リモートワーク部TOPリモートワークの基本知識在宅勤務制度を導入できる職種の種類について特徴を紹介!

在宅勤務制度を導入できる職種の種類について特徴を紹介!

人材不足を解決するにはさまざまな方法があり、そのうちのひとつに「在宅勤務制度の導入」があります。これは、働く場所をオフィスに限定せずに自宅での就業を可能にするものです。働き方改革の波が広がるとともに、在宅勤務にも注目が集まっています。しかし、在宅勤務制度はすべての職種において導入できるものではありません。自社の業務に導入できるのかどうかを見きわめるとともに、事前に導入するにあたって気をつけたいポイントも把握しておいたほうがいいでしょう。そもそも、在宅勤務制度を導入できる職種にはどのようなものがあるのでしょうか。在宅勤務をしやすい職種の具体的な例と、制度を新しく導入するために押さえておきたいことを紹介します。

「在宅勤務制度」はテレワークやリモートワークの一種

在宅勤務制度とは、企業に勤める社員やスタッフが会社のオフィスに足を運ぶことなく、自宅で仕事をこなす勤務形態のことです。在宅勤務を行う社員は、インターネットを介して会社のシステムやサーバーに接続し、ノートパソコンなどで作業をします。ほかの社員とのやりとりには、通話ツールやチャットツール、電話などを利用するのが一般的です。情報通信技術が発達し、リアルタイムでコミュニケーションがとれる手段が豊富になったことから可能になった働き方ともいえるでしょう。まったく出社しない完全在宅勤務もあれば、在宅勤務と出社勤務を併用する部分在宅勤務もあります。

たとえば、午前中は在宅で働き、午後から出社するといった「1日のうちのある一定の時間帯のみ自宅で働く」という形が代表的な例としてあげられるでしょう。そのほかにも、曜日によって出社する日と在宅勤務の日を分けるなど、柔軟な働き方が可能になるシステムです。在宅勤務制度は「テレワーク」や「リモートワーク」と呼ばれる働き方のひとつです。テレワークとは、時間や場所を選ばない働き方全般のことを指します。「tele(離れた場所)」と「work(働く)」という単語を組み合わせた造語で、総務省などの公的機関でもこの呼び方が採用されています。

この「テレワーク」はイコール「在宅勤務」ととらえられがちですが、テレワークは在宅勤務のみを指す言葉ではありません。テレワークには、在宅勤務のほかに「モバイルワーク」や「サードプレイスオフィス勤務」などがあります。モバイルワークとは移動中や出先で働くことで、サードプレイスオフィス勤務とは勤務先以外のワーキングスペースで働くことです。在宅勤務は、あくまでもテレワークの一種に過ぎません。

企業が各職種に在宅勤務制度を取り入れるメリットは?

在宅勤務制度は、働く側にとっては出勤が必要なくなるという大きなメリットがあります。満員の通勤電車は、体力面でも精神面でも消耗するものです。長くなりがちな通勤時間にストレスを感じる人も少なくありません。通勤せずに仕事ができたり、通勤ラッシュの時間帯を避けて出社が可能だったりすれば、それをメリットと感じる人は多いでしょう。裏を返せば、企業側は「在宅勤務制度」を人材採用時の強みのひとつとしてアピールすることができるというわけです。求職者に対する訴求性が高くなることで、必然的に優秀な人材を確保できる確率もアップします。

また、在宅勤務制度はスタッフの離職を防止するのにも役立ちます。「引っ越しで職場から離れてしまうため通勤が難しい」「子どもを保育園に送っていると始業時間までに出社できない」といった理由で離職を選択する人は少なくないでしょう。スキルのある人が「働きたい」という意思や意欲を持っているにもかかわらず、通勤がネックとなって離職してしまえば、企業側にとっても大きな損失です。こういった人たちが在宅勤務という選択ができれば、居住地や勤務時間を理由とする離職が減り、人材の定着率が高くなるでしょう。

さらに、社内の設備や備品を節約できるのもメリットです。たとえば、50名のスタッフが在籍しているオフィスで全員が毎日出社するとなると、50名分のデスクやパソコン、それに見合う広さのオフィスが必要になってきます。そこで、50人のうち20名を在宅勤務とすれば、オフィス内には30名分の備品があればよく、広いスペースも必要ありません。オフィスの家賃を抑えられたり、備品の数を少なくできたりすることは、コストの削減になります。

