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コールセンター業務は在宅勤務しやすい!導入の際の注意点とは

在宅勤務とは、メールやコミュニケーションツールなどの情報通信技術を活用して、社員が個人の自宅で業務する勤務形態のことを言います。ITの進化や働き方改革の推進により、さまざまな働き方を求める人が多くなりました。そんな変化に伴い、日本でも在宅勤務の働き方は浸透しつつあり、在宅勤務を取り入れる企業も増加傾向にあります。しかし、初めて在宅勤務を採用する企業にとって、分からないことも多いでしょう。ただ、すべての業務が在宅勤務に適しているというわけではありません。在宅勤務と相性の良い業務は数多くあって、コールセンター業務はその代表例だと言えます。この記事では、企業が在宅でのコールセンター業務を導入することへのメリットや注意点について説明します。

コールセンターが在宅勤務に向いている理由とは

在宅勤務は、ずべての業務に適用できるわけではありません。業務の中には、会社のオフィスでしか対応できないものもあるので、在宅勤務が可能かどうか見極める必要があります。通常会社で働く場合、会社の同僚や上司とコミュニケーションを取って業務を遂行する必要があります。しかし、エンジニアやデザイナーなど、他人とコミュニケーションを取らなくても1人で完了できる業務内容であれば、在宅勤務をすることが可能です。また、プログラムの作成や一定の量のデータの入力も、業務の完成度で成果が判断できるので、在宅勤務に適していると言えます。

さらに、従業員の裁量に任せる要素の大きい専門性の高い業務も在宅勤務向きです。電話での問い合わせに対応するコールセンターもこの業務に当てはまるため、在宅勤務がしやすいと言えるでしょう。ただ、基本的にコールセンターの業務はマニュアルに沿った対応をしますが、お客様の表情が見えない状態でのコミュニケーションになるため、臨機応変な対応が求められる場合もあります。さらに、質問や受付の対応だけではなく、感情的なクレームの対応も必要になる場合があります。お互いに顔が見えないからこそ、丁寧な言葉遣いや声のトーンなど、お客様への気配りが大切だと言えるでしょう。

在宅型コールセンター導入のメリット1.人材確保しやすい

在宅勤務であれば、採用できる人材の幅を広げられます。育児で離職した女性や、介護のために退職した人、コールセンターの近くに住んでいない人など、全国から経験豊富な人材を確保することが可能です。特に、育児で一度離職した女性は、子育てがひと段落すれば、もう一度社会に出て、働きたいと考える人も多いです。また、介護をする人にとって、通勤が必要な仕事と介護を両立することは困難であるため、通勤する必要のない在宅勤務であれば、働くことが可能になります。

さらに、人手不足が大きな問題になっている日本では、優秀な人材の離職率を下げたいと考える企業は多いでしょう。基本的に、離職を希望する社員を企業側は引き止めることはできません。しかし、何らかの理由で通勤することが難しくなった人が、働き続ける、もしくは退職する以外に、在宅勤務という働き方の選択肢があれば、現社員の離職を回避できる可能性が高まるでしょう。そのため、在宅勤務が可能となる体制や準備を整える必要があります。

在宅型コールセンター導入のメリット2.コスト削減になる

在宅勤務は、基本的に自宅で業務をするため、勤務用のオフィスを用意する必要はありません。内装や機器の費用などの初期費用を削減できるうえに、賃貸料や光熱費など毎月発生するオフィスの維持費も抑えることができます。さらに、在宅勤務者にとって自宅で働く最大のメリットは、毎日の通勤がないということではないでしょうか。逆に、企業からすると、交通費を削減することが可能になるということです。全社員の交通費を支払うことは、企業にとって大きな負担になります。そのため、在宅勤務を導入することで交通費の大幅なコスト削減が見込めるでしょう。

また、新しい人材を獲得するためには、多大な時間とコストがかかります。もし、在宅勤務の選択肢が社員にあれば、現社員の離職を回避することができるかもしれません。それは、新しい新人を雇うための研修費や教育時間のための人件費などが不要となるということです。まずは、社員が働きやすい環境を整えることが大切だと言えるでしょう。

