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テレプレゼンスロボットとは?リモートワークへの影響を解説!

「テレプレゼンスロボット」とは、通信機能が内蔵されており、テレビ会議の装置として活躍したり、遠隔操作でコントロールできたりする次世代型の通信ロボットのことを指します。これを介してコミュニケーションを取ることも可能で、オフィス内や学校だけで活躍するのではなく、在宅勤務のパートナーとしても注目されています。しかし、こうした説明だけを聞いてもこのロボットにはどのような特徴があるか、あるいはどのような使い道があるのかはよくわからないかもしれません。そこで今回の記事では、テレプレゼンスロボットとは何かを説明し、その特徴や使い方なども解説していきます。また、リモートワークへ与える影響にはどのようなものがあるのかもあわせて紹介します。

サービスロボットの種類!コミュニケーションとテレプレゼンス

テレプレゼンスロボットはサービスロボットの一種であるため、まずはサービスロボットの種類について見ていきましょう。サービスロボットとは主にサービス業の分野で使われるロボットのことですが、近年ではそれにとどまらずさまざまな分野で活躍しています。サービスロボットのひとつ「コミュニケーションロボット」は、同じ場所で会話をしたり情報を与えたりといった機能を持つロボットです。製品化された具体例を挙げると、フロア案内などをしてくれるPepper(ソフトバンクロボティクス)や、介護分野で活躍するアザラシの見た目をしたセラピー用のロボット、パロ(大和ハウス工業株式会社)などがあります。

一方、もうひとつのサービスロボットである「テレプレゼンスロボット」とは、離れた場所にいる人がオンラインで操作を行い、その人の代わりに会話や作業を行うものです。つまり、このロボットを介して遠隔地にいる人がまるでその場にいるかのようにコミュニケーションが取れるのです。こちらのロボットにはモニターがついていたり別途タブレットなどを取り付けられたりすることが多く、相手の顔を見ながら意思疎通が行えるのが特徴です。そのため、離れたところにいても親近感がわきやすいのが利用するメリットとなっています。

こちらのタイプはロボットの向こう側に人間がいるため、コミュニケーションロボットよりも細かで柔軟性のあるコミュニケーションが取れます。したがって、テレワークをしている人でもテレプレゼンスロボットを導入すれば、上司やチームがすぐ近くにいる感覚が味わえるでしょう。また、在宅勤務者では仕事上での孤立感を減らし、コミュニケーション不足によるトラブルを回避するのにも役立ちます。

テレプレゼンスロボットとは何かを押さえておくべき!

テレプレゼンスロボットとは、時間や距離、悪天候といったさまざまな都合により特定の場所に行けないケースで、自分の目・耳・口の代わりを務めてくれるロボットのことを指します。このロボットの多くにはカメラとマイク、スピーカーとモニタが備えつけられており、映像と音声をネットワーク経由でやり取りできます。この点においては、テレビ会議やウェブ会議といったいわゆるビデオ会議とまったく同じです。

テレプレゼンスロボットとビデオ会議が異なるのは、遠隔操作によってロボットを移動させることができたり、移動できないまでも首を回すようにカメラとモニタの向きを変えられたりするという点です。つまり、より人間に近い動きをすることで、より多くの情報を得たりコミュニケーションをとったり、あるいは存在感を増したりできます。こういった特徴が前述した「親近感」につながるのです。テレプレゼンスロボットは、まるで自分の分身を遠くに送っているような感覚で捉えるとわかりやすいのではないでしょうか。

テレプレゼンスロボットにも種類がある!それぞれの特徴は?