加えて、在宅勤務には「スタッフに長く働いてもらいたい」「社員の負担を軽くしたい」といった企業の姿勢が垣間見えます。多様な働き方を導入することで社員を大切にしている企業だという印象を与え、全体のイメージアップにもつながるでしょう。時代の流れに沿ったシステムを積極的に取り入れるという柔軟さも感じさせます。これにより、求人の際に優秀な人材を確保しやすくなるだけでなく、営業活動にもいい影響を与えます。

在宅勤務が可能な職種1:内勤営業(インサイドセールス)

在宅勤務は、すべての職種で可能というわけではありません。たとえば、ホテルや飲食店のスタッフなど、お客さまに直接サービスを提供する職種での導入は困難でしょう。在宅勤務が可能な職種として代表的なものに「内勤営業(インサイドセールス)」があります。内勤営業とは、電話やメールといったツールを使い、見込み客と直接顔を合わせることなくセールスをする営業手段のことです。WEB経由で問い合わせのあった見込み客に対して電話をかけたり、メールで返答したりといった業務を行います。

内勤営業では客先に出かける必要がありません。電話やメールをはじめとする連絡手段があればよく、場所や時間を選ばすに仕事ができます。そのため、出社勤務でも在宅勤務でも効率に差がつきにくく、在宅勤務で行うメリットが大きいといえるでしょう。内勤営業に力を入れれば遠方の見込み客にもビジネスをアピールでき、営業エリアが広がるといったメリットがあります。外回りの営業と違って交通費や移動時間が発生しないことも見逃せません。さらに、いつでも営業ができるという点を生かし、見込み客に合わせた営業活動も可能になります。短時間で営業を成功させることで、営業効率や生産性のアップにもつながっていきます。

在宅勤務が可能な職種2:事務系のデータを入力する作業

事務系の業務にも在宅勤務に向いているものがあります。なかでも「データ入力」は、非常に在宅勤務に向いている業務だといえるでしょう。データ入力に必要なのは「正確さ」に加え「集中してコツコツと行うこと」です。自分以外のスタッフと連携する必要性が低く、インターネット環境やパソコンがあれば会社から離れた場所でも作業できます。データ入力をオフィスで行うとなると、周囲の話し声が気になったり、電話応対をする必要があったりして、手を止めざるを得ない状況が生まれがちです。オフィスから離れ黙々と1人で作業することで効率アップも見込めるでしょう。

データ入力の業務は「ショッピングサイトへの商品登録」「名刺情報の入力」「手書き書類のデジタル化」「アンケート集計」など多岐にわたります。しかし、キーボードを使ってあらかじめ決められたフォーマットに入力していく作業が多く、事務の経験がない人、経験が浅い人でも取り組みやすいのがメリットです。パソコンでの入力ができればよく、専門的な知識や技術を必要としないので、企業としても在宅勤務を導入しやすい職種だといえるでしょう。

在宅勤務が可能な職種3:WEB専門職(エンジニアやコーダー)

専門職でいうと、WEB関係の仕事に携わる職種は特に在宅勤務が多いのが特徴です。WEBの専門職の場合、提供する商品やサービスそのものがWEB上にあるため、パソコンとインターネット環境さえ整っていればどこでも作業ができ、働く場所を選びません。WEB関連の専門職は細かく分かれており、代表的なものには「WEBデザイナー」「コーダー」「WEBエンジニア」などがあります。「WEBデザイナー」とは、名前の通りWEBサイトのデザインをする人のことです。想定する客層に合わせたデザインを作りあげる能力やセンス、デザインに関する知識などが必要になってきます。

