リモートワークを安易に導入するとデメリットも!?対策も紹介
新たな採用チャンスの拡大や成果に対する可視化などが期待できる「リモートワーク」は、大きな注目を集めています。リモートワークとは、その名の通り従業員がオフィスに通わず、自宅やコワーキングスペースなどの社外で働くスタイルのことです。リモートワークを導入するとさまざまなメリットがあるため、導入を検討している企業も多く見られます。
しかし、リモートワークにはメリットがある一方で、デメリットも存在します。安易にリモートワークを導入すると、「こんな予定ではなかった」と後悔するおそれがあるので注意が必要です。リモートワークを導入するときのポイントをきちんと把握し、スムーズな導入を目指しましょう。ここでは、リモートワークを導入するデメリットとその対策について紹介します。
リモートワークの導入方法は十分に検討!デメリットを回避しよう
IT技術の進化によって働き方は多様化しています。働き方改革が推進されている背景もあり、リモートワークなどの新たな働き方は、着実に社会に広がりつつあるのです。職場以外の場所でも仕事ができたり、通勤にあてる時間を仕事に費やせたりするなど、リモートワークには多くのメリットがあります。
しかし、このようなメリットがある反面、それに伴って発生するデメリットもあるため注意が必要です。リモートワークはIT機器さえあれば始められると考えて安易に導入してしまうと、後々思わぬトラブルを引き起こすおそれがあります。リモートワーク導入のメリットを十分に得るためにも、考えられるデメリットへの対処法をきちんと把握しておくことが大切です。
コミュニケーション不足になる可能性!ツールで解消を図ろう
リモートワークのデメリットとして、まず挙げられるのが「コミュニケーション不足」の問題です。オフィスに通勤して働いている場合、同僚や上司など職場の人と顔を合わせて、コミュニケーションを取りながら仕事をするのが一般的です。一方、リモートワークの場合はオフィスに通勤する必要がなく、自宅などでほかの従業員と顔を合わせずに仕事をすることになります。職場に行かず、ほかの従業員と顔を合わせる機会がないと、コミュニケーション不足になるおそれがあるため注意が必要です。
こうしたリモートワークにおけるコミュニケーション不足の問題を解決するには、テレビ会議などのコミュニケーションツールを活用するのも良い手です。ツールを通じて関わりを持つことで、コミュニケーション不足をカバーできます。また、業務内容に合わせて定期的に集まるようにするなど、必要に応じて工夫をすることも大切です。定期的に顔を合わせて意見交換を行う場を作ることで、リモートワーカーが安心して働きやすい環境を作れます。
長時間労働になりやすいデメリットも!メリハリのある時間管理を
会社に通勤せずに仕事ができるのは、リモートワークの大きな魅力です。その反面、リモートワークは「長時間労働になりやすい」というデメリットがあります。リモートワークは仕事に費やす時間を自分である程度コントロールできるため、「業務を怠るのではないか」と考える企業も少なくありません。しかし、実際にはリモートワークは仕事とプライベートの線引きが難しいため、労働時間が長くなる傾向にあるといわれています。
なかには、オフィスで仕事をしている姿をほかの従業員に見せられないことから、「自分は社外でもきちんと仕事をしている」という証明のため、仕事に多大な時間を費やしてしまうケースもみられます。やるべき仕事が終わっているのに、空き時間を使ってほかの仕事を進めてしまうようなリモートワーカーは、ワークライフバランスを崩しやすいため注意が必要です。リモートワークを上手に取り入れるには、仕事の時間と休む時間の区別・管理を意識的に行うことが重要です。