テレプレゼンスロボットにも種類があります。そのひとつ「テレプレゼンス」は、映像によって遠隔地とのコミュニケーションを取るロボットであり、双方向性が高いのが特徴です。もうひとつの「テレイグジスタンス」は、遠隔地にロボットを設置し、離れたところから人間が操作を行い、その際にロボットから取得できる情報を人間にフィードバックし、人間とロボットが一体となった感覚を得られるロボットのことで、医療分野のオペレーションでも使用された実績があります。

テレプレゼンスロボットの特徴

テレプレゼンスロボットの特徴は、一度設置したら動くことがなかった従来型のビデオ通話にはない機能、遠隔操作でロボットを自由に動かせるという点です。これにより、その場に本人がいなくても実在するかのように感じられるのが特徴です。コミュニケーションにおいては自分とより近いものに親近感がわくのが自然なことで、より複雑な動きをするテレプレゼンスロボットを利用することで相手の感情を良い方向へと刺激します。

たとえば、タブレット端末を取り付ける「Double」というテレプレゼンスロボットは、自立走行ができます。会議中に窓の近くに行くように促された場合でも、Doubleを使えば会議室にいる社員と同じく窓辺に移動できるのです。また、Kubiという同じくタブレット端末を取りつけるロボットは、顔部分に当たる端末を比較的自由に動かすことができます。こちらには走行機能はなく、それに伴い値段もそれほど高くはありません。10万円を切る値段で販売されているものもあります。このように、タブレットを別途取り付けるタイプのものは比較的安価なので、導入しやすいのも特徴です。

テレプレゼンスロボットの使い方は多様!可能性が広かる

テレプレゼンスロボットの使い方の例として挙げられるのは、講演会や研修などです。講師が会場に来なくても講演や研修ができ、また研修を受ける人も離れた場所から参加できるメリットがあります。さらに、講師の交通費や拘束時間を抑えることで経費もまた抑えられるので、主催者側にとってもプラスの側面があるでしょう。

打ち合わせや会議でもテレプレゼンスロボットは活躍します。とりわけリモートワークで海外にいる社員との会議では、ホワイトボードを利用するなどのリアルな話し合いが実現できます。首を振ったり移動できたりするテレプレゼンスロボットでは、複数が参加する会議では発言者のほうを向くこともできるので、より密なコミュニケーションに役立つでしょう。

さらに、ビジネス以外でもこちらのロボットは使い勝手があります。離れたところに住む家族とのコミュニケーションも、テレプレゼンスロボットならスムーズに行えるのです。高齢の親に万が一のことがないかを確かめるときなどは、特に自走するロボットであれば力を発揮するでしょう。

テレプレゼンスロボットには課題がある?

一方、テレプレゼンスロボットにも解決しなければならない課題があります。そのひとつに、アメリカに比べてバリアフリー化が途上である日本では、自走式のものは転倒のリスクがあるという点です。加えて、日本の場合は室内空間がせまく、操作にある程度熟練していないと使用が難しいことも課題となります。Doubleを例にとって見ていくと、タイヤは円筒形状の本体の左右にひとつずつ付いており(二輪倒立振子型)、基本的に小さな段差なら乗り越えられるようにはなっています。

しかし、敷居が高すぎると移動できなかったり、無理に強い圧力を加えると転倒の恐れがあったりするので注意が必要です。Doubleには何かあったときのために備えて、ロボットの周囲で補助する人が必要な点も課題といえるでしょう。自律走行型のロボットは活躍する範囲が広いものの、上記のような日本の現状から、Kubiのような首振型ロボットのほうが導入されるケースが多いのが実情です。

テレプレゼンスロボットでコミュニケーションが取れる!

テレプレゼンスロボットの特徴に、すでに述べたようにコミュニケーションが取れる点が挙げられます。Kubiの場合は取り付けたタブレットは1回転させることが可能で、さらに上下縦方向の動きも加わるため、まるで場所を共有しているかのような感覚のコミュニケーションを取ることができます。後ろにあるものを振り向いて認識したり、横にいる人の顔を見たりといった動作は、対人コミュニケーションとしては必要不可欠な要素でしょう。また、離れた場所にいる孫の様子がよくわかるなど、互いにより良い触れ合いができる点もこのロボットのメリットといえます。

テレプレゼンスロボットのアメリカでの使用例を紹介!