在宅型コールセンター導入のメリット3.リスク分散になる

コールセンターの拠点が災害に遭った場合、業務停止を余儀なくされることもあります。しかし、在宅型のコールセンターであれば、勤務者が全国に配置できるため、特定の地方に大災害が発生しても、リスクを分散させることが可能です。2011年に発生した東日本大震災のあと、各企業では数多くの地震対策が実施されてきました。しかし、たとえ被害をまぬがれたとしても、災害による交通機関の運休見合わせなどで、通勤が困難な人が多く発生する可能性があります。さらに、災害への対応として計画停電が実施された場合、会社のオフィス内での業務は一時的に停止しなければいけません。

もし、コールセンターの拠点となっているオフィスで災害による被害を受けて、業務の継続が難しくなるような場合でも、在宅型コールセンターであれば、早期に業務を再開することが可能になります。

在宅型コールセンター導入の注意点1.対応品質

在宅型のコールセンター導入するにあたり、注意しなければいけない点がいくつかあります。在宅勤務は、基本的に自宅で業務を行うため、企業は勤務者の日々の勤務態度をチェックすることは困難です。したがって、顧客への対応品質は重要な課題となります。在宅勤務の場合、人事評価は勤務態度や時間は評価対象にはしにくく、主に業務の成果が評価基準になる場合が多くなります。この評価基準の項目は、必ず明確でなければなりません。どのような基準によって評価をするのか明確でなければ、評価基準は曖昧になり、適切な評価ができない可能性もあります。勤務品質が正しく評価されれば、勤務者のモチベーションアップにもつながるでしょう。

また、在宅での業務中に問題が発生した際、上司や経験者が電話を変わったり、近くで迅速にフォローすることは難しくなります。そのため、在宅勤務者は臨機応変に対応する能力が求められます。在宅勤務の場合でも、企業は業務の不安や疑問を丁寧に解決できるサポート体制を整えることなどで、対応品質を維持するための取り組みが必要です。

在宅型コールセンター導入の注意点2.セキュリティ

在宅勤務者の勤務状況を把握することが困難であるため、情報漏えいや不正アクセスのリスクがあることを忘れてはいけません。コールセンターには、多くの顧客の個人情報が保有されています。不注意によるミスで、情報が漏れる可能性もあるのです。在宅勤務者による漏洩リスクを防ぐためには、採用基準を高くしたり、セキュリティに対する導入教育も実施しなければいけません。

また、インターネットを経由した業務も発生するため、社外からの不正アクセスなどによる情報漏えいのリスクも回避する必要があります。不正アクセスを防止するためには、システム管理者側でセキュリティ対策を行ったり、プロのアドバイスを受けることがおすすめです。

在宅型コールセンター導入の注意点3.勤務者の精神負担

在宅勤務の場合、会社の上司や同僚とのコミュニケーションは不足しがちです。社内勤務であれば、早急な対応が必要なとき、近くにいる同僚や上司に助けや確認を取ることができますが、在宅勤務であれば確認するのに時間がかかります。そのため、業務上で問題が起こったときや、不明点がある場合は、ビジネスチャットなどすぐに確認できるように環境を整備しておくことが重要です。

在宅者勤務への導入研修は丁寧に行い、最初から難易度の高い案件対応をさせないというような配慮も必要です。業務に対して精神的な負担感が強いと、せっかく獲得した優秀な人材も失ってしまうこともあるので注意が必要です。特に、感情的な男性からのクレール対応の場合、興奮した相手とやり取りをする際に、自宅で業務を行っていることもあり、対応した女性は恐怖を感じるかもしれません。コールセンターでは、悪質なクレーム対応に対して、さまざまな対応策が実施されていますが、オペレーターを標的にしたクレームであった場合、在宅勤務だと逃げ道がないと感じる人も多いでしょう。同じような案件であっても社内と自宅では感じる恐怖が異なります。そのため、在宅勤務者の精神的な負担を軽減するための対策が必要です。

在宅型コールセンター導入の注意点4.勤務者の費用負担

在宅勤務は、業務に必要な最低限の環境を整えなければいけません。ただ、その際に発生する費用は、原則として会社の負担になります。まずは、業務上必ず用意しなければいけないのが、パソコンや周辺機器です。個人で所有している場合は、そちらを使用することも可能ですが、費用の分担方法やセキュリティ対策について明確にルールを決めておく必要があります。新しく購入するパソコンや周辺機器の費用は、全額会社負担とするのが望ましいでしょう。

