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テレワーク導入のメリットは?優秀な人材を広く募集できる!

働き方改革が叫ばれる現代において、「テレワーク」という新しい働き方が注目を集めています。テレワークとは、主に自宅などオフィス以外の場所で業務をこなすスタイルのことで、さまざまな情報通信技術を活用して行われるのが特徴です。時間や働く場所にとらわれない自由度の高さからニーズも高まりつつありますが、テレワークを導入する企業側にとっては不安も多いでしょう。新しいスタイルであるがゆえ、制度の概要や生産性への影響などが気になってしまうかもしれません。実は、テレワークには優秀な人材を国内外から採用できるなど多くの魅力があります。今回は、テレワークを導入する流れやポイント、期待できるメリットなどを詳しく解説します。

テレワークの意味を再確認!通信技術を活用して柔軟に働く

テレワーク導入の流れやポイントを見ていく前に、まずはテレワークそのものの意味を確認しておきましょう。テレワークとは、「オフィスから離れて働く」という意味の言葉をもとにつくられた造語です。政府によると、ICTと呼ばれる情報通信技術を活用し、時間や場所などを有効活用する柔軟性のある働き方と定義されています。わざわざオフィスに出社する必要がないため、これまで育児や介護、病気やケガなどで出社が難しかった社員も問題なく仕事を行うことができます。

ただ、自由な時間や場所で働くとなると、企業としては「真面目に働いてくれるのだろうか」と心配になりますよね。逆に、社員にとっても自宅=オフィスとなるため、「休日や深夜まで働かされるのでは」という不安があるでしょう。このような問題点を解決するには、テレワークに適した通信技術を駆使して適切な勤怠管理の方法を導入したり、テレワークに関する社内マニュアルをしっかりと作成したりすることが大切です。そのためにも、テレワーク導入前に制度の概要やメリット、導入の流れなどの基礎知識をしっかりと把握しておきましょう。

テレワークが広がる背景とは?少子高齢化が進む社会に必要

テレワークは単に「どこでも働ける」というだけでなく、さまざまな社会的意義も併せ持っています。たとえば、世界でも例を見ないほど急速に少子高齢化が進む日本では、将来的に労働人口が減少し、生産性が大幅に低下するのではと危惧されています。この状況において、テレワークが持つ多様な働き方に効果が期待されているのです。自由度の高いテレワークであれば、働く意欲がありながら、育児や介護などの諸事情で仕事を諦めていた人でも働くことができます。それに加え、オフィスから離れた土地に住む人材も採用できるため、人手不足を解消しやすくなるでしょう。

また、労働環境の選択肢を広く整備することで、働く人が自分に合った働き方を選択できるというワークライフバランスの実現にも役立っています。ワークライフバランスが向上することで社員のモチベーションも上がり、生産性の向上も期待できるでしょう。このほか、規模の大きい支社を置けない地方でも、テレワークであれば雇用を実現でき、地方の活性化にも効果的です。このようなさまざまな背景やニーズにより、テレワークは現代の日本において広がりつつあります。

テレワークが向いている企業は?IT機器を活用すれば広がる!

働き方改革の一環としてテレワークに注目が集まりつつありますが、実際にどれくらいの企業が導入しているのか気になる人も多いでしょう。2013年に総務省が行ったアンケート調査によると、実際にテレワークを導入して活用している企業は全体の9.3%という結果でした。まだ導入していないものの、具体的な導入予定がある企業は3.3%、導入しておらず具体的な導入予定もないとした企業は87.4%です。企業の規模別に見てみると、資本金が50億円以上の大企業では38.0%が導入しているのに対し、資本金1億円未満の中小企業ではわずか10%以下となっています。

この結果から、大企業であるほどテレワークへの意識や導入実績が高いことがわかります。「大企業でないとテレワークには向いていないのでは」と思いがちですが、決してそんなことはありません。テレワークの向き不向きを決めるのは規模ではなく、むしろ職種や業務内容にポイントがあります。営業など外回りが多い職種や事務職、企画やマーケティングなど自己完結型の職種などは、オフィスでなくても問題なく仕事ができる可能性が高いのです。こういった職種や業務が多くを占める企業であれば、テレワークに向いているといえるでしょう。もちろん、自己完結型の業務以外でも、インターネットによるweb会議などを行えば相互コミュニケーションをとることも可能です。

