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リモートワークとは?企業側のメリットやクリアしておきたい課題

地方で会社を営んでる経営者にとって、悩みの種のひとつになっていることが、会社にマッチした人材が不足しているということです。地方での人材確保は、入社してもすぐに退職してしまったり会社が求めているような人材ではなかったりなど、さまざまな問題点があります。そんな悩みを解決するために地方の中小企業では、リモートワークを導入し遠隔で仕事を任せることができる人材を探す、ということも増えているのです。

リモートワークという言葉に馴染みがなく、いったいどういった働きかたなのか、わからないという人もいるでしょう。ここでは、リモートワークとはどのようなものなのか、そのメリットと導入前にクリアしておくべき課題などを説明します。

リモートワークとはどのような働き方を表しているのか

「リモートワーク」という言葉に馴染みがない人でも、在宅勤務やテレワークといった言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか。オフィスへ通勤し業務をする形態ではない、という点では同じ種類の働きかたです。しかし、リモートワークは、複数の権威ある辞典により、さまざまに定義づけされています。イギリスのケンブリッジ辞典では、「従業員が自宅を主として働き、Eメールや電話を使って企業とコミュニケーションを取る状況」とのことです。また、歴史あるロングマンのビジネス辞典では、「従業員が、職場にあるシステムに接続されたコンピューターを使用しながら、自宅から会社のために働く状況」としています。

これらの定義をまとめるとリモートワークとは、従業員がメールや電話を利用してオフィスと連携しながら、自宅で仕事をする働きかたということです。そして、リモートワークの働きかたは条件によって4つのレベルに分けられ、それぞれ雇用形態や勤務形態に違いがあります。以下で、その4つのレベルについて紹介します。

「ハイブリッド・リモートワーク」は、企業から正規に雇用されている正社員が1週間のうち数日間をオフィスで働き、他の日は自宅などで働く形態です。オフィスへも出勤するので、会議や打ち合わせなどの対面業務はスムーズに行うことができます。「フルタイム・リモートワーク」は、企業から正規に雇用されている正社員が、常に自宅などのオフィスから離れた場所で働く形態です。業務は常時リモートワークなので、打ち合わせなどもメールやチャットツールを利用することになります。

以上の2つのレベルでは、正規に雇用されている正社員がリモートワークを行う形態です。

「リモート・アウトソース」は、常に自宅などのオフィスから離れた場所で働きますが、働く人は正社員ではなく外部委託者というケースです。この形態のリモートワークは、日本では急速に従事者が増加しています。

「テンポラリー・リモートワーク」は、オンラインミーティングなどで短い時間のみ、会社から離れた場所で仕事をする形態です。テンポラリーとは、「一時の、臨時の」という意味で、一時的に業務を遠隔で行うものです。例えば子供の病気の際に自宅で看病しながら業務を行いたい、など、突発的な状況にも対応できるのがメリットです。

このように、リモートワークを4つの形態レベルで見てみると、リモートワークの働きかたを理解しやすくなるでしょう。

リモートワークのメリット1:業務の生産性が向上する

リモートワークのメリットとして、業務の生産性が向上するということが挙げられます。まず、オフィス内での勤務のように突発的な打ち合わせや会議が入ることが少ないので、業務のスケジュールが管理しやすいということです。オフィスで仕事をしていると、全体での定期的な会議や、関係性が薄い打ち合わせなどに同席させられることもあります。予定外の業務が入ってしまうと、予定していた業務を行うことができなかったり、集中できなかったりするものです。しかし、リモートワークでは、その日の業務を自宅などで時間を決めて行うことができるので、時間の管理が容易になります。

また、オフィスで仕事をしていると、同僚との世間話などで仕事の時間を無駄にしてしまうこともあります。オフィスでの世間話が企業を成長させるわけではありませんので、世間話などで業務が進まないことは生産性を悪くする原因となる場合が多くなります。リモートワークでは、自分で管理したスケジュールに沿って仕事に集中できるため、効率よく作業を進めることができ作業効率がアップします。そして、会社勤めでは勤務後にも上司や同僚との付き合いで、食事に行ったり飲みに行ったりと、さまざまなことがあるものです。たまに付き合う程度なら問題ありませんが、その回数が多いと翌日の業務に影響が出てしまうこともあります。こういった環境からも距離を置くことができるので、仕事に集中できるようになり業務の生産性を向上させることができるのです。