在宅勤務に伴って発生する費用は、主に光熱費と通信費です。光熱費は、機器の使用や照明にかかる電気代に、トイレなどの水道代なども挙げられます。水道や電気などの光熱費は、家庭と仕事で使用した分を完璧に区別することは難しいため、ほとんどの会社は、一定の金額が定められています。通信費は、インターネット回線や電話代が含まれます。仕事に関する料金が発生したものは、会社負担の対象になります。ただ、光熱費と同様に、完全に区別するのは困難なため、定額で支払われる場合が多くなっています。

企業が在宅勤務を導入する際には、厚生労働省による助成金の支給を受けられます。もし助成を希望するのであれば、どれくらいの費用を支給してもらえるのか、事前に確認することをおすすめします。また、業務によって発生する光熱費や通信費を社員の負担にすることも可能です。ただし、社員負担にする場合は、就業規則に記載しておく必要があるので注意しましょう。

在宅型コールセンター導入の注意点5.勤務者の労働時間管理

在宅勤務は、会社に通勤しないため、企業は在宅勤務者の働き方の全てを把握しづらくなります。しかし、勤務者が決められた時間に勤務していなかったり、オーバーワークになったりしていないかを確認する必要があります。すべての労働時間を管理することが難しいため、事業場外みなし労働時間制を採用する企業も多くなっています。事業場外みなし労働時間制とは、会社以外の場所で業務をする場合、所定の時間労働したとみなす制度のことを指します。ただ、この制度を認められるには、条件があるため事前に内容を確認することをおすすめします。

また、在宅勤務だからといって、在宅勤務者の負担になるような深夜や休日勤務を強いるようなこともしてはいけません。在宅勤務であったとしても、労働時間は1日8時間、週40時間という労働基準法の規定で定められています。労働基準法を順守したうえで、在宅勤務者に負担を感じないように、シフトを組む必要があるでしょう。また、在宅勤務を導入する前に、労働時間に関する規定を社内で設けることをおすすめします。

在宅型コールセンター導入の注意点6.不公平感を生まない

在宅勤務とは別に、コールセンターに拠点がある場合、在宅勤務者と拠点勤務者の間に不公平感を生まないように配慮をする必要があります。しかし、拠点でしかできない仕事もあるのも事実です。そのため、拠点勤務者は、在宅勤務の社員の代わりに行う上司からの急な仕事や会社にかかってくる電話対応などが増えると、不公平感は募っていきます。逆に、在宅勤務者は、早急な対応がある場合になかなか連絡が取れなかったり、適正な評価が受けられなかったりなど、拠点勤務者とは異なる不満が出ることもあります。

不公平感を生まないために、まずは福利厚生や人事評価などは同等に行うのが基本です。拠点勤務者へは、難易度の高い問い合わせが、拠点だけに集中しないようにするなどの配慮が大切になります。また、在宅勤務者への配慮としては、CTIなどの電話システムや通信環境の整備、ビジネスチャットの用意など、拠点の勤務者と同じ勤務環境を整えることが大切です。さらに、企業は、労働に見合った評価を適正に行う必要があります。同じ空間で働いていないからこそ、十分なコミュニケーション取ることは難しいです。在宅勤務者への評価が曖昧になってしまうと、働くモチベーションが下がってしまうかもしれません。そのため、在宅勤務者への評価方法を拠点勤務者とは別に決めることが重要です。

まとめ

コールセンター業務は、在宅勤務との相性が良く、このシステムを導入することには企業にとってさまざまなメリットがあります。年々深刻化する人手不足問題は、企業にとって切実な問題であり、解決することは決して簡単なことではありません。しかし、働く側が自分のライフスタイルに合わせて働き方が選択できれば、現社員の離職を回避することができて、自社で培ってきた経験と知識を活かし続けることが可能になります。また、新しい人材を確保するための採用費や教育費などコスト面も大幅に削減することができるでしょう。しかし、導入の際には、注意点に考慮して慎重に進めていかなければいけません。あらかじめ対策を考えるなど、問題が発生したとしても、すぐに迅速な対応ができるように準備しておくことが大切です。

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