業のイメージアップは新たな就職希望者の獲得チャンスにもつながります。とりわけ若い世代に強くアピールすることができるでしょう。より多くの人材を獲得できれば、それだけ会社としてのアウトプットが上がり、業績の向上にもつながります。業績が向上することで、さらに就職希望者を獲得できるというサイクルが回り始めるわけです。

採用チャンスがある人材1.主婦層

リモートワークの導入によって雇用を発掘できる人材として、まず挙げられるのは主婦層です。前の仕事を育児や介護などを理由に離職した主婦の中には、大手企業の経験者も多くいます。そうした主婦層の中には、外に出て働くのは難しくても在宅ならば可能だという人や、通常の社員のようにフルタイムで働くことは難しくても1日数時間程度であれば働ける、という人が多いのです。そうした主婦層にとってはフルタイム勤務の正社員よりも、リモートワーカーであることの方がより魅力的な働き方です。リモートワークを導入すれば、家庭の事情で転職や離職せざるを得なかった優秀な人材を集めることができるでしょう。働ける時間は短くてもしっかりとした仕事ができる、そういった人材と出会えるチャンスがあるのです。

採用チャンスがある人材2.マネジメント層

リモートワークはマネジメント層の発掘にもつながります。中小企業の中でもとりわけ人材が不足している、といわれているのがリーダーやマネージャーといったマネジメント層です。そういった仕事をこなすためには、ただ優秀であるだけでは足りません。社会人として、また、その会社が属する業界で豊富な経験と実績を有していることが条件です。とはいうものの、中小企業の場合にはそうした人材と出会うことはなかなか難しいというのが実状です。リモートワークであれば、かつて大手企業で管理職を経験したことのあるリタイア層やシニア層といった高齢者の雇用が期待できます。マネジメントができる高齢者の中には、現役の頃のようにバリバリと長時間働くことはできなくても、まだまだ働きたいという人が多いからです。リモートワークの導入は、そういった人材の発掘にも大きな効果をもたらすでしょう。

採用チャンスがある人材3.スペシャリスト

地方の中小企業にとっては、スペシャリストも採用チャンスの少ない人材です。高度な専門知識や専門技術を持った人材は、どうしても地方より都会に多く住んでいるからです。しかし、リモートワークを導入すれば都会に住むスペシャリストの雇用促進につながります。とりわけリモートワークと相性が良いのは、ウェブデザインやプログラミングといったIT関係の専門職です。そういった仕事はわざわざ出勤する必要がないものが多いからです。そのため、在宅勤務を希望しているIT関連のスペシャリストも多く存在します。リモートワークを導入すれば、そういったウェブやプログラミングなどの先進的なIT技術を持つスペシャリストに出会えるチャンスが高まります。専門的で新しい知識や技術が導入されることで、会社にイノベーションが起きることも期待できるでしょう。

人材獲得以外のメリットも多い

リモートワークの導入は、中小企業にとって人材獲得以外にも多くのメリットがあります。まず挙げられるのは、経費の削減です。新規採用をする場合にも、会場の準備などでどうしてもある程度のコストがかかります。しかしリモートワークなら応募受付や面接など、すべてをネット上でできるため、より少ないコストで求人募集ができるのです。採用後に交通費を支払う必要もありません。

さらに、すでに会社で働いている社員がハイブリッド・リモートワーカーとして働くようになれば、オフィスにある椅子や机のような備品を減らせるようになります。ハイブリット・リモートワーカー同士で椅子や机をシェアすればいいからです。そうすると、より小さなオフィスに移転できるようになります。小規模なオフィスに移転すれば、経費の中でも大きな比重を占めるテナント代を削減できるでしょう。

さらに、リモートワークの導入はリスクの分散にもつながります。常時社員がオフィスに集結していない状態であれば、大きな災害に遭遇しても全員が被害に遭わなくてすむからです。大地震のような震災でなくても、台風や大雪といった悪天候で交通機関が麻痺してしまい、社員が始業時間に集まらないということは頻繁に起こります。そうした場合でも、リモートワークの体制作りができていれば必要に応じて社員を自宅作業に切り替えることができるでしょう。そうして社員の安全を優先しながら事業を継続することができるというわけです。

また、リモートワークを導入することで会社が生まれ変わるきっかけになった、という企業も多いです。リモートワークを実施するためには、ビジネスチャットやテレビ会議ツールを導入したり、業務を電子化したりする必要があります。これらの設備の導入により、より時代に合わせた会社の経営ができるようになります。最新設備の導入で新しい空気を社内に吹き込むことができるでしょう。

そのほか、ワークライフバランスの改善も見逃せないメリットです。リモートワークの導入によって、社員はより自分のライフスタイルやライフステージに合った働き方ができるようになります。自分に合った働き方ができるということは、健康状態や精神状態を健全に保つために重要なポイントです。病欠する社員や長期休業する社員を減らすことにもつながるでしょう。そうして社内の労働状況が改善されれば、より生産性が上がります。

まとめ

リモートワークは時代に合った新しい働き方として、大企業やベンチャー企業でも多く導入されています。人手不足に悩んでいる、という中小企業の中には、新しい人材がほしいけれども採用活動をする余裕がない、という会社も多いでしょう。そのような会社にとって、リモートワークの導入は新たな活路を開くきっかけになるかもしれません。また、リモートワークは人材不足の解消以外にもさまざまなメリットがあります。まずは社外のプロなどに相談して、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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