リモートワークのメリット2:優秀な人材確保が可能になる

地方の中小企業において、人材不足の問題で頭を悩ませているのは、企業にマッチした能力がある優秀な人材確保が難しいということです。オフィスに通って仕事を行う一般的な業務形態では、そのオフィスがある地域で人材を確保する必要があります。そうすると、必ずしも会社が求めている能力がある人材だけを確保できるとは限らないのです。人手が足りないからといって、会社にマッチしない人材を多く雇用しても、生産性を向上することは困難であり、人件費が無駄になってしまいます。

しかし、リモートワークでは、採用候補者を遠隔地の居住者にも広げられるため、地方では少ないスペシャリストを探すことができるのです。地域を限らず採用できるので、企業にマッチした優秀で経験豊富なマネージャーやリーダー候補を確保するチャンスが増えます。また、人材不足で問題になっているのが、すぐに会社を辞めてしまう社員の問題です。理由としては、さまざなことがいわれてはいますが、居住地や通勤時間の問題による離職も多くあります。リモートワークなら、自宅などからの遠隔業務なので、そういった理由での離職を防ぐことができるのです。

また、せっかく雇用することができた優秀な社員が、職場での人間関係などに悩み離職してしまうこともあります。そういったリスクを減らせることも、遠隔業務のリモートワークで優秀な人材を確保できる要因の一つになっています。

リモートワークのメリット3:経営にかかるコストを削減できる

オフィスで働く形態では、さまざまなコストが発生しますが、リモートワークを導入することで経営にかかるコストを削減できることがあります。まず、社員がオフィスで業務を行わないため、デスクなどの業務に必要な備品の数を減らすことが可能です。それに伴い、オフィス面積も縮小することができますので、家賃などの経費も減らすこともできます。そして、オフィスに人が少ないと、電気代や水道代などの光熱費などの固定費コストも削減できるのです。社員の数だけパソコンなどの機器が必要になるので、リモートワークを導入することで電気代なども削減することができます。

また、企業にとって大きなコストといえるのが、社員全員に支給する交通費です。交通の便が悪い地域では、車やバイクなどの通勤となり燃料費として支給している企業もあるでしょう。しかし、リモートワークでは、通勤にかかる費用の支払いがなくなり、交通費にかかるコストを減らすことができるのです。また、社員の出勤中による事故などのトラブルを減らすこともできるので、突発的な補償などにかかるコストを削減することもできます。

リモートワークは、遠隔で仕事をするという働きやすさから、社員が定着しやすい勤務形態です。そのため、離職などの原因による新しい人材を採用するというコストも減少させることができます。例えば、すぐに離職してしまう原因として多いのが人間関係です。多くの社員が働くオフィスでは、すべての人が気持ち良く仕事ができる環境にすることは難しいといえます。しかし、リモートワークでは、わずわらしい人間関係を気にすることなく業務に集中できるため、社員が定着しやすい勤務形態であるということです。新しく人材を雇用するには、求人情報を出すことや雇用後の教育などに多くのコストがかかります。企業の離職者が少ないと、そういったコストも削減できるのです。

リモートワークのメリット4:ツールの活用で連携を強化できる

リモートワークを導入する場合、連携をスムーズにするためソフトウェアやツールなどの活用が大切です。こういった面で、リモートワークを支援するものは、企業や業務内容に合ったソフトウェアやツールを利用することです。こうしたツールを利用することで、普段は顔を合わせることなく自宅などで業務をしている社員同士が、ツールを利用しコミュニケーションをとることが可能です。ビデオ通話ができるツールを利用すると、顔を見ながら会話することができるので、表情を読み取り話しの内容が伝わりやすくなります。業務の連絡や質問などは、メールや文字でのチャットでは伝えることが難しいケースがあるでしょう。