「コーダー」とは、HTMLやCSS、JavaScriptなどの言語を使ってコーディングする人のことです。コーダーが専用の言語を使ってコーディングすることによって、実際にブラウザでWEBサイトを閲覧することが可能になります。「WEBエンジニア」は、WEB上で動くアプリケーションやシステムの開発・設計などを担当する人です。業務によって「フロントエンドエンジニア」「バックエンドエンジニア」に分かれ、それぞれ仕事内容が異なっています。フロントエンドエンジニアはユーザーの目に触れる部分や実際に使う部分を担当します。それに対し、バックエンドエンジニアは、ユーザーが入力した情報をデータベースに登録する処理など、目に見えない部分を担うのが仕事です。

各職種に在宅勤務を導入するために押さえておきたい注意点

在宅勤務には多くのメリットがありますが、注意したいポイントもあります。まず、スタッフ同士のコミュニケーションが不足しがちになり、連携がしにくくなる点です。WEBの開発を在宅勤務で行う場合を考えてみましょう。業務が細分化されているWEB開発には、WEBデザイナー、WEBエンジニア、コーダーなど異なる職種の人が何名も関わってきます。そのため、担当者同士の連携が不可欠となってくるでしょう。それぞれの担当する業務がどこまで進んでいるかといったことや、仕事を進めるうえでの問題点を全員で共有する必要があり、それを怠ればプロジェクトの進行そのものに影響が出てきます。

スタッフ同士が物理的に離れたところにいることで、連絡のタイムラグも発生しがちです。「今すぐに連絡が必要」といった緊急時に電話がつながらず、業務に遅れが発生してしまうこともあるでしょう。相手の姿が見えないと、誰がどういった業務を行っているかがリアルタイムでわかりづらくなります。その結果、「誰かがやっているはず」といった思い込みから対応漏れが発生する可能性もあります。また、セキュリティ面も留意しなくてはなりません。インターネットを経由して重要なデータのやりとりをする以上、情報漏洩のリスクが常につきまといます。コンピューターウイルスなどのマルウェアによる漏洩のほか、単純な送信ミスによるデータ流出なども絶対にないとはいえません。

在宅勤務制度を取り入れるために準備したほうがいいことは?

在宅勤務は、安易に取り入れてしまうとデメリットが強く出てしまいがちです。導入時には、さまざまなシーンを想定したうえでしっかりと準備をしたほうがいいでしょう。まず意識したいのは、コミュニケーションや業務の連携についてです。社員やスタッフ同士のコミュニケーションを促進するためには、月に一度は実際に顔を合わせる機会を設けるようにするのが良いでしょう。生身の人間同士で対話をすることで人間関係が深まり、仲間意識や一体感も生まれます。メールやチャットツールなど、文字のみを用いたコミュニケーションではわからない相手の雰囲気なども知ることができるでしょう。また、お互いに普段から綿密に連絡を取り合い、情報の共有を意識することも重要です。お互いの姿が見えない以上、どれだけ細やかに連絡を取ってもやりすぎるということはないはずです。

加えて、緊急時の連絡方法について取り決めをしておくと、いざというときにも慌てずに済みます。Skypeなど、顔を見ながらリアルタイムでやりとりできるツールを導入していても、状況によってはそういったものが使えなくなることも考えられます。たとえば、「サーバーが落ちてしまって作業ができない」「自然災害が発生した」などという状況におちいる可能性もあり得るでしょう。このような緊急時にも迅速に対応できるよう、シミュレーションをしたり対策を共有したりしておくと安心できます。

セキュリティ面では、ウイルス対策ソフトを導入するなどのシステム面での対策が必須です。セキュリティソフトは定期的に更新し、常に最新の状態に保っておきましょう。加えて、社員へ向けたセキュリティ教育も重要です。「仕事用のパソコンとプライベート用のパソコンを別にする」「むやみにフリーソフトなどをダウンロードしたりインストールしたりしない」といったことを徹底します。メールなどでやりとりする重要なファイルにはパスワードをかけて管理するなどの対策も有効です。

まとめ

在宅勤務制度を上手に活用すれば、優秀な人材が確保しやすくなるばかりではなく、コスト削減や作業効率のアップにもつながります。在宅勤務に切り替えられる職種は数多く、枚挙に暇がありません。ただし、導入するにあたってはいくつか注意点もあるため、導入前にしっかりと情報を集め、準備をしておくことが大切です。職場の個性に適した制度を整え、人材確保につながる在宅勤務制度の導入を成功させましょう。

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