パソコンでの作業は業務上どうしても必要になるケースも多く、長時間座りっぱなしになってしまうこともあるでしょう。ただ、長くパソコンに向かっていると肩・背中・手首などに疲労が出てしまうおそれがあるため、こうした面も要注意です。さらに、パソコンを使う際に照明が明るすぎたり、反対に暗すぎたりする場合、目の疲れや緊張を引き起こしてしまうリスクもあります。パソコンが健康面におよぼすリスクをきちんと考慮し、適切な時間配分を意識して働くことが大切です。
仕事への不安を感じやすいデメリット!確認をしっかり行う
コミュニケーション不足や長時間勤務などの問題に加えて、「仕事への不安を感じやすい」のもリモートワークのデメリットといえます。業務上何かわからないことがあったとき、オフィスで働いていればすぐに確認ができます。しかし、リモートワークはオフィスではなく社外で働いているため、確認に時間がかかってしまう可能性があるのです。コミュニケーションツールを活用して密に連絡を取り合う努力をしていても、ときにはタイムラグが発生し、聞きたいことがすぐに確認できない場合があります。
そうなると、確認すべきポイントが不十分なまま仕事を進めてしまい、業務上のトラブルを招いてしまうおそれがあるため、注意が必要です。このようなデメリットを回避するためには、仕事を始める前に必ず疑問点を解消しておくのが肝心です。ポイントをしっかりと押さえたうえで、業務を開始するようにしましょう。
勤務評価が難しいデメリットも!明確な基準を設けよう
実際に仕事をしている姿が見えないことから、リモートワークは「勤務評価を公平にするのが難しい」という問題点があります。リモートワークは時間・場所にとらわれずに働くスタイルなので、勤務時間による評価がつけられないのです。そのため、リモートワークはどうしても「仕事の成果」を基準に評価をつけることになります。しかし、成果の定義がきちんと定まっていないと、何を基準にして評価すべきかわからなくなってしまいます。成果の定義があいまいだと、正当な評価がつけられないおそれがあるため要注意です。
勤務評価が難しいという問題は、「企業側で明確な基準を決めておく」ことが対策として挙げられます。企業側で十分に話し合いを行い、明確な基準を決めて、従業員に伝えておきましょう。評価の基準を考えるには、「目標管理制度」を取り入れるのも一案です。目標管理制度とは、上司と部下とで職務目標について話し合い、達成状況に応じて評価をするというものです。話し合いの時期を決めておき、そのときに達成状況の確認や目標の見直しなどを行うと、正当な評価をつけたり業務の方向性を確認したりするのに役立ちます。
情報漏えいのリスクへの対処法!具体的なセキュリティルールを
IT化が進む現代において、企業が注意しなければならないのが「情報漏えい」です。リモートワークは情報を社外に持ち出すことになるため、どうしても情報漏えいのリスクが伴います。きちんとセキュリティ対策をしていない場合、情報漏えいのリスクが高まるため注意が必要です。情報漏えいのリスクを回避するには、「セキュリティに関する意識を高める」必要があります。情報の取り扱いや機器の管理など、基本的なセキュリティ知識について研修を行いましょう。
特に、リモートワークは社外で仕事を行うことになるため、データの持ち出しやSNSの利用などに関しても、しっかりと指導する必要があります。また、情報漏えいを避けるためには、セキュリティに関する方針および行動指針をまとめた「セキュリティポリシー」を定めることも重要です。セキュリティポリシーを定めることで、組織としてのセキュリティレベルの統一化が目指せます。
仕事の環境を整える手間がかかるデメリット!乗り越えれば効率化できる
仕事をするための「環境を整える大変さ」があるのも、リモートワークのデメリットです。リモートワークへ移行する場合、業務の内容・種類などを可視化するため、「業務の棚卸し」をする必要があります。また、リモートワークをするうえで欠かせない、チャットなどのITツールを導入するなど、はじめは何かと手間がかかってしまいがちです。しかし、一つずつ着実に準備を進めることで、結果的には業務がよりスムーズになり、生産性を高めることができます。
リモートワークのデメリットに対処できるツールを紹介!