テレプレゼンスロボット先進国のアメリカでは、病気の子どもがこのロボットを活用して小学校に通っているような経験ができ、家庭教師を雇う必要がなくなったという例があります。これは前述の講習会や研修の応用みたいなもので、教育現場においてもテレプレゼンスロボットが活躍しているという実例です。しかし、学習するだけなら授業の様子をビデオに撮ったものを見るだけでも構わないはずですね。学校教育にこのロボットを用いるメリットは、病気の子どもが友だちとの双方向のコミュニケーションが取れるという点です。

コミュニケーションもまた教育には欠かせない要素であり、テレプレゼンスロボットの持つ可能性は、このケースにおける最適解のひとつとなっています。こちらはKubiを使っているため自走することはできませんが、その代わり友人たちがKubiを車輪付きのラックに乗せて一緒に移動しています。どのような友人であっても仲間として大切に扱うという心も、テレプレゼンスロボットは育てているといえるでしょう。また、アメリカでは大学でもDoubleを使ったゼミや研究報告が行われており、時間や場所をそれほど気にせずに活発な議論が繰り広げられています。

医療分野でもテレプレゼンスロボットは活躍しているので注目です。ある病気に関する名医はどこにでもいるわけではなく、医者によっては定期的にいくつかの病院を訪問してコンサルティングを行うことは珍しくありません。しかし、悪天候などにより訪問できないことは珍しくありません。そこで、こちらのロボットを使うことで遠方から医療の助言を行うことができるようになり、天候などが理由でキャンセルすることがなくなりました。

さらに、リモートワークやテレワーク勤務者に対してもテレプレゼンスロボットは使われています。アメリカでは会議だけではなく面接もこちらのロボットを使って行なっており、かなり幅広く活用されていることがうかがえます。

離れた場所で面接もできる!テレプレゼンスロボットの事例

テレプレゼンスロボットを活用して面接を行った事例では、面接者から離れた場所にあるオフィスで応募者との面接を行いました。場所の制約を受けないので、従来では不可能だった遠方に住む人材との面接もでき、人材確保が進んだ実績があります。ビデオ会議でも似たことはできますが、前述のようにテレプレゼンスロボットはより深いコミュニケーションを助け、親近感を得るのに役立ちます。これから一緒に仕事をする仲間を見つけるためには、より多くの情報や印象を得たいと思うのは自然なことでしょう。その欲求を解決に導いてくれるのがテレプレゼンスロボットなのです。

また、日本では少子化の影響もあり、優秀な人材の確保は今後の大きな課題です。とりわけ、地方の企業は人材確保のためにこういったテクノロジーを積極的に導入することで、打開策への可能性が高まるでしょう。

リモートワークにテレプレゼンスロボットが及ぼす影響

リモートワークにテレプレゼンスロボットが使われていると述べましたが、このロボットは新しい勤務形態にどのような影響を与えているのでしょうか。すでに、リモートワークではチャットツールやテレビ会議システムにより、文字や2次元的な動画、音声でのコミュニケーションは可能となっています。しかし、それだけでは双方の理解が不十分なこともあり、より深いレベルでのコミュニケーションは、リモートワークにおける課題のひとつです。

そこで活躍するのが、テレプレゼンスロボットが得意とする双方向性のコミュニケーションです。意思疎通にはまだ課題があるリモートワークに、このロボットの導入は向いているといえます。リモートワークを検討していたり、すでに実践しているにもかかわらずなかなかうまくいかないと感じていたりする場合は、こちらのロボットの活用を視野に入れると良いでしょう。テレプレゼンスロボットにより、遠隔地にいてもその場にいるような臨場感でコミュニ―ケーションを取ることが期待できます。また、テレプレゼンスロボット自体にも進化が期待されており、今後は仕組みの整備やアプリの開発が進むと見られています。ますます便利になることが予想されるテレプレゼンスロボットは、次世代的な勤務形態をより自由かつ快適なものにしてくれることでしょう。

まとめ

リモートワークにテレプレゼンスロボットを活用すると、リモートワークの課題であるコミュニケーション不足を解消できる可能性が高まります。すでにアメリカでは積極的に導入されており実例も多くあるので、参考にすると良いでしょう。リモートワークは勤務者にとっても経営者にとっても、またもっと広い視点から見ると環境にとっても導入が望まれる優れた勤務形態です。テレプレゼンスロボットを活用し、次世代の働き方を快適で効率的なものにステップアップさせていきましょう。

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