通信などのIT機器を活用すれば、より幅広い分野や規模の企業がテレワークを導入できるようになるでしょう。テレワークに向いていないからと諦めるのではなく、企業の業務内容などを分析したり最新のIT通信システムを調査したりして、テレワークの導入が可能かどうか検討することが大切です。

テレワーク導入の主な流れを把握しよう!目的を明確に

テレワークを導入する場合、経営者がまずやらなければならないのが「導入の目的・方針を立てる」ことです。働き方改革の一環だから、社員の働きやすさを追求したいからという理由も大切ですが、それだけではありません。漠然とした意欲だけでテレワークを導入しても、うまく機能せずコストだけがかかって失敗してしまう可能性もあるのです。これを防ぐためには、どんな目的のために導入するのか、導入後はどのように運営していくのかという方針を明確にしておくことが欠かせません。目的や方針を明確化することで、得られる効果もよりはっきりと把握できるようになるでしょう。

最初に目的や方針を明確にしておけば、どの部署や職種を対象とするのか、どんな形態ののテレワークを導入するのかなど、細かい部分まで計画を立てやすくなります。目的と方針の明確化が終わったら、次は具体的なルール作りや研修を行います。オフィス以外で仕事をするテレワークは、上司が部下の勤務状況を直接チェックしにくいことが多くなります。仕事の進捗状況や就業時間、残業の取り扱いなど、きちんとルールを作っておかないとトラブルのもとになってしまうので注意しましょう。ルールを作った後は社員へ研修を行い、内容を正しく周知徹底させます。いざテレワークが始まってから社内がバタバタしないように、企業と社員の間で認識の相違や不明な点を解消しておきましょう。

また、本格的にテレワークを始める前に試行導入期間を設けることも大切です。はじめてテレワークを導入する場合、企業も社員も不慣れなため、さまざまな課題が表面化することも珍しくありません。導入試行期間であれば課題が表れても軽いダメージで済む可能性が高いので、一部の部署や社員のみでしばらく試してみましょう。期間内に見つけた課題を洗い出し、解決してから本格的にテレワークを導入するという流れが基本です。

テレワーク導入のポイントは?通信機器や制度の整備をしよう

テレワークを導入する際の大きなポイントは、「企業に合った形態を選ぶ」ことです。テレワークはオフィス以外で仕事を行う働き方の総称であり、詳しく見るとさまざまな種類があります。たとえば、パソコンなどを活用して自宅で仕事をする在宅勤務、オフィス以外の外出先で仕事をするモバイルワーク、ごく小規模な通信環境を整えた施設を利用するサテライトオフィスなどです。在宅勤務はどこにも出かけずに仕事ができるため、家を離れられない育児中や介護中の人、病気やケガで出社が難しい人でも働くことができます。

モバイルワークは、営業職などオフィス外へ出かけることが多い人に向いています。外出先でどこでも仕事ができるため、顧客との打ち合わせまでの空き時間や移動時間などを有効活用できるでしょう。サテライトオフィスは、自宅内に通信設備を整えるのが難しい人、オフィスが遠すぎて通勤の負担が大きい人などの拠点として利用できます。このように、テレワークは形態に応じて特徴や向き不向きが異なるため、企業のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。また、テレワークをサポートするためのさまざまなシステムの導入も欠かせません。通信システムや制度の整備をはじめ、上司や同僚と業務内容を共有化したりコミュニケーションをとったりする社内SNSなども必要です。

テレワーク導入のポイント!中小企業は浸透しやすいメリットも

総務省の調査結果によれば、大企業ほど積極的にテレワークを導入していることは事実です。しかし、大企業でなければ導入できないわけではありません。企業が何か新しい制度を導入する際や方針を周知する際、経営者は企業としての明確な目的を社員に伝えて活用を促す必要があります。テレワークにおいても例外ではなく、どんな制度なのか、どのような形態とルールで活用していくのかなどを社員へ伝えなければなりません。このとき、中小企業であれば経営者の意向が社員へ伝わりやすく、浸透しやすいというメリットもあるのです。