また、離席などの理由ですぐに返事がもらえないということもあり、業務を進めることができなくなることもあるでしょう。しかし、ソフトウェアやツールを利用すれば、離席情報が確認することもできるなど、離れていても同じ空間で働いているような一体感が生まれます。例えば、「バーチャルオフィスシステム」というツールでは、仮想空間のオフィスを作り、音声・映像・文字を使ってリアルタイムに連絡がとれるのです。企業としては、リモートワークの社員へは、いつでも連絡が取れる体制にしておきたいのではないでしょうか。こういったツールを活用することで、スムーズに連携を強化し、効率よく業務をこなすことができます。

また、「クラウド型勤怠管理システム」というツールは、リモートワークをしている社員が画面の勤怠ボタンをクリックすると、オフィスへ勤怠報告ができるツールです。これも、企業にとってはリモートワークの社員の勤怠状況を把握し管理するには欠かせないツールになります。このように、さまざまな支援ツールを活用することで、リモートワークの導入が可能となっているのです。

リモートワークのメリット5:企業のイメージアップになる

リモートワークの大きなメリットとしては、企業のイメージをアップさせることができるということもあります。リモートワークを導入すると、「先進的な企業」や「社員を大切にする企業」というイメージにつながります。社員を大切にする企業とは、ワークライフバランスの向上に配慮している企業ということです。豊かな生活を送るための時間確保や、多様な働きかたを選択できることが考慮されているとイメージされるでしょう。悪いイメージを持つ企業とは、残業超過などの重労働でプライベートの時間を確保できないことや、パワハラによる問題などを起こす企業です。こういった企業が増えている社会で、率先してリモートワークを導入している企業は、「社員を大切にする会社なんだな」とイメージされるでしょう。

企業がイメージアップすると、営業活動においても有利に働く可能性もあります。社員を大切にする会社は、「顧客も大切にするはずだ」という良いイメージを持ってもらうことができるでしょう。今の社会では、企業の一部の経営陣や社員が不祥事を起こしただけで、企業全体に大打撃となってしまいます。こういった、企業イメージを大切にすることで、企業の成長へもつながるというわけです。また、企業イメージに加え、働く人にとってもリモートワークはメリットになるため、求人を出した際のエントリー増加などが期待できます。

リモートワークを導入するなら事前にクリアしておきたい課題

リモートワーク導入のため、クリアしておくべき課題があります。リモートワークが、企業にとっても社員にとっても効率の良い業務形態だとしても、リモート先でスムーズに業務ができなければ意味がありません。そのため、社内情報のデジタル化を進める必要があります。オフィスで業務をする場合には、その場で資料やデータをすぐに確認することが可能です。しかし、リモート先からではそうはいかないので、情報をデジタル化しサーバーやクラウドなどで共用化することにより、スムーズに業務を進めることができるようになります。そうした取り組みを進めることにより、社内の情報データ管理を見直す機会にもなるのです。

リモートワークでは業務形態の性質上、書類や資料などを紙でやり取りすることが非常に困難となります。例えば、書類が紙でなければいけないという規定があった場合、わざわざ印刷し郵送する手間と時間がかかってしまうのです。そのため、インターネットを介したやりかたを中心にして、ペーパーレス化を進める必要があります。それにより、印刷用紙やコピー代などのコスト削減にもつなげられるのです。

リモートワークでは、実際に社員が働く様子をオフィスからは把握できません。ですから、やり方によっては、業務の成果でしか社員を評価することができない場合があります。そのため、きちんと時間どおりに業務をしていても「サボっていると思われたくない」と考え、オーバーワークになってしまう社員もいます。こうなってしまうと、社員の豊かな生活を送るための時間確保が実現できません。社員を正しく評価するためにも、リモートワークの導入を検討するなら評価制度の見直しも必要となります。

まとめ

リモートワークを導入すれば、企業側と社員側の双方にさまざまなメリットがあります。リモートワークを導入するためには、環境を整備し課題をしっかりとクリアすることが必要です。そういった必要な情報を事前に集めて、リモートワークの導入を成功させましょう。

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