リモートワークを導入するには、情報の共有方法やコミュニケーションのとり方など、さまざまな課題があります。こうした課題への対処に役立つのが、ツールの活用です。課題への対処に役立つツールは、大きく分けて「チャットツール」「オンラインテレビ会議システム」「クラウド型の勤怠管理システム」の3つが挙げられます。チャットツールはリモートワーカーとのコミュニケーションをとるうえで役立つツールです。ビジネス向けのチャットツールを導入することで、簡単に連絡を取りやすくなります。
ビジネス向けのチャットツールとしては、「chatwork」「slack」などが高い人気があります。chatworkは誰でも簡単に使いやすい操作性が特徴の一つです。その使いやすさから、さまざまな組織・団体がchatworkを導入しています。chatworkには、「タスク管理機能」が備わっていることも特徴の一つです。タスク管理機能を活用することで、チャットをしながらタスクの作成や管理が行えます。連絡とタスク管理のツールを別々に使わなくても、chatworkなら1つのサービスで完結することができます。
slackはアメリカ発のビジネス向けチャットツールです。シンプルで直感的に使用できるデザインになっています。slackの特徴は、外部サービスとの連携に優れているという点です。たとえば、カレンダーアプリと連携し、登録したイベントの日付が近付くと、slackに連絡が届くように設定するなどの使い方ができます。さまざまなサービスやアプリとの連携が可能なので、自身のビジネススタイルに合うよう、自由にカスタマイズできるのが大きな魅力です。
オンラインテレビ会議システムは、会議のような感覚で顔を合わせたり、情報を共有したりしたいときに便利なツールです。オンラインテレビ会議システムとしては、「zoomミーティング」「skype」などが人気を集めています。zoomミーティングは高品質の映像と音声で、オンライン会議に参加できる仕組みです。画像共有などの基本的な機能だけではなく、ホワイトボード機能により共同注釈を追加できるなど、豊富な機能により業務の効率化が期待できます。
skypeはテレビ会議・音声通話・チャットなど、リモートワークに欠かせないあらゆる機能が備わっています。また、skypeにはビジネス向けに、月額制のビジネスプランが用意されているのが特徴です。ビジネスプランは機密情報の漏えいを防ぐためのセキュリティ対策が万全です。大切な情報をしっかりと守りたいという企業も、安心して利用できます。
クラウド型の勤怠管理システムは、リモートワーカーのように社外で働いている人の労務・勤怠を管理するのに便利なツールです。広く知られているものには、「SmartHR」「ジョブカン労務管理」などがあります。SmartHRは、人事・労務のさまざまな手続きをサポートしてくれるシステムです。従業員に直接情報を入力してもらい、その情報をもとに、各種書類を自動作成できるという仕組みです。
情報の収集や入力作業、また書類作成における手間を大幅に短縮できるため、人事・労務担当者の負担を大幅に軽減できます。ジョブカン労務管理は、従業員情報を一元管理し、入社時・退社時などに必要な書類を自動作成できるのが特徴です。従業員がアカウントを所持し、各自手続きを進めるという仕組みになっています。手続きがどこまで済んでいるのか、簡単に状況確認を行えるのも魅力です。
企業がリモートワークで配慮すべきポイントを押さえよう!
企業がリモートワークにおいて配慮すべきポイントには、「労働者の不安軽減」や「明確なルールを決める」ことなどが挙げられます。
リモートワーカーはオフィスで直接顔を合わせて仕事を進めるわけではないため、従業員はコミュニケーション不足や勤務評価など、何かと不安を感じることも多いものです。こうした不安を解消するためには、企業がこまめにメッセージを発信することが重要になります。定期的にメッセージを送ることで、リモートワーカーの不安を軽減させられます。
また、企業側と従業員側の双方が安心して仕事を進めるには、リモートワークの明確なルールを決めておくのが肝心です。具体的には、評価の基準を含めて「労働時間」「労災」「各種手当て」などのルールについて、きちんと決めておく必要があります。ルールが決まったら、就業規則などに内容をしっかりと反映させましょう。
デメリットへの対策を万全にしてリモートワークを始めるには?
デメリットへの対策を万全にしてリモートワークを始めるには、「リモートワーク情報サイトへ登録する」のも良い手です。リモートワーク情報サイトへ登録を行うと、不安な点を相談しながら導入を進めることができます。リモートワークの導入に対して不安がある場合は、こちらへの登録を検討すると良いでしょう。
まとめ
新しい働き方であるリモートワークは、企業にとって多くのメリットもあれば、いくつかのデメリットもあります。メリット・デメリットの両方を理解し、デメリットを回避するための対策をきちんと把握しておくのが肝心です。リモートワークの導入を成功させるためにも、対策を怠らないようにしましょう。