大企業の場合、経営者と現場の社員は顔を合わせる機会もあまりなく、テレワーク導入の目的や活用方法の徹底がスムーズにいかないことも多いでしょう。現場の社員から不明な点や要望が出たとしても、それが経営者に届くまでには手間がかかります。社員が直属の上司に伝え、上司がまたその上司やテレワーク担当部署へ連絡し、そこからいくつもの役職を通ってやっと経営者に届くことも珍しくありません。これでは時間がかかるばかりか、現場の社員の声が正しく経営者へ伝わらない可能性もあります。経営者の声や意図も、同様に現場の社員にしっかり届きにくくなるでしょう。

この点、経営者と社員の距離が近い中小企業ならお互いの声が届きやすくなります。テレワークの活用方法やルールを周知できるのはもちろん、導入によってどんな結果が生まれるか、現場の社員の感想やモチベーションはどうかなど、さまざまな情報も把握しやすいでしょう。新しい制度を導入するうえで、社員への制度内容の周知や意思の疎通、課題の洗い出しなどは非常に重要なポイントです。中小企業だからこそのメリットを活かすことができれば、よりスムーズかつ効果的なテレワーク導入を実現できるでしょう。

テレワーク導入で人手不足が解消するメリットがある!

テレワークを導入すると、これまでやむを得ない事情で退職していた社員を引き留められるというメリットがあります。妊娠・出産や育児、家族の介護などをしなければならず、オフィスまで出社できずに泣く泣く退職を選ぶ人も少なくありません。テレワークなら自宅で仕事をすることも可能なので、退職しようとした社員に働き続けてもらったり、これまで自宅を離れられずに働けなかった新たな人材を確保したりできるのです。多くの人材が仕事を始めることが可能になり、企業の求人への応募も増えるでしょう。人材は企業の将来にもつながるものであるため、テレワーク導入による人手不足の解消は大きなメリットだといえるでしょう。

災害時にもリスクが分散される!業務が停止することがない

人材の確保以外にも、テレワークには災害時のリスクを分散できるというメリットがあります。テレワークを導入していない企業の場合、社員や重要な書類、パソコンなどの設備はすべて一箇所に集まっています。それが効率的なのも事実ですが、ひとたび大規模な災害に見舞われてしまえば損害は計り知れません。企業の財産ともいえる人やモノや情報が失われ、業務が行えない状況になることもあるでしょう。この点、社員や設備が一箇所に集まらないテレワークなら、災害時でもリスクを分散できます。本社が損害を受けても、離れた場所の社員が自宅や手持ちの設備を使い、業務を行うことも可能です。

取引先や顧客に迷惑をかけたり信用を失ったりしないためにも、普段からリスクの分散をしておくのは非常に重要だといえます。

時間を効率的に使い生産性がアップする!移動時間がなくなる

自宅や外出先で仕事ができるテレワークは、オフィスへ移動するための通勤時間がなくなるため、時間を効率よく使うこともできます。首都圏では通勤に片道1時間以上かかるというケースも珍しくなく、貴重な時間を無駄にしてしまう人が多いのです。この時間を移動ではなく仕事に充てることができれば、その分生産性が上がり企業の利益となります。また、社員にとっても早く仕事を終えられるようになるため、ワークライフバランスの向上にもつながるでしょう。会議を開くときに困るという場合は、web会議などを活用しましょう。わざわざ会議の場所へ移動する必要もなくなり、移動時間を節約できます。

テレワーク導入で優秀な人材を確保できる可能性が広がる

テレワークは、働く場所を選びません。これは、企業の所在地から遠く離れた土地に住む人材でも採用できることを意味しています。希少な専門性や豊富な経験・スキルなどを持った優秀な人材を、本来なら通勤できなかった地方や国外から広く募集できるのです。優秀かつ経験豊富なリーダークラスの人材を採用できるチャンスも増えるので、企業として業績アップへつながる可能性もあるでしょう。少子高齢化が進む日本では、将来的にますます人材の確保が難しくなっていきます。そんなときテレワークを導入していれば、ほかの企業との差別化を図り、多くの優秀な人材を確保できる可能性が広がるでしょう。

まとめ

テレワークの導入には、通勤時間の削減以外にもさまざまなメリットがあります。その中でも、優秀な人材を国内外から広く採用できるという点は、企業にとって非常に魅力的なのではないでしょうか。人材の確保は企業の業績にもつながる重要なポイントなので、人手不足に悩んでいる企業は積極的にテレワークの導入を検討してみると良いでしょう。自社の未来が、明るく見通せる可能性が広